PPWビジネス通信 × アナシス Vol.28

2020/04/22

M1

人事労務のアナシスによる誌上相談会

「オンライン評価面談を「受ける側」の注意は?」
問い
マネジメント側でなく、部下側としての質問です。在宅勤務で一般化しましたがオンラインでの上司との面談のこつ、特に評価面談などを教えてください。

黒崎:これまでマネジメント側のご相談を受けてきましたが、確かに現地駐在の方々も日本に上司がいて評価される側でもあり、上司・部下という二つの視点でこのオンラインの1対1の面談を考えてみたいと思います(オンライン会議ではなく、面談という意味で)。新型コロナの影響がなくても、多数の拠点を束ねている経営者の方は、これまでもオンラインによる個別面談は活用されてきたと思います。かくいう私も中国・香港・台湾の12拠点を担当しているときは、すべてを直接回れずにオンラインでやっておりました。その経験から言えば、この手のミーティングのうまい下手も、評価には少なからず影響すると思います。なにしろ常に一緒にはいられない上司です。各拠点長とのオンライン面談と経営データはかなり重要な要素になります。

 「優秀だな」と思った人は、面談の事前準備もよくできています。それは日常のホウレンソウから始まっていました。特に中間報告がしっかりしています。そういうアウトプットの絶対量が、まずはできない部下との大きな差となっていました。その上で、そのオンライン面談のアジェンダや資料が事前に用意されて予め送ってきてあること、その資料も読み込めないほどの大量なものなどではなく適度にまとまっているものでした。相当な時間をかけたと思わせる資料は、ダメなときには逆効果。上司としては「余計なことに時間を使うならお客様へ使うべき」と思う人も少なくないものです。

 さて、そんなことを誌面では足りませんがまとめてみました。

 

● オンライン面談のヒント

 1. ITリテラシーを高めておく
・ 複数のオンライン会議を使えるようにしておく
・ 上司のITリテラシーを知っておく。教えられるぐらいにはなりたい
・ カメラは目の高さに。うまく使えるヘッドホンセットの事前確認 ほか

 

2. 事前準備を万端に
・ アジェンダと資料の事前送付
・ どうしても伝えたいことのリストアップ
・ 上司より先にオンライン
・ 部屋の確保、背景やライトなど
・ 紙とペン(タイピングの音が気になる人も) ほか

 

3. コミュニケーション力高く
・ 説明スキル高く、結論・理由・具体例・ポイントのCREPの順番で・オンラインでの資料共有を上手に。ページやどこを話しているかを指し示す

・ 会話編

 ・ 語尾をはっきり、自信を持って発言
 ・ 相づちは声で
 ・ 聞こえていない場合ははっきり確認
 ・ 相手にかぶせて話をしない
 ・ 最後はまとめる。まとめてメールすれば尚可

・ 雑談をいれられるように
 在宅勤務が増えて、この雑談が減っています。日頃の上司とのメール・チャットの中に、「余談ですが」と雑談を入れられるようにしておくのも手。雑談の中に人間関係構築やビジネスの芽を見つけられることもあります。逆に上司側の方は、脱線しすぎない程度に部下に雑談をさせる余裕を。

 

 さて、人事評価面談の場合はどうかというご質問でした。本来、人事評価のフィードバック面談はオンラインはお薦めしていません。部下側としてもフェイストゥフェイスで話したい内容でしょう。どうしてもという場合、通常の評価面談と同じく、評価を受ける側としての準備が重要です。それは自己評価の正当性を示す事実と論理の準備。事実でしか評価への説明はできません。そして本来の自分のミッションとそれを実現させるための未来への展望の具体策を準備しておくこと。

 しかしながら多くの評価フィードバック面談では結論は決まっています。それをひっくり返すことは、人事制度や経営層決定までも否定することになるので、なかなか難しいのです。それでも評価のポイントを確認し、何をすれば評価が上がるのかの念を押しておきましょう。そして自分の成果のうち、認めてもらうべきものは事実をもって説明しておきましょう。上司は結論は変えなくとも、客観的に理解できうることであれば負い目を持って次の評価期間を迎えることにもなるでしょう。ですので諦めず、未来・肯定・目的志向で、明るく将来を語ってください。

 新型コロナの影響で、厳しくなる環境かと思います。皆さん、一緒に乗り切っていきましょう。

 

 


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Group photo (アナシス香港)

 


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