屯門~赤鱲角特集

2022/01/26

スクリーンショット (372)去る2020年12月27日、屯門-赤鱲角トンネルが開通した。そこで今回はこのトンネルが結ぶ屯門(テュンムン)~赤鱲角(チェクラプコック)周辺の見どころと、チェクラプコックが存在するランタオ島について探ってみた。

※情勢により営業時間や一般公開の有無に関して変動する可能性があります

赤鱲角側トンネル入口

赤鱲角側トンネル入口

屯門‒赤鱲角海底トンネル(通行料無料)スクリーンショット (374)
新界北西部から香港国際空港、港珠澳大橋へのアクセスが大きく向上。交通ハブとしての香港の地位を一層強化した。
トンネル開通により、屯門南から空港までの車での走行距離は従来の青衣を経由するルートに比べて約22km短くなり、所要時間も約20分も短縮。
屯門周辺住民は自宅から香港国際空港まで10分でアクセスできるようになり、通勤で大いに役に立っている人も少なくないはず。
コロナ禍で旅行はなかなか行けないが、自由に空港から海外へ行き来できる時を心待ちにし、周辺状況を予習してみよう!

世界最大級のTBM(17.6m)で掘削された

世界最大級のTBM(17.6m)で掘削された

香港内でナンバー1のトンネル
赤鱲角の北側から通るトンネルの一部である赤鱲角トンネルは、全長約5km、深さ約60mで、香港における長さと深さナンバー1のトンネルだ。
今回の工事では、海底の下にトンネルを掘るための大口径TBM(トンネルボーリングマシン)を香港で初めて採用。使用したマシンのうち1台は、直径17.6mと世界最大のもの。TBMを採用したことで、現在空港に電力を供給している電力ケーブルを迂回させる必要がなくなり、工事による環境への影響を大きく軽減することができたという。

何もないはずのトンネル周辺
なぜ人々はそこへ行く!?
屯門トンネル入り口周辺に「香港版のマイアミ」と一部の人から呼ばれる、美しい海岸の堤防とヤシの木が立ち並ぶ大きな草原があり、イメージする香港とは一味違う風景が広がる「浩和街」。犬を連れて散歩をしたり、写真撮影のためここに来る人が後を絶えない。堤防の大部分は西向きで、夕日をバッチリ捉えることができ、サンセットを背に撮影するのに最適だ。天気が良ければマカオのシルエットがぼんやりと見えることも。
浩和街 Ho Wo Street
住所:Ho Wo St., Tuen Mun
アクセス:MTR屯門駅からバスK52番に乗りDragon Boat Innで下車し徒歩約15分


屯門 テュンムン

スクリーンショット (262)屯門(テュンムン)は新石器時代にも人間が住んでいた証があり、唐代には広州が南海貿易の交易港として繁栄したため、ランタオ島から対岸の東莞を含む地域が「屯門」と呼ばれて文献にしばしば登場するようになった。
そもそも屯門の意味を説明しよう。「屯」は多くの人が群がり集まることを意味するが、古代に兵士がたむろするという意味で使うことが多かった。南方からやってくる敵の攻撃から守るため、唐代からこの一帯に軍政区を設けていたということだ。
さて、歴史の授業は一旦終わらせて…。現在のテュンムンは3大新界ニュータウンの1つとして60年代から開発が始まり、現在は40万人以上が暮らしている。さらに、2000年に世界保健機関(WHO)から、安心・安全な街を実現しているとして「セーフコミュニティ」に認証されている。

 

スクリーンショット (273)三聖墟海鮮市場 Sam Shing Hui Seafood Market
海鮮料理といえば、まず西貢が思い浮かぶ人が多いだろう。実は、三方面が海に囲まれている香港には、海鮮名所が至るところに点在している。三聖も海鮮料理で有名な場所の1つだ。スクリーンショット (276)
「三聖墟海鮮市場」の場内やその周辺には、シーフードレストランが数多く存在する。多くの常連客が、海鮮市場で自ら選んだ魚を積んでレストランに持込み、職人の技で調理してもらう。
屯門の「三聖邨」は1980年に建てられ、それまで一帯は「青山湾」と呼ばれていた。現在この周辺の公営団地は、漁業関係の施設になっているところも多く、縁起の良い名前を建物につけたりしている。スクリーンショット (275)
ここで売られている海産物は、獲れたあとすぐにレストランに運ばれるもので、鮮度は抜群だ! 食べたい海産物を自分で選ぶこともできるが、よくわからなかったり、ちょっと面倒だという人はレストランのスタッフに選んでもらおう。選んだら、あとは料理が出来上がってくるのを待つだけ。
三聖の海鮮料理目当てで訪れる人が沢山いるので、事前予約がオススメ。
住所:Sam Shing St., Castle Peak Bay, Tuen Mun

黄金海岸 Gold Coast
スクリーンショット (379)香港の美しい海岸と言ったら、何処を思い浮かべるだろうか? 日本人の間でもひそかにファンの多いスポットが屯門の西側にも存在する。美しい海岸線が見る者を魅了する黄金海岸(ゴールドコースト)だ。快晴時には海を挟んで対岸にランタオ島が見え、香港国際空港から往来する飛行機もちらほら。夕暮れと日の出の景色も有名で、わざわざ見に訪れる人もいるようだ。週末になると、ビーチバレーやダイビング、ウエディング撮影等をする香港人や、昼間から陽気な西洋人がビールを片手に休日気分を満喫している。MTR等の主要な交通機関は皆無に等しいが、バスやミニバスを活用すれば都心部まで1時間圏内と通勤できないこともない、レジャーにも住むにももってこいの穴場スポットだ。
アクセス:Tuen Mun Town PlazaのバスターミナルにバスK51番に乗り、香港黄金海岸駅で降りる。

豪華絢爛な建造物と風情ある中国庭園

青松観スクリーンショット (279)スクリーンショット (281)
香港最大規模の道教寺院「青松観( チンチュンクン)」。日光東照宮を思い起こさせる豪華絢爛な装飾を施した建造物と、その名の通り青々とした松が随所に植えられた、風情ある中国式庭園が訪れる人々を魅了している。
1950年の創立当初は佐敦(ジョーダン)付近に位置していたが、その後幾度となく場所を変え、1960年頃に現在の屯門に落ち着いた。そして数年にわたる大規模な修復、拡張工事を経て、現在のような美しい景観に。以来人気の観光スポットとなっている。中央に位置する色鮮やかなメインの建物、純陽殿では、北京の故宮博物館から贈られたというランタンが見られる。ほかにも二級歴史的建造物に指定されている建物や豪華な装飾の門などを楽しめる。
ほかにも18,000㎡を誇る広大な敷地の中には、精進料理が食べられるレストランや医療クリニックなどがあり、地元民の憩いの場となっている。また毎年3~4月には中国の伝統的な盆栽を集めた展覧会も行われている。
住所:Tsing Chung Path, Tsing Chung Koon Rd., Tuen Mun
電話:(852)2462-1507

スクリーンショット (278)香港ジョッキークラブの馬術学校で、乗馬レッスン!
屯門公衆騎術学校
乗馬スクール「屯門公衆騎術学校」は、香港ジョッキークラブが運営する公共の馬術学校だ。屯門の豊かな自然の中で、初心者から上級者まで年齢や性別を問わず、多くの生徒たちが日々練習に励んでいる。レッスンは毎回6名以下の少人数制で行われており、火曜と金曜の昼間には、初心者を対象としたセミプライベートレッスンも開催するなど、サポート体制も万全。ただし、入学後は1週間に1度はレッスンに参加することが必須条件だ。乗馬はある程度のレベルまでマスターしておくと、体が一生感覚を覚えているのだとか。
全身運動によるストレス解消はもちろん、馬とコミュニケーションがとれた時の感動は何物にも代えられないものだろう。
住所:Lot 45 Lung Mun Rd., Tuen Mun
時間:火~金 8:00~12:00、14:00~21:00、土・日 8:00~12:00、14:00~19:00
電話:(852)2461-3338
ウェブ:www.campaign.hkjc.com/en/equestrian/prs-intro.aspx
メール:riding.tm@hkjc.org.hk

スクリーンショット (380)貯水池に浮かぶ様々な島々の美しい風景スクリーンショット (263)
千島湖
屯門区から車でおよそ40分のところにある「千島湖」の美しい景色は、ハイキング愛好家ならば必ず赴くコース。千島湖へ行くコースは緩やかで子供連れの家族にも大人気。現地では手軽なハイキングコースとして紹介されており、軽装備でハイキングしている人が多く見られる。
屯門駅からミニバス43に乗り、掃管笏村へ向かい、遊歩道を進むと麦理浩径との交差点に出るので、そこを曲がって丘を登ろう。ここの丘が大小不規則に連なり、貯水池には小島が点々と浮かび、その向こうに青空が広がっている。丘を登った人だけに与えられる楽しみが、「千島湖」の名で知られる、息をのむほど美しい景色だ。
休日ちょっと出かけてみたくなったらハイキングをしに「千島湖」へ。さわやかな休日を発見できるはず。
<コース情報> 難易度:★★☆☆☆ スタート・ゴール:屯門駅、ミニバス43 平均所要時間:約3時間 距離:約5キロ

香港の景色とは思えない、絶景「ミニ・キャニオン」!スクリーンショット (266)
菠蘿山
屯門の山といえば、誰もが「青山」をイメージするだろうが、「菠蘿山」も侮れない。手軽にハイキングができるため、地元住民からは「裏ガーデン」として愛されている。週末に汗をかきに出かける家族の姿がよく見られる。ここは、驚異的な風景があることで近年話題になった。良景邨入り口から綺麗に整備されている山路を約2時間歩くと、ここは香港?! と思わず疑ってしまうような絶景が目の前に現れる。足場が悪く危険なため、下に下りて行くことはNGだが、夕暮れのオレンジ色に
染められた空とミニ・キャニオンのコンビネーションは圧巻の一言。
<コース情報> 難易度:★★★☆☆ スタート・ゴール:新圍/良景LRT駅 平均所要時間:約3時間 距離:約5.5キロ

スクリーンショット (269)香港仏教誕生の地スクリーンショット (272)
青山寺徑(青山禪院)
(西暦317~420年)に建てられたもので、香港三つの古代寺院の一つであり、1,600年以上の歴史を持つ。清山寺の最も古い歴史的記録は1464年の「東莞縣誌」。記録によると、香港の仏教の発祥地だそうだ。
青雲LRT駅で下車すると、「青山古寺」の看板が見える。香港職業教育学院(IVE)の隣の小道を歩こう。山道全体が開放的で明るく、道路の各区間に印が付いているが、山道の坂は比較的大きく、平日は運動不足の方がゆっくり歩くのに適している。そしてアンティークなデザインのお寺にすぐたどり着くが、ここは香港が誇るアクションスターのブルース・リーの代表作「燃えよドラゴン」の撮影場所として、国内外問わず大変有名。歴史的建造物や香港映画が好きな人には間違いなくお宝な寺であろう。
スクリーンショット (270)スクリーンショット (271)スクリーンショット (268)<コース情報> 難易度:★★☆☆☆ スタート・ゴール:青雲LRT駅 平均所要時間:約1時間 距離:往復約2キロ

 

 

 

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PPWスタッフ厳選!
屯門 スポット別ローカルフード TOP3

GOGO MALLスクリーンショット (381)
屯門新墟の雅都商場にあるショッピングモール。モール内のフードコートは2019年に完成して以来、近隣住民の間で非常に人気があり、屯門区のフードホットスポットの1つ。
さまざまな専門店が20以上も並んでおり、中華、日本、ベトナム、タイ、マレーシアなどの多国籍料理に加え、軽食やデザートの専門店が立ち並ぶ。
住所:1/F., Go Go Mall, Eldo Court Shopping Arcade, 112-140 Tuen Mun Heung Sze Wui Rd., Tuen Mun

編集部オススメ! TOP3
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No.1 醉雞卷
選び抜かれた鶏もも肉を特製のタレに漬け込み、紹興酒を加えて味を引き立てている。鶏もも肉の食感は比較的柔らかく、ワインとの相性も抜群。日本人が大変好
む味である。
醉滋味 Shop S64

No.2 石磨腸粉スクリーンショット (283)
一般的な腸粉と比べ非常に薄くなめらかで様々な具材にマッチ。10種類以上の石磨腸粉を提供しており、注文を受けてから作る。出来立ての美味しさだけでなく、価格もお手頃だ。
鋒味屋 Shop S59

スクリーンショット (284)No.3 韭菜粉絲餅
肉汁がたっぷりで外はサクサク。豚肉や野菜などの食材は毎日市場から仕入れており、新鮮な素材が生み出す美味しさはヤミツキに。
Let’s Eat 吃吧 Shop S71

 

紅橋美食街
「紅橋」は屯門新墟の北にある屯門川の東岸にあり、地元の人々は、赤い歩道橋と呼んでいる。その名前は正式な地名ではなく、慣習的な名前だ。紅橋は主に小さなレストラン、デリカテッセンショップ、デザートショップ、バーなどで構成されていて、屯門の住民がお腹を満たすのによく訪れる場所。ここでは、日本、台湾、韓国、タイなど、さまざまな国の珍味を見つけることができる。屯門の住民にとって、ここはなくてはならないグルメストリートだ。
住所:Tseng Choi St., Tuen Mun

編集部オススメ! TOP3

スクリーンショット (289)No.1 紅燒牛肉麵
中華圏でお馴染みの定番ローカルフード「紅燒牛肉麵」。牛肉はバターのような香りがする上質な肉を用い、柔らかく口の中でとろけるまろやかさ。甘いスープとの相性も抜群、まるで芸術作品のような逸品。
木玥巷
住所:Shop 4-5, G/F., Lakeshore Bldg., 7 Tesng Choi St., Tuen Mun

No.2 鮑魚燒賣スクリーンショット (290)
焼売に小さなアワビを載せて蒸したプチ贅沢料理。焼売の味を引き立てるだけでなく、旨味を豊かにし、塩辛さが後を引く美味しさ。
凝香居
住所:Shop 1-2, G/F., Kam Men Mansion,
15 Tseng Choi St., Tuen Mun

スクリーンショット (291)No.3 牛六寶
「牛六寶」とは、牛バラ、牛スジ、牛の内臓など、6種類の部位と潮汕の伝統的な麺と組み合わせた料理。肉好きにも麺好きにもたまらない、異なる6種+麺の食感を同時に召し上がれ。
金銘潮州粉麵
住所:G/F., Kam Men Mansion, 15 Tseng Choi St.,
Tuen Mun

良景市集スクリーンショット (292)
屯門の有名な深夜の点心ホットスポットの1つである「良景市集(前良景街市)」は、B級グルメ好きなら毎日通えるだろう。レトロなデザインコンセプトの正面玄関には、アンティークなアーチが目に留まる。平均的なストリートマーケットよりも環境がきれいで、安心してB級グルメを堪能できる。
住所:Leung King Market, G/F., Leung King Plaza,
31 Tin King Rd., Tuen Mun

編集部オススメ! TOP3

スクリーンショット (294)No.1 咖哩魚蛋
「咖哩魚蛋」で有名な「魚蛋基」。一代目は亡くなっているが、息子が職人技を完全に受け継ぎ二代目として独特の味わいを継承している。練り上げた魚のすり身を一口大に成形し油で揚げた後、香り高いスパイシーソースで味付け。なぜそんなに人気なのか、試してみたらわかるはず。
魚蛋基 Shop LK124

No.2 生煎包スクリーンショット (295)
この「生煎包」は小籠包に似た点心。豚肉の餡を小さな饅頭で包み、カリカリになるまで焼いたもの。とても薄い皮に包まれた肉汁が噛む度に飛ぶほど、たっぷりの肉汁が魅力だ。
金上海 Shop LK115

スクリーンショット (296)No.3 椰菜餃
手作りの餃子の皮は他の店と比べ薄く、中身はぎっしり。鮮度を保つために豚肉や野菜など食材はすべて毎日市場で仕入れている。豚肉とキャベツを組み合わせた定番な味を、サクサクしたヘルシーな食感に仕上げている。
齒頰留香 Shop LK114

龍門居食街スクリーンショット (298)
「龍門居食街」は、屯門のコスパの高い軽食の楽園として知られている。豊富な種類の点心を他では真似できない価格で提供している。創造性と斬新さを出した点心や、伝統的な職人技が光るものも。ほとんどが住居近くの家族経営で、主に近隣住民にサービスを提供しているため、都市部よりも安いという。営業時間は通常午後6時から午前1時までだがローカルあるある、平日は営業していなかったり突然休む店もあるという。行く前に確認してからがベターだ。
住所:Lung Mun Oasis, 43 Lung Mun Rd., Tuen Mun

編集部オススメ! TOP3

スクリーンショット (299)No.1 豆腐花奶茶
ここの「豆花フラワーミルクティー」は、一般的な台湾式とは異なり、香港式ミルクティーと豆腐花を使用。香りのよいミルクティーに豆腐花を加え、ミルクティーの香りを損なうことなくなめらかな味わいに。
摩登士丹里
住所:Shop 7, G/F., Lung Mun Oasis, 43 Lung Mun Rd., Tuen Mun

No.2 炸蠔餅スクリーンショット (300)
新鮮なカキ、卵、タピオカスターチをよく混ぜ、オムレツ風に焼き上げたもの。アツアツのオムレツにフィッシュソースをかけていただくのが潮州流。一度食べたらやみつきになる人続出!
香港街頭小食風味
住所:G/F., 8 Lung Mun Rd., Tuen Mun

スクリーンショット (301)No.3 元朗鬼巴士
元朗で有名な「元朗鬼巴士」は、潮汕滷味に豚コブクロ、七面鳥砂肝、センマイを混ぜたもの。内臓の洗浄に定評があり、独特の臭みも少ない。秘伝のソースとマスタードソースでも楽しめる。
光記食店
住所:Shop 36, G/F., Lung Mun Oasis,
43 Lung Mun Rd., Tuen Mun

 


赤臘角 チェクラップコクスクリーンショット (345)

赤臘角は東涌の北側に位置する島で、面積は12.48k㎡である。香港で3番目の大きな島で、元々小さな島であったが埋め立てられて香港国際空港が建設された。島の名前は、島のむき出しの状態(広東語では「打赤肋」)、またはかつてこの付近で豊富に獲れた魚(赤臘)であることに由来していると言われる。

 

スクリーンショット (322)スクリーンショット (325)古窯公園と機場古物園
Ancient Kiln Park and Hong Kong International Airport Historical Garden
香港空港の歴史や航空業界の発展をテーマにした機場古物園では、美しい景観、緑豊かな環境、レクリエーション施設などが魅力で、空港と近隣のコミュニティである東涌を結ぶ全長2キロメートルの遊歩道がある。歩道沿いには20種の在来種と外来種の1万本以上の樹木が植えられ、その周辺を美しく彩っている。また、巨大リーマーや、巨大タイヤなど空港建設で使われた機械部品が備えられた展示を行っている。スクリーンショット (320)スクリーンショット (321)
そして、去年オープンしたフィットネス設備を充実した屋外ジムエリアは、5,700㎡の広さで、懸垂棒や体操用リング、チェアディップ、腹筋運動ができるベンチなど様々なフィットネス器具が設置。一方、ヨガエリアや、ランニングトレイルなどを楽しむこともできる。スクリーンショット (323)スクリーンショット (324)
近隣にある古窯公園では、空港の建設で発見された考古学的遺物の保存を通じて、香港の歴史を紹介している。1991年に赤臘角島の南端で10個以上の鍛造用の炉が発掘され、香港で初めて発見された元朝(1271~1368年)の遺跡とされる。空港の建設に先立ち、一連の保存プロジェクトが実施され、遺跡は保存地区として残された。近年は、炉の構造をそのまま保存した「古窯公園」として整備されている。現在、窯のレプリカとパネルが展示され、貴重な考古学的発見の一端を見ることができる。

香港国際空港
Hong Kong International Airportスクリーンショット (308)スクリーンショット (307)
1998年7月、香港国際空港は賑やかな街、九龍城は啓徳から30km離れた赤臘角へ移転。空港の総面積は1,255ヘクタール、ターミナルは現在2つ。ターミナル1は1998年に正式オープンし、ターミナル2の拡張工事は2019年末に完成された。24時間運営され、約120の航空会社が中国大陸内約40を含む200以上の目的地へ就航している。香港国際空港と粤港澳大湾区を結ぶのは航空、バス、フェリーとマルチな交通機関を有する。2019年の年間旅客乗降者数は約7,150万人、貨物取扱量は480万トン、航空交通移動量は約41万人である。香港国際空港は、中国とアジアにおける最大の貨物中継センター、世界で最も利用者の多い空港、世界最大級の旅客ターミナルビルなど多くの賞を受賞している。

アジアワールド・エキスポ
AsiaWorld-Expo
スクリーンショット (303)スクリーンショット (302)香港国際空港の隣にあるアジアワールド・エキスポは、香港最大のアリーナを有する巨大な展示会・イベント施設。70k㎡以上のスペースでは、大規模な展示会、コンベンション、ミーティングから、バンケット、コンサート、スポーツやレクリエーションまで、様々なイベントを開催することが可能。会場は無柱設計で建設され、アリーナ会場では、14,000人を収容できる香港最大の屋外多目的施設。サミット会場は、香港最大の屋内会議・宴会場で、用途に応じて柔軟に仕切る事が可能、会議、宴会、展示会を同時に開催できる香港唯一の大ホール。

スクリーンショット (329)スクリーンショット (332)観景山
Scenic Hill
スクリーンショット (330)1990年代香港国際空港の建設に伴い、近隣の高い山々がほとんど平らにされ、その結果、この丘は赤臘角島で一番高い場所となり、「観景山」と名付けられたという。山頂までに行くハイキングコースがあり、入り口は赤臘角南路の機場島のアングルステーション(方向転換駅)のすぐ下。山頂付近にはパビリオンがあり、航空機の離着陸を撮影するために航空ファンがよく集まっている。観景山隧道は、観景山の地下にある道路用トンネルで、トンネルの西側出口は機場島のアングルステーションと燃料倉庫の近くにある。

スクリーンショット (377)


東涌 トンチョン

スクリーンショット (344)
ランタオ島の北西部沿岸に位置する東涌。東涌湾、東涌河、馬湾涌のデルタ地帯と下流域に位置する漁村で、近年できたニュータウンの一つである。この地区は、明~清時代、海賊や外国軍に対する重要な防衛拠点であった。空港核心計画の一環として開発された北大嶼山ニュータウンは、香港の離島で初めてのニュータウンで、第1工事は、東涌湾一帯にある埋立地に建設された。この地区は行政的には離島の一部で、空港や町が開発される前の東涌のもう一つの顔である村の風景が描かれている。

 

東薈城名店倉
City Gate Outlet
スクリーンショット (304)スクリーンショット (306)MTR東涌駅に直結している大型アウトレットモール「City Gate Outlet」。2006年にオープンしたこのアウトレットは地下2階~地上3階建てで、世界中のブランドが約80店舗以上入っておりシーズンに関係なく30~50%オフで買い物をすることができる。人気観光名所の昂坪360の乗り場に隣接しているのでランタオ島観光のついでに立ち寄ることもできる。
主な人気ブランドとしては、アディダス、ナイキなどのスポーツブランド、マイケルコース、コーチやラルフローレンなどのラグジュアリーブランド、スワロス
キー、ケイト・スペイドなどのアクセサリーブランドなど見どころ満載。日本にはない香港発のブランドのアウトレットもあるので忘れずにチェックしよう。
買い物の合間の休憩や食事に便利なフードコートもモール内に構えている。その他ちょっとしたお土産を買うのに便利なスーパーもある。
住所:20 Tat Tung Rd., Tung Chung, Lantau
ウェブ:www.citygateoutlets.com.hk

香港街市―逸東邨
Hong Kong Market ‒ Yat Tung
スクリーンショット (333)スクリーンショット (335)スクリーンショット (334)2016年、大規模な改装を経てリニューアルオープンしたマーケット(街市)。香港のノスタルジーをテーマにした新たな内装は、どこを切っても「映え」を演出してくれる。マーケットに入ると、1960年代から70年代にかけての九龍寨城にタイムスリップしたような感覚を醸し出し、空中にはローカルの紙職人が手掛けた11mもの航空機が目に留まる。道路標示や昔ながらの広告、看板、街頭ポスターなど、当時の香港の景色が再現されている。また、あちこちに描かれた「九龍皇帝」の落書きアートも。細部に至るまで、古き良き香港を思い起こさせる要素が詰まっている。
またマーケットでは、様々な客層のニーズに合わせ、新鮮かつ高品質な商品を幅広く取り揃えており、フードコーナーも設置されている。
「鐵板神蒜」と「我愛台妹」は逸東市場の中でも大変有名なレストラン。「鐵板神蒜」には約40種類の串、14種類の揚げ物、鉄板焼き、たまご焼き、焼きそばなど、焼き物や串で評判。特ににんにくの焙煎牡蠣がおすすめ、美味しい上に破格の安さだ。「我愛台妹」は60種類以上の台湾式ドリンクと串を提供。その他韓国やタイ料理も逸東市場では楽しめる。

スクリーンショット (338)スクリーンショット (339)

鐵板神蒜 Shop 7

鐵板神蒜 Shop 7

 

 

 

 
スクリーンショット (337)

我愛台妹 Shop 4

我愛台妹 Shop 4

 

 

 

 

 

 

馬湾涌村
Ma Wan Chung Villageスクリーンショット (341)スクリーンショット (342)
馬湾涌村は東涌で最も栄えた漁村の一つである。社会の発展とともに、新しい住宅地が次々と建設され、馬湾涌村は今では小さな漁村になった。オフショアビレッジの家は、住居以外はすべて掘っ立て小屋で、他に海鮮レストラン2軒と食料品店数軒が、近くの新しい建物と並んでいる。
スクリーンショット (382)スクリーンショット (383)ここでは昂坪360を見ることができ絶好の景観である。海岸方向に行くと、左には橋、マングローブと干潟が見える。運がよければ、マングローブの上を白鷺が飛び、魚を捕る姿も見られ、シオマネキやムツゴロウなどの生き物もこの湿地でしか見られないほどレアな光景が広がる。橋の右側は、木造の棚屋が佇む。まっすぐ進むと東涌の古い浅橋があり、このうつくしい景色を一目見に多くの人が足を運ぶスポットとなっている。
2019年可持續大嶼辦事處(SLO)はNGOや地元のアートグループと共同で、馬湾涌の小規模な改修工事を実施。このプロジェクトは、東涌フェリー乗り場に3D地上絵を制作し、馬湾涌の漁村の特色と地域文化をアピールした。

スクリーンショット (315)東涌小炮台
Tung Chung Battery
1980年に東涌フェリー乗り場近くの小丘で要塞跡を発見。海に向かってL字型に配置された2つの壁からなり、角には砲台として使用されたと思われる台座がある。この遺跡は、当時中国の地方誌に記載されている2つの石獅山砲台の場所にあたるため、そのうちの1つだと考えられいる。1983年11月11日に記念碑に指定され、現在は「東涌小炮台」として知られている。

虎地湾灰窰
Fu Tei Wan Lime Kilnスクリーンショット (328)
虎地湾灰窰は、1960年代前半に赤臘角の虎地湾の海岸で初めて発見された。その後、1982年に香港考古学会が短時間の発掘調査を行った。窯の床から採取した煤の層から炭素測定を行ったところ、610年から880年頃のものであることがわかり、唐時代に築かれたことがわかった。領内で発見された他の例に比べると、虎地湾灰窰は比較的完全なものであった。1991年、赤臘角の新空港建設が始まる前に、古物古蹟辦事處はグルカ・エンジニアの協力を得て、窯を東涌砲台の近くに移設し、一般公開するために保存することにした。

地元感一杯の海鮮を海辺で楽しむ
華都海鮮酒家
東涌の旧フェリーターミナルの側、かつては漁村として賑わっていた場所に店を構える「新華都海鮮酒家」。ここには近代都市の香港という事を忘れるかのような穏やかな時間が流れ、水上家屋が並ぶ昔のままの漁村がそのまま残ったノスタルジックな雰囲気で地元民からも観光客からも人気のお店。空港から近いので離着陸する飛行機を眺めるのを楽しむこともできるのも魅力だ。
スクリーンショット (327)スクリーンショット (326)店内の生け簀は、古いボートを改装していて、その中には、常に種類豊富な海鮮がたっぷり。それぞれにわかりやすく値段が記載されて、英語メニューもあるので安心。おすすめはシンプルに素材を生かした調理法でいただく蝦やシャコ、貝類。
ランタオ島をハイキングしたり、街を散策した後にとびっきりおいしい海鮮料理を思う存分味わいに行ってみては。専用の送迎バスもあるので利用の際は自前に連絡しよう。
住所:2 Tung Chung Old Pier, Tung Chung

東涌炮台
Tung Chung Fortスクリーンショット (318)
東涌砲台の原型は南宋王朝の淳熙の時代(1174~1189年)、塩の密輸者との戦いの中で、兵を置く拠点として砦が築かれたものだという。時代は下り清王朝時代には、後にその名を香港に残す張保仔をはじめとする多くの海賊の侵攻をうけ、砦は一時海賊の手に渡る。しかし、張保仔の降伏と同時に清王政府の元にもどり、その後はアヘン貿易と海賊の侵入を阻止するための砲台としての役目を担った。英国植民地となってからは警察署、その後、農村委員会の事務局や公立の学校として利用された後、1979年には香港の法定古墳に指定され、1988年に全面改修されている。
スクリーンショット (316)スクリーンショット (317)マングローブの湿地を越えて東涌湾を睨んでいたであろう、6門の大砲は今も往時の姿のままだが、その砲身の先には逸東邨の公共マンション群が立ち塞がり、海を見通すことはできない。もしもマンション群がなかったとしても、その先の赤臘角は香港国際空港に姿を変え、正面に撃つべき敵の姿は見えない。背後は険しい山々に守られてはいるが、更に砦はぐるりと堅固な防塁で囲まれ、適の侵入を許さない造りとなっている。
現在はトレッキングやハイキングで東涌を訪れた人がぽつぽつと立ち寄る程度の地味めな観光スポットだが、清朝時代からの雰囲気を強く残す貴重な歴史的遺物の姿と変わりゆく東涌とのギャップが興味深い。

スクリーンショット (309)スクリーンショット (311)スクリーンショット (310)天后宮
Tin Hau Temple
東涌の黄龍杭にある天后宮は、香港で現在残っている唯一の花崗岩で建てられた寺院。前庭にある6本の石柱は、神殿の一部が崩壊した名残と考えられている。清王朝時代の道光3年(1822年)に建てられ、当初は赤臘角近くの廟湾にあったが、香港国際空港が赤臘角に建設されたため、1990年に移転を余儀なくされた。

東涌侯王廟
Hau Wong Temple
スクリーンショット (314)1765年に建てられた東涌侯王廟は離島区で最も大きい、歴史のある寺院である。東涌湾沿いに位置し、侯王が海でモンゴル軍と戦ったという。この寺院は、「二廊三室」の構造をしており、屋根には美しい彫刻が施している。宋の時代の将軍楊亮節により建てられた。
清王朝時代の乾隆帝30年の年号が刻まれた銅鐘は、今も寺に飾られている。建立は1765年。また、寺の中には2つの石碑、大きな鯨
骨、そして内部に設置された石があり、これらは東西涌の調和を象徴しているそう。この寺院は何度か改修されたが、その主要な特徴は今でも保存されている。スクリーンショット (312)
侯王の誕生日を祝う祭り「侯王寶誕」は、毎年旧暦8月16日から五日間にわって行われ、東涌の村人たちにとって大きなイベント。広東オペラ、獅子舞、龍舞、爆竹、宴会など寺の入り口で盛大に祝っている。祭りの前には大きな竹の劇場(戲棚)が作られ、この劇場で演じられる広東オペラが感謝の儀式であることから、舞台は寺の入り口と反対側に設置されることになった。

 

 


昂坪 ゴンピン

スクリーンショット (346)
昂坪(ゴンピン)はランタオ島南西部に位置する高地エリア。高さ約34mの丘に囲まれた宝蓮禅寺と天壇大仏が有名であり、常時観光客で賑わっている。東涌に向かうケーブルカー(昂坪360)の終着点でもある

 

昂坪360
Ngong Ping 360
スクリーンショット (347)東涌の中心部と昂坪の全長5.7kmを結ぶケーブルカー。ランタオ島観光の人気アトラクションとなっている。海や山、香港国際空港など様々な美しい風景を堪能でき、ランタオ島の景観を360度で楽しめることから「昂坪360」と命名された。
東涌から出発し、東涌湾を横断してエアポートアイランドの乗り換え駅に到着、60度回転してノースランタオに向かう約25分の旅は、視覚的にも壮観だ。遠く広大な南シナ海の眺望と、北ランタオカントリーパークのなだらかな緑が迎えてくれる。車内では、香港国際空港、ランタオ島の緑豊かな山々、大仏、昂坪台地の360度パノラマを楽しめる。天壇大仏、宝蓮寺、大澳漁村など、香港の必見スポットを巡るには最適な出発点。

昂坪市集
Ngong Ping Villageスクリーンショット (348)
ケーブルカーに登ると、昂坪市集(ゴンピン・ビレッジ)に到着。面積15k㎡の敷地内で、典型的な中国様式の建築要素を取り入れ、昂坪の風光明媚な自然に溶け込むように作られた文化的なテーマビレッジ。オープンして以来、お店の入れ替えやレジャー施設の追加などどんどん進化している。中にはマンゴースイーツで有名な「満記」や、レストラン、民芸品のお土産店など合計20軒以上の店舗が入っている。

ケーブルカー・ディスカバリー・センター
Cable Car Discovery Centre
スクリーンショット (349)スクリーンショット (350)ケーブルカーをテーマとした初の教育的常設展示で、2021年に新しくオープン。ケーブルカーの部品が展示されたショーケースや写真撮影エリアなど、様々なギャラリーや体験ゾーンで、昂坪360のシステムについての知識を深めていく。
ケーブルカーの歴史から、知られざる技術者たちの努力まで、極限のプロジェクトの様々な側面を目の前で見せ、専門家をから説明してもらえる。また、VRを使ったインタラクティブなインスタレーションで遊んだり、エンジニアリングゾーンに入ることもできる。
テクノロジーを駆使した新しい視点で大人も子供も楽しい時間を過ごせるだろう。
住所:Ngong Ping Village 時間:11:00~17:00
価格:大人 HKD60、子供(3~11才) HKD30、シニア(65才以上)HKD42

昂坪トレイル
Ngong Ping Trailスクリーンショット (351)
昂坪トレイルは全長5.7km、東涌から昂坪まで約4時間かかる。元々は東涌と昂坪を結ぶ険しい道だが、現在は昂坪360の救援・脱出・整備ルートとして使われているため、「昂坪360救援歩道」と名付けられた。昂坪360の建設中、この地域の自然環境を保護するために、トレイルの一部を板で囲舗装されことから、「昂坪トレイル」と呼ばれるようになった。
序盤は暗い傾斜の岩盤の階段が多いが、3号タワーを過ぎると、東涌湾と香港国際空港が一望できる。4号タワーへ進むと、昂坪360が建てた「天梯」を通り過ぎる。さらに進むと、昂坪トレイルの最高地点に到着。どこまでも続く空と山々、見上げればケーブルカーなど、他では見ることのできない景色が広がる。最後は、昂坪トレイルの出口までゆっくり降りて、天壇大仏が見れたら、ほぼ歩き終えたことになる。
<コース情報>
難易度:★★★☆☆ スタート・ゴール:逸東邨
平均所要時間:約3時間 距離:6.5キロ

心経簡林(ハート・スートラ)
The Wisdom Path

スクリーンショット (352)スクリーンショット (356)スクリーンショット (355)スクリーンショット (354)
東涌駅より運行しているロープウェイに揺られて綺麗な景色を見ながら昂坪ターミナルに到着、天壇大仏・寶蓮寺より小道へ入って徒歩10分ほど歩いていくと、香港のパワースポットの1つとして知られる「ハート・スートラ」が目の前に現れる。38本の木柱にはそれぞれハート・スートラの一節が中国語で書いてあり、青空に向けて直立している不思議な光景。スクリーンショット (358)スクリーンショット (357)それぞれの木柱は8の字になっていて、“無限(インフィニティ)”を象徴する。最高頂の木柱に文字が刻まれていないのは、空白のままにして「心経」を意味する「空」を象徴しているそうだ。周囲を見渡すと山に囲まれていて、澄んだ空気を吸いながら草木を飛び交うとんぼを見ることもできる。

 

寶蓮禪寺
Po Lin Monastery
寶蓮禪寺は香港のすべての寺院の中で最も標高の高い場所にある。100年以上前の創設以来、寶蓮禪寺は過去と現在の住職のたゆまぬ努力により、進化、前進している。大仏を背にした寺院の主要な建造物は、南シナ海を見渡しながら、北東から南西の軸線上にしっかりと配置されている。寺院の個々の建物を彩る小さな造園に加え、3つの主要な造園がある。寺院の住職は皆、自然環境や生態系の価値を重視し、深い森の中の古い寺院という中国の伝統的な芸術的魅力と寺院の概念を大切にしてきた。スクリーンショット (353)
本殿は1970年に完成し、明清時代の宮殿建築の意匠を取り入れた7本柱、両軒の三角屋根の建物などが見られる。80年代、香港の仏教界は大陸と密接な関係を築き、1981年に着工し1993年に完成した天壇大仏と地壇の建設は、それを後押しするものとなった。いずれも基壇を含め、天壇の五穀豊穣祈願殿の設計を踏襲している。また、中国の工学・技術的なノウハウも取り入れられている。この大仏は、寺院の宗教的な役割と観光における影響力を示すものであり、寺院を世界的に有名な寺院のひとつにした。
天壇大仏は、屋外に建てられた最大の青銅製座仏像。ランタオ島の最も象徴的な観光スポットとして有名で、弥勒山の頂上に鎮座している。この仏像は、香港の安定、中国の繁栄、地球の平和を象徴するもので、南側に座り、北は中国の首都である北京を向いている。2つの部分に分かれており、高さ26.4m、蓮華座から台座までの全長は34m。250トンのブロンズを使用し、12年の歳月をかけて作られた。この像は、菩提樹の下で悟りを開いたシッダールタをモデルにしている。右手の「無畏印」は衆生を苦しみから救う慈悲の心を、左手の「願成就印」はすべての人に祝福と幸福を与えるという誓いを意味している。
大仏改修の第一段階、仏像本体の改修が完了し、足場上部は解体された。大仏のリニューアルは、2022年半ばに完成予定だ。

寶蓮禪寺齋堂
Vegetarian Kitchen at Po Lin Monastery
スクリーンショット (360)スクリーンショット (359)天壇仏像が有名な寶蓮寺敷地内にある精進料理レストラン。都会の喧騒に慣れ、プレッシャーの中で働き、いつも不規則な時間にバランスの悪い食事を摂っている現代人にとって、寺ののどかな雰囲気の中で食べる菜食は嬉しいものだ。ベジタリアンキッチンでは、スープ、揚げ物、野菜、ご飯を含めたセットランチを用意。テーブルの人数に応じて分量を調整し、無駄をなくしたり、季節によって料理を変え、新鮮な野菜だけを提供する。
隣にはスナックバーがあり、蒸しケーキや麺類、スナックなど、十数種類の料理を提供。その中には、ゆばのスイーツとマンゴー餅が有名。豆腐は寺で毎日手作りしており、味は濃厚で、滑らかでクリーミー。マンゴー餅は毎日数量限定なので、機会があれば、是非味わってみては。

 

熙篤會聖母神樂院
Our Lady of Joy Abbeyスクリーンショット (363)

仏教の宝蓮禅寺と天壇大仏で国際的に有名なランタオ島にカトリックの施設が存在するというのは、まさに香港の文化的多様性を示している。
スクリーンショット (361)スクリーンショット (364)1951年に設立され、以前はトラピストヘブン修道院として知られていた「聖母神楽院」は、香港で中世のスタイルで建てられた唯一のカトリック修道院。また、「十字牌(トラピスト・デイリー)」という牛乳ブランドを立ち上げたことでも有名だ。
トラピストヘブンは、香港の新界にあるランタオ島の「大水坑(タイシュイハン)」にある修道院。ここには、シトー会(トラピスト会)の厳格な秩序を遵守するローマカトリックの僧侶、またはトラピストが住んでいる。1947年に聖母神楽院がある出来事により破壊された後、重慶市にある楊家坪聖母神楽院の僧侶と、河北省石家荘市にある正定聖母神楽院の僧侶によって設立されたため、「トラピストヘブン僧院」と名付けられた。ここにいる僧侶は全員、ローカルの香港人。長閑な自然の中にある中世風の石造りの礼拝堂は、静かに瞑想するのに最適な場所だ。
1960年代初頭、トラピストヘブン修道院はランタオ島の住民のために新鮮なミルクの生産を開始し、酪農事業は1980年代初頭まで運営されていた。僧侶たちは乳牛を飼育し、香港島の店舗に販売される毎日約2,000本のミルク「トラピストミルク」を生産することで生計を立てていた。「トラピストミルク」に対する国民の膨大な需要を満たすために、大手飲食事業「ラークグループ(立基集団)」や投資家との合弁会社を設立し、「トラピストデイリー」を設立。ラークグループによってプラントの規模も拡大され、ランタオ島から元朗に移転した。スクリーンショット (365)スクリーンショット (366)
「聖母神楽院碼頭Trappist Monastery Ferry Pier」から桟橋に足を踏み入れると、修道院までの上り坂が現れる。十字架の掲げられた山道だ。14カ所目を過ぎると、青い橋を通り抜け、祈りと瞑想の中心であるチャペルにたどり着く。礼拝堂の構造と装飾はシンプルで自然。すべての訪問者を一人で神に導くことを目的としているとのこと。神に祈り、沈黙の中で、神の大きな愛に自分自身を開くことができる、なんとも神聖な空気に包まれるサンクチュアリだ。
石造りの修道院は、中世ヨーロッパの田舎のようなスタイルが特徴。裏庭に建てられた中国風の聖母マリア像は、東洋と西洋の文化が融合している。明るく風通しの良い礼拝堂には、独特のパステルグリーンの屋根と木製のバルコニーがあり、のどかな風景を醸し出す。修道院は樹木が茂った峡谷のそばにあり、絵のように静かな環境ですぐ目下に小川が流れている。訪問者は峡谷に架かる橋を渡って行くチャペルに入ることができるが、入り口には「Speak in low tones(お静かに)」の文字が。修道院の敷地内には、開放されたゲストハウスも用意されている。

フェリーでのアクセス:稔樹湾(Nim Shue Wan)と坪洲からカイトーフェリーサービスが聖母神楽院碼頭まで出ており、そこから修道院まで徒歩約10分(上り坂)。
坪洲から:
月~土 10:15、11:20、16:20、17:00
日・祝 10:15、11:00、16:00、16:30、17:00
稔樹湾から:
月~土 8:00、9:20、10:30、14:35、15:45(土のみ )
日・祝 8:00、9:40、12:20、14:45、15:45
聖母神楽院碼頭から坪洲:
月~土 8:10、9:30、10:40、14:45、16:00(土のみ)
日・祝 8:10、9:50、12:30、15:00、16:00
聖母神楽院碼頭から稔樹湾:
月~土 11:30、12:30、16:30、17:10
日・祝 10:25、11:15、16:15、16:45、17:10

修道院~梅窩
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修道院は、梅窩(ムイオー)と愉景湾(ディスカバリーベイ)を結ぶトレイルコースの途中に存在している。コース自体はところどころ看板や階段がある解りやすい道だ。愉景湾からは、稔樹湾周辺の海岸沿いをたどり、徒歩で簡単に行くことが可能。ゆっくりとしたペースで1時間で、修道院に到着。そこからさらに上っていくと森、近くの島々、海、そして遠くに見える香港の素晴らしい景色を望むことができる。
その後、梅窩に向かって傾斜のある急な坂を下りる。梅窩に着いたら、埠頭の近くでシーフードランチを楽しめる。安くて陽気なレストランで、海を眺めながら新鮮なシーフードを味わってみよう。
Wah Kee Restaurant
住所:Mui Wo Cooked Food Centre,
Lantau Island, Mui Wo
電話:(852)2984-1665
フェイスブック:Wah-Kee-Seafood-Restaurant

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