特集:海に囲まれた香港でマリンスポーツを楽しむ!1

2016/06/22

545特集
今年はオリンピックイヤー。
ブラジル、リオデジャネイロでオリンピックが開催される。
1996年、英国領・香港として最後のオリンピック参加となった、第26回アトランタ大会において、英国領・香港は史上最初で最後の金メダルを獲得した。
種目はウインドサーフィン。 メダリストは李麗珊(リー・ライ・シャン)。
金メダルの獲得に、香港は駅の名前を変えてしまうほどに沸き、彼女は一躍人気者となった。
高層ビルと金融ビジネスのイメージが強い香港がウインドサーフィンで金メダル獲得とは意外な気がするが、改めて地図を眺めてみるまでもなく、、香港はぐるりと海に取り巻かれている。
長洲島出身の彼女は、幼い頃から海に親しみ、ウインドサーフィンも島で叔父から教わったものだ。
そう、海に囲まれたこの小さな香港は、実はマリンスポーツに持って来いのロケーションなのだ!
潜る̶。 滑る̶。 跳ぶ̶。
今回の特集では、海を楽しむ香港在住日本人の方たちにお話を伺うとともに、金メダリスト・李麗珊がウインドサーフィンを始めた「水上スポーツセンター」など、香港のマリンスポーツ施設を紹介する。
夏本番の香港をアクティブに楽しもう!

潜れば海と一体になれる!
JDC(ジャパン・ダイビング・クラブ)メンバーに聞く、ダイビングの魅力香港の海のこと

香港ジャパンダイビングクラブ文字通り海に“どっぷり”潜ってしまうスキューバダイビング。
香港在住のダイビング好き日本人が中心となって発足したという「香港ジャパンダイビングクラブ(JDC)」は、香港では“老舗級”の同好会だ。
香港の海のことなら、ダイバーに聞け!というワケで、今回のマリンスポーツ特集にあたって、その活動、潜ることの魅力などをJDC会長の町田さん、同広報担当の大八木さんにインタビューした。

●JDCの活動と香港の海について教えてください。
大八木さん▶1985年創立ですので、昨年で満30年を迎え、今年は31年目となります。現在登録会員は100名以上ですが、日本に帰られた方もいらっしゃるので、現在定期的に活動されている実働会員は40名ほどでしょうか。香港での活動は白沙湾(パクサーワン)を起点に西貢(サイクン)周辺で行っていますが、有志メンバーでフィリピンなどの海にダイビングツアーで遠征することもあります。
町田さん(以下敬称略)▶白沙湾には30年来お世話になっていたショップがあったのですが、今年オーナーがリタイアされるということで、現在は新たに船を所有しているショップにお世話になっています。潜るポイントはこの白沙湾から船で30分~1時間の距離にいくつか点在していますが、その日の潮の流れや風などの条件によって予定していたポイントが変更となる場合もあります。
亜熱帯に位置する香港の海は、比較的暖かく、装備次第では一年中潜れるといえば潜れるんですが、普通に楽しむのであれば、6月から10月が一般的なシーズンですね。その他、元旦には一年間の海の安全を祈念して「新春ダイビング」を行っています。寒中水泳という感じで寒いですが(笑)、透明度は1月が最もいいですね。4月、5月もスコーンと抜けた感じで10メートル位の透明度があります。日本でいうなら伊豆の海よりも少し綺麗かなという程度でしょうか。ただ、この頃でも水温は20~24℃くらいと冷たく、あまり長くは潜れません。このあと気温の上昇とともに水温も高くなり潜り易い季節になってきますが、水は濁ってきます。

●どのくらいの時間潜るのですか。
町田▶水温が低い季節ですと、身体が冷えてしまうので、せいぜい30分くらいまでしかいられませんが、通常は60分までと申し合わせています。1時間といえば長いようですが、潜っていると時間が経つのは早いものです。特にフィリピンなど綺麗な海に潜る場合など、本当にアッと言う間に感じますよ(笑)。

●潜る楽しみ、魅力とは?
大八木▶私は2011年から始めましたので、ダイビング歴はまだ5年ほどです。海というか、元々泳ぐことが好きだったんです。潜っているとその「浮遊感」はもちろんですが、地上では見る事ができない生き物に出会えるというのが楽しみが大きいですね。よく「サメとか大丈夫?」とか聞かれるんですが、逆にこちらが会いたいくらいです(笑)。[註:人に危害を加えるサメの種類はごく限られており、香港では1990年代前半以降これらのサメは記録されていない]
始めてみて分かったんですが、水中で浮き沈みせずピタリと止まる「中性浮力」がなかなかマスターできず難しいんです。私の場合50本くらいまで感覚が掴めませんでした。
町田▶50本なら早い方ですよ~!(笑)
水の中では自分の呼吸音しか聞こえない世界。ふと見上げた時にみえた、水面越しの太陽に感動しました。その美しさに癒されます。
大八木▶香港では「近さ」も魅力ですね。旺角の繁華街からバス、ミニバスで1時間も行けば海についてしまう。東京に住んでいて潜ろうと思えば、日帰りではなかなか難しいですね。香港の意外な一面だと思います。
また、仲間と楽しく船上で摂る食事だったり、上陸した島でのBBQだったりと、「潜る」以外の楽しみも大きいですね。

香港ジャパンダイビングクラブ●スキルの維持も大切
町田▶香港の海は透明度の面においても、美しさの面でも、はっきり言えばフィリピンの海に比べて大きく劣るわけですが、それでも香港の海にも沢山の種類の生き物が見られて、それなりに楽しいですよ。また、ダイビングの感覚を忘れないためというか、スキルをキープする、または更にアップしていくという目的も大きいです。

●独自のルールで30年間無事故
JDCでは楽しく潜るために、安全面にも特に配慮している。
町田▶JDCで潜りに行くときは、必ずダイブマスター以上のライセンスを持つメンバーが順番で「ボートマスター」を務め、安全面の監視を行うようにしています。万一の事態が発生した場合に対処するためです。そして、潜る時にはどんな時でも2~3人の「バディ」を組んで行くようにしています。絶対にひとりで潜るということはしません。また、透明度の悪い香港の海ではしばしば「バディ」の仲間を見失ってしまうことがあります。水中で写真を撮るのに夢中になっていると、さっきまで隣にいた人がもう見えなくなっている…。ということも起こります。JDCでは独自に「1分間ルール」というものを定めて、徹底しています。これは、仲間を見失ったら1分間だけ水中で捜す。それで見つからなかったら必ず浮上する。というものです。水面に出れば呼吸の泡で水中にいる人の位置も分かりますし。不安な気もちで無闇に水の中で探しまわって、パニックに陥ったりしないためのルールです。
大八木▶こうして、先輩の方達から受け継ぎ、改善していったルールや安全面に対する意識のおかげで、30年間「万一の事態」が発生することもなく、今まで無事故で楽しく潜ることができているのだと思います。

●PPW読者に向けてひと言お願いします。
町田▶ライセンスを持っている人はもちろん、興味がある!という方は、一度私たちと一緒に参加してみませんか?ライセンスのない方でも、ダイビングポイントでシュノーケリングなども楽しめますよ。
大八木▶これから始めたいという方、ライセンスはインストラクターについて講習を受け、こちらで取得することもできますよ。ぜひ、私たちと一緒に潜りましょう!

JAPAN DIVING CLUB Hong Kong(香港ジャパンダイビングクラブ)
ウェブ:www.jdchk.org
メール:infojdc@jdchk.org

香港ジャパンダイビングクラブ香港ジャパンダイビングクラブ
何処で?どの位の時間潜るの??

食事はどうしてるの??
「潜る」と言っても、実際どんな活動をしているのか、初心者も経験者も気になるところ…。
というわけで、JDCより5月に行われたという本年度第2回目の定期ダイビングの活動報告を入手!

香港ジャパンダイビングクラブ香港ジャパンダイビングクラブ
2016年ある日のJDC定期ダイブ

■ダイビングポイント:白腊仔(Pak Lap Tsai)
■参加人数:11名(うち子供2名)

09:15 西貢、白沙湾埠頭に集合
早速ボートに乗り込みダイビングスポットへ出発!

10:35~ ダイビング1本目
潜水時間:35分 水温:23℃ 透明度:3~4m
最大水深:7.9m 平均深度:5.5m

11:15 休憩。準備していたカツサンドをつまみながら、船上でまったりと過ごし、体力を温存。香港ジャパンダイビングクラブ
時にはダイビングを1本で終わらせて、みんなで島に上陸。バーベキューを楽しむなんてことも。

12:17~ ダイビング2本目
潜水時間:37分
水温:24℃ 透明度:3~4m
最大水深:9.1m 平均深度:7.3m

13:30 器材の片付けや着替えを済ませて、待ちに待ったランチタイム!
仕出しのお弁当をみんなで食べます。
「今日の海は…」というダイブの話から「最近どう?」なんて話まで、みんなで和気藹々と賑やかなひととき。

15:30 白沙湾埠頭に帰着。個人の荷物を降ろして解散。
お疲れ様でした!

毎回、交通の便利な香港中心部と西貢間のバスをチャーターしているので、往き返りの心配も無用!もちろん現地解散もOK。心地良い疲れを感じながら美味しい海鮮料理とビールで乾杯!なんている人もいるとかいないとか?!

 

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