広州ジュージャンとリバービュー特集3・珠江遊覧船船長が語る

2015/03/26

広州生まれ広州育ち、珠江の流れを見つめて52年!珠江遊覧船船長が語る珠江とは

「珠江は年々きれいになるのに、わたしは年々老いていく」と語る呉学強(ウ・シュエチヤン)船長。珠江の遊覧船「信息時報号」の舵を取ることは、珠江を知り尽くした者だけに許された特権だ。珠江一筋でやってきた船長だからこそ語れる「珠江」について、PPW記者が直撃取材!呉船長にとって珠江とは?

広州之星「 信息時報号」船長 呉学強さん

広州之星「 信息時報号」船長 呉学強さん 52歳


わたしは21歳で珠江遊覧船の仕事をはじめました。若い頃は、冒険好きで、何にでも挑戦する進取の気性に富んでいましたから、純粋に船上での仕事に魅力を感じていました。実際に珠江の船にかかわる仕事につくことができ、今までずっとこの仕事一筋でやってきました。ほかの仕事はしたことがありませんので、もし船を出せくなったら途方に暮れてしまうと思います。珠江で船を出せることは私の生きがいです。

長年船長をしていますと、印象深い出来事にも遭遇します。どうやらわたしには、“総理縁”、つまり首相たちとの縁があるようです。中でもドイツ首相とは特別なご縁があるようで、2003年、当時のドイツ首相シュレーダー氏が広州を訪問されました。その際、首相はわたしが舵を握る「信息時報号」に乗船、珠江を遊覧されました。2012年には、メルケル首相が広州を訪問されましたが、この時も、「信息時息号」をご指名いただき、温家宝首相とともに乗船されました。珠江にかかわる仕事をしていたのでこうしたご縁に巡り会えたのだと思います。

時々「いつも珠江を楽しめていいですね」と言われることがあります。確かにわたしは船長の仕事が好きですが、仕事で“珠江を楽しむ”ことはできません。船には300人以上の乗員乗客がいることを考えると、船長として重い責任を感じます。ひとたびもやいが解け船が埠頭を離れたら、船長が船に関する全責任を負うことになるので、安全な遊覧と航行のために全神経を集中して操船に当たります。ですから、船長として珠江の美しい景色を楽しむ余裕はありません。

仕事を離れて、わたし個人として考えれば、珠江にはやはり特別の思い入れがあります。何しろ生まれも育ちも広州という生粋の広州人ですし、幼い頃から珠江を眺めて育ってきましたから。残念なのは、珠江が年を追うごとに美しくなっているのに、わたしは年を追うごとに老いていくことです。もちろん、老いたとしてもずっと珠江とかかわる仕事を続けてゆくつもりです。なぜなら、これがわたしにとっての生きがいだからです。

航行中は全神経を集中

航行中は全神経を集中します!

 

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