路線バス特集１・2階建てバスの魅力

2015/07/15

狭い香港を2階建てバスが所狭しと走る。香港を駆け巡るバスの路線はまさに人間でいう血管のよう。香港内を隈なく網羅しているから、「バスで行けないところがない」と言っても過言ではないほどだ。

2階建てバス
この路線バスを利用しない手はない。安くて便利！地下のMTRと違って、地上を走るバスからは香港の街並、景色が堪能できる。乗車の際には2階最前列がオススメだ。視界は良好。いつもの街も2階の車窓から見ると新鮮だ。「ここにこれがあったのかぁー！」と、新たな発見もあるはず。前を走るバスと至近距離になったり（ぶつかってしまうかとヒヤリッ）、ビルの中を走ってしまうバス、トラムと追っかけっこするバス、ジェットコースターみたいなバス、などなど。ただの交通手段に留まらない色々な楽しみ方がある。間違って乗ってしまっても構わない。そこには新しい出会いが待っているかも。
今回は路線バスのあれこれを紹介する。週末は路線バスの旅体験してみてはいかがだろうか。

九巴 KMB The Kowloon Motor Bus Co.(1933) Ltd. 九龍巴士有限公司
車体広告を身にまとっているが、素顔は白いボディに赤がポイントの旧型車体とゴールドカラーの新車体。
1933年設立の香港のバスのKMB。設立当初は主に九龍と新界に路線を路線網を広げていたが、現在は香港全土を網羅し、路線数は400路線以上。バス保有台数は約4,200台で、まさに香港を代表するバス会社。
1933年に九龍汽車有限公司として設立され、香港政府から九龍と新界地区の路線バス独占運行権を取得。1990年に九龍巴士有限公司に改称した。1972年の海底トンネルの開通に伴い、香港島側にも運行区間が伸びたことにより、香港全土にその路線網を広げた。
ダブルデッカーを中心にメルセデス・ベンツ、ネオプラン、ボルボ社などの欧州製車両を導入している。ダブルデッカーの車体全面に広がる広告が目を引く。街歩きやバス乗車中にも楽しませてくれる。
ウェブ：http://www.kmb.hk
フェイスブック：kmbhongkong

城巴 City Bus Citybus Limited 城巴有限公司
黄色い車体に赤字でCityflyerが浮かび上がっている。
長い間、九巴と中巴ことCMBの２社体制が続いていたが、1990年代に登場した。サービス向上を重ねて一気に路線網を拡大した。創立当初から鮮やかな黄色の車体ペイントの車体は空港から中心市街地に向かうバスもシティバスのエアバス（Cityflyerの）独り勝ちだ。空港発の路線バスと空港バスとの違いは、第一に運賃だ。同じようなルートでも二倍の開きがある。この違いはどこにあるかというと、市内での停留所の数と位置。
空港バス（バスナンバーにＡが付く）はホテルへ向かうのに便利なように停留所を設置している。あと、途中の停留所の数が異なるので、所要時間が違ってくる。香港島と九龍への空港バスはシティバスが運行する「Cityflyer」。市内行きと、空港行きでそれぞれ経由地とバス乗り場が異なるので注意が必要である。
ウェブ：http://www.nwstbus.com.hk

新巴 NWFB New World First Bus Services Limited 新世界第一巴士
白を基調にオレンジとグリーンカラーが配色されている。
新巴はCMB（中巴）が長く香港島を独占状態化していた路線と職員を引き継いだ会社。香港新世界と英国Firstbusの合弁。中華汽車有限会社の香港島のバス路線の経営権を取得して、1998年9月から運行開始。新車の導入、空調付きバスの増加など路線バスのサービス向上に努め、発展した。
CMBを引き継いだこともあり、営業エリアは香港島中心だったが、近年九龍にも進出し、その一つに観光用2階建てのオープンバス「新巴人力車観光巴士」が九龍サイド、香港島の観光地を網羅し、駆け巡っている。観光者に有り難い路線になっている。
ウェブ：http://www.nwstbus.com.hk