香港と広東で輝く女性特集1・パソナ香港の戸﨑悦子さん

2014/10/13

女性の社会進出が盛んな香港では、多くの人が結婚・出産を経てからも働き続ける。早くは80年代後半より、職を求めて移り住む日本人女性も多い。今回は、そんな香港・広東で活躍する女性にスポットを当てる!

香港に活躍の場を求める女性たちそのスタイルと意識の変遷

日系人材会社パソナの香港トップ・戸﨑悦子さんは、日本人女性が香港で働くことの魅力を、「男女関係なく働くことが当たり前ということがありがたい。裏を返すと生活費がかかるので働く事が必然とも言えるんですが、働く意思のある女性にとってはとても良い環境」と語る。そんな彼女に、香港で働く日本人女性のここ30年の移り変わりについて伺った。

日系人材会社パソナの香港トップ・戸﨑悦子さん

日本人女性が香港で働くという選択肢が増えた80年代

私がパソナの前身であるテンポラリーセンターに入社したのは1985年で日系企業が多く進出してきた時代でしたが、当時は駐在員はもちろん、日本人の女性で香港で仕事を見つけて働いている方はほとんどいませんでした。そもそも今とはずいぶん違って、海外で働いてみたいと考える女性はそうそういなかったんですね。ですから実際に香港で働いている日本女性となるとあの商社にはあの女性がいて、この銀行にはあの女性がいる、というようにみんな分かっているほどでした。

その一方、日本では、留学経験のある女性がそれを活かした職につけるかというとそうでもない時代だった。語学もできる、やる気もある、という女性が日本の中で活躍できていなかったんですね。

パソナによる「香港・シンガポール就職ブーム」が起こった90年代以降

90年代後半、私はパソナシンガポールに駐在していたんですが、香港の事務所とタッグを組んで、毎月のように日本へ出向き、やる気があるけど行き場のない日本の女性たちに「香港・シンガポール就職セミナー」を開催しました。この活動で一気に火がつき、90年代にはたくさんの日本人女性が香港やシンガポールで就業しました。当時はビザが取りやすかったこともあり、多いときは年に百人以上の方々を支援しました。そのときに来られた方の中には、今でも香港に住み続けている人がたくさんいると思いますよ。この活動は、日本人女性に「海外就職」という1つの選択肢を浸透させることに貢献したと思ってます。

身近になった香港で、気軽に働く女性が増えた現在

海外志向の方が増えましたよね。香港はとっても身近な海外で、親近感を持って「香港で働いてみたいな」と気軽に来られる方が多いです。言語の面で言うと、北京語を話す方は中国に行く方がほとんど、香港で働く方は英語ベースの方が多いです。いずれもビジネスレベルの語学力が必要です。

就労ビザに関しては、受け入れ先で与えられる職位、給与、職務内容等の受け入れ条件に加え、なぜ日本人を採用するのか?という理由付けが必要です。また求職者側には、大学卒で日本で同職種にて最低3~4年のキャリアがあること、そのキャリアを活かした就職先であること、これらが揃い、きちんと申請手続きを踏めば認められます。

上昇傾向にある日本の女性就業率、香港における就労人口に占める女性就労者数とパーセンテージ

 

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