家族の一員ペット特集1・ペットの病気事情

2014/05/26

香港でペットがかかりやすい病気とは?!ペットの病気事情

日本からペットを連れてきた、あるいはこれからペットを飼うつもりだという方もいるのでは?日本とは違う香港ならではのペットに関する病気について、またペットショップでの動物の健康状態の見分け方について、ペットセントラル北角動物病院の楊井院長に話を伺った。

 

■香港でペットがなりやすい病気とは?またその予防方法はありますか?
皮膚病や嘔吐・下痢が原因で病院に通うペットが多いのですが、香港で特に注意してほしい病気と言えば、マダニ媒介性疾患(バベシア症・エールリヒア症)、内部寄生虫、フィラリア症と言った感染症や熱中症などがあります。
幸いに殆どの寄生虫による感染症に予防対策はあります。定期的に虫下しを飲ませれば胃腸の寄生虫を予防できますし、蚊に刺されると感染する恐れがあるフィラリアの予防は動物病院で購入できるHeartguard、RevolutionやAdvocateを毎月使用すれば簡単にできます。忘れやすい方には動物病院で年一度の注射でフィラリアの予防ができるProheartをお勧めします。日本と違いフィラリアの予防は一年中必要です。マダニに噛まれる事により感染するバベシア症は高熱を出し、貧血になり、命が危なくなる程重病になります。Frontlineやマダニ予防の首輪は100%予防できる物ではないので特に山歩きの後は愛犬を頭からしっぽまで手で触り皮膚に密着していないか確かめましょう。取り除く時にはピンセットでマダニの口を皮膚内に残さないようにしましょう。香港の夏は気温・湿気が共に高く、熱中症になる犬が沢山います。散歩はなるべ陽が出ない時間にして、いつでも水が飲めるようにしましょう。
■日本からペットを連れてくる場合になりやすい病気とは?
日本に比べ気温や湿度も高い香港では皮膚病(特にアトピー性皮膚炎、真菌皮膚炎、外耳炎)や胃腸炎にかかりやすくなっています。除湿器や冷房を利用して家で快適に過ごせる環境作りを心がける事や散歩の後は足を洗ったり、拭いてあげること、そして定期的に騒虫予防薬を使用して皮膚病になりにくい環境を整える事が大切です。また、犬は人間に比べ食生活の変化に敏感です。色々なおやつを食べさせてあげたい気持ちは分かりますが、それが原因ですぐにお腹を壊して吐いたり、下痢になりやすくなります。餌はなるべく同じ物を与えましょう。もし食べ慣れている餌が香港で手に入りにくい場合は事前に多めに準備して、少なくても5日間の時間をかけて徐々に新しい餌に変えましょう。
■「香港のペットショップでは子犬が元気に見えるよう、軽い躁になる薬を与える」という噂は本当ですか?
その噂は聞いた事がありますが、実際に見た方は知りません。しっかりしたペットショップではペットを購入した日から一定の期間内(通常は二週間迄)にジステンパー症やパルボウイルス症等の伝染病にかかった場合は獣医師が発行した診察記録を提出すれば全額返金できる保証期間をもうけているところもあります。ペットショップが自ら動物に点滴治療や薬物注射をしたり避妊去勢手術をするところもあるそうですが勿論違法行為です。念の為ペットを購入する前に獣医師に診察させてもいいかどうか聞いてみましょう。ペットを購入する時に獣医師の署名入りの予防接種の記録ももらえるかどうかも確認して下さい。法律によりペットショップは販売される全ての犬にマイクロチップが入っている事が義務付けられています。予防接種証明書やマイクロチップがない場合は他の店を探しましょう。
■ペットショップでペットを購入するとき、動物の健康状態を見抜く方法を教えて下さい。
医療器具を使わずにできる健康診断のコツと香港のペットショップに多い病状をご紹介しましょう。基本的に頭からしっぽまで調べる事が重要です。

動物の健康状態をチェック

 

楊井伯謙獣医師楊井伯謙獣医師
シドニー大学卒業後、同大学の動物病院で一般医学獣医師としてペットや飼い主に接する。小動物臨床学課程の取得後、幼い頃に育った香港に戻り、勤務医としてペットセントラル動物病院グループに入社。現在はペットセントラル北角動物病院の院長として活躍中。

 

 

 

 

万が一の備えは大丈夫?気になるペット保険についてご紹介

大事なペットだからこそ、万が一の保険は掛けておきたい。どんなペットでも加入できる?どんなサービスが受けられる?お年寄り犬でも大丈夫?など、あまり知られていないその内容についてご紹介。
1.ペット保険を申し込める会社は多い?
香港でペット保険を提供する会社は少ない。理由は保険請求が多額であり、利益の出ない商売であるため。
2.対象となるペットの種類は?
ペット保険は猫と犬のみ。犬種によっては保険が掛けられない、または付加保険料が必要な場合もある。
3.具体的にはどんな内容?
保険が適用されるのは、獣医に掛かる諸費用(診察、薬、手術、入院の際の病室やフードなど)。これらの費用は一回の診察、または一案件ごとに最大補償額が決められている。さらに一年間で使える保証額と診察回数も決められている。場合によっては免責金額がかかるときも。
その他には保険が適用される事柄は、第三者に対する法的責任、ペットが行方不明になった際の捜索関連費用、ペットの緊急手術が必要となり、旅行をキャンセルせざるを得ない場合などのキャンセル料(旅行保険で支払われない場合のみ)など。さらには、年に一度の健康診断や予防接種の費用が含まれる保険もある。
4.加入条件、注意点は?
ペットにマイクロチップが埋め込まれていること、ペットが必要な予防接種を受けていることは必須項目。保険料はペットの年齢で決まり、年齢に上限も設けられている。また、加入前からかかっている病気や怪我の治療費には保険は適用されない。そのほか注意点としては、一年ごとの保険の更新は保障されないこと、会社側が契約更新を認めない権利は留保することができることなどがある。

プルデンシャル業務マネジャーJoannaさん取材協力
Joannaさん
プルデンシャル業務マネジャー

香港出身、MBA。カナダ、英国、日本に留学。
香港に滞在する日本人の生命保険と金融サービスの専門家。
香港の保険と投資商品に詳しいだけではなく、国際的な視野でアドバイスしてくれる。
日本語、英語、中国語、広東語、4つの言語が堪能。
お問い合わせ先
住所:12/F., Prudential Tower, Gateway, Harbour City, TST
電話:(852)6291-0081
メール:joanna.wong@pruhk.com

 

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