特集:香港のポテサラに出会える20皿 1

2017/10/23

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ポテサラの歴史は旧ソビエト連邦から始まった

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オリビエサラダ(Ivan The Kozakにて撮影)

今週号はポテサラ特集ということで、歴史を辿ってみることにした。ポテサラが誕生したのは1860年代の帝政ロシア時代。モスクワにレストランを持っていたフランス人シェフのオリビエ・リッチェ氏によって生み出されたという。オリビエ氏によって生み出されたので“オリビエサラダ”と呼ばれる。庶民でも食べられるように食材は市場で簡単に手に入るものを使用しているので、徐々に広まっていって家庭でも作られるようになった。

香港にも中国風ポテサラはないかと探し回ったところ、尖沙咀(チムシャーツイ)に中華料理店“北京老家”を見つけた。試しにオーダーしてみると茹でたじゃがいもの千切りを発見!こちらもシャキシャキしていてとてもヘルシー。

本家ポテサラは後に世界中へ広まっていき、1919年にはニシンを使用したポテサラ“FurCoat”も誕生。1991年12月にソビエト連邦はウクライナ独立を受けて事実上、崩壊した。その後、各地方では新たなポテサラが生まれた。日本にも伝わったポテサラは家庭料理として食卓に並ぶようになり、パンに挟んだり、独自のポテサラ食文化が生まれた。

ちなみにマカロニとりんごの角切りは我が家のポテサラには欠かせない食材である。皆さんの家庭ではどのようなポテサラを作っていますか?

恵みの大地からインスピレーションされた創作ポテサラ Naka’s Potato Salad

IMG_6397今年2月にオープンした上環(シェンワン)エリアにあるイタリアンレストラン“NAKA”が今回の特集企画だけのためにプロデュースした新感覚のポテサラ。メニューにはないポテサラは畑から収穫したお芋さんをイメージ。まるで地中から収穫したように、土をイメージして乾燥させた粉末状のマッシュルームをスコップに敷いて丸々としたポテサラを添えたインスピレーション溢れる一品。

材料(1人前)
じゃがいも・・・・・・・・・・・・・・・1個
サツマイモの葉・・・・・・・・・・・・・適量
塩コショウ・・・・・・・・・・・・・・・適量
キュウリの皮・・・・・・・・・・・・・・適量
粉末状のベーコン・・・・・・・・・・・・適量
粉末状のマッシュルーム・・・・・・・・・適量
※すべて乾燥させた状態の材料を

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① かしたじゃがいもをスプーンで細かくつぶす(じゃがいもがゴロっとした形にする)

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② 塩コショウを適量ふりかける

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③ キュウリの皮、粉末状のベーコンを入れてまぜる

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④③を十分にまぜた後は自家製マヨネーズを適量入れて、さらにまぜる

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⑤④ をペースト状になるまでまぜる

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⑥ ツマイモの葉はカリカリに素揚げして、塩を軽くふる

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⑦ 粉末状のマッシュルームの上に丸くこねたポテサラと素揚げしたサツマイモの葉を盛り付けたら完成!

JAPANESE x ITALIAN CUISINE NAKA
住所:G/F., Hing Loong Bldg, 6A Winf Lok St., Sheung Wan
電話:(852)2446-0488
メール:nakaitalian@gmail.com
Facebook: NAKA
Instagram:naka_atsushi


旧ソビエト連邦発祥ポテサラFur Coat

ケーキのように重なったレイヤーに初めて食べる人は「デザート」と勘違いするほど、見た目も美しく、ボリューム感たっぷりの食べ応えのある美味しいポテサラ。”Fur Coat”は1919年に旧ソビエト社会主義共和国で生み出された地元のサラダ。当時はニシンが一番食べられている魚だったので、喫茶店のマスターがお酒を飲む人々が酔わないようにマヨネーズたっぷりのカロリーの高いポテサラを生み出した。ポテサラは地元料理店でも食べられたが、食材のニシンは市場でも安く手に入れることができたので家庭の食卓にも並ぶ庶民のための料理でもあった。結構、ボリュームがあるので、ポテサラと伝統的なスープ“ボルシチ”を一緒にディナーでオーダーする人も少なくない。ちなみにビーツのカラーは社会共産党を象徴しているという。

材料(3人前)
ニシン・・・・・・・・・・・・・・・5枚
じゃがいも・・・・・・・・・・・・・2個
にんじん・・・・・・・・・・・・・・1個
ビーツ・・・・・・・・・・・・・・・1個
ねぎ・・・・・・・・・・・・・・・・適量
パセリ・・・・・・・・・・・・・・・適量

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① でたじゃがいもを間口の広い金おろしですりおろす(すりおろした後は細長い)

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② すりおろしたじゃがいもを平らになるよう、ステンレス容器に満遍なくちらしていく

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③ すりおろしたじゃがいもにマヨネーズをかけていく

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④ ニシンをキュービック状に切る]

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⑤ キュービック状に切ったニシンを③の上に満遍なくちらしていく

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⑥ 細かく刻んだねぎを⑤の上に満遍なくちらす

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⑦ 茹でたにんじんをすりおろして⑥の上に満遍なくちらす

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⑧ すりおろしたにんじんにマヨネーズをかけていく

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⑨ 茹でたビーツをすりおろして⑧の上に満遍なくちらす

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⑩ 丸形になるようにきれいにすくいあげて皿に盛り付けたら完成!

オススメメニュー「RussianSalad」旧ロシア帝国で生み出されたお洒落で伝統的なポテサラ

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同氏おすすめのボルシチ

1860年代の帝政ロシア時代、モスクワにレストランを持っていたフランス人シェフ、オリビエ・リッチェ氏によって生み出されたポテサラ。茹でたじゃがいも、にんじん、たまご、鶏肉、きゅうり、ハムをキュービック状に切ってしゃきしゃきした食感が楽しめる。マヨネーズの酸味が効いていて、ポテサラ全体の味は甘酸っぱい仕上がりになっている。きゅうりの代わりにピクルス、ハムの代わりにソーセージを使用することもあるという。鶏肉は当時から使用されている食材で、添えられている赤かぶの薄切りはお口直しにも相性抜群。

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取材に協力してくれたウクライナ出身のクトゥニェンコ・カテリーナ氏はシェフ歴30年以上。

ウクライナ&ロシア料理店
Ivan The Kozak
住所:1/F.,Parekh House,63 Wyndham St.,Central
電話:(852)2851-1193
メール:ivanthekozak@yahoo.com

 

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