新生活特集2・香港生活のトラブルと対策

2014/03/10

PPW知恵袋によるトラブル対策

ほかの大都市と比較すると治安が安定している香港でも、安全・安心な街だと考えて油断してはいけない。思わぬトラブルがいつ身に降りかかるかも分らない。そこで、水回りをはじめとする、日常で起こりがちなトラブルとその対応策を紹介しよう。

トラブルの多い水回り

香港では、住まいにおける水回りのトラブルが日常茶飯事。水回りのトラブルが起きたら、まずはオーナーやマンションの管理人に伝えて早急に対応してもらおう。よくある水回りトラブルをチェックしてみよう。

■トイレの逆流

ひどいときには汚水が居間にまであふれてくることも。原因は排水が追いつかなくなるため。日本のマンションでは、30階建ての場合、10階建ての場合より太い下水管を使用しているのに対し、香港では、建物の高さに関わらず同じ太さの下水管を使っているためだ。また、日本では逆流を防ぐため「ガス抜き」と呼ばれる空気抜きの管をつけるが、香港でこれを取り付けてある建物はごくわずかである。

 

■トイレの水漏れ

トイレの排水に海水が使われている住宅が多く、これが香港特有のトラブルの原因となっている。塩化ビニールでコーティングした配水管ではなく鉄製の配水管を使っている場合、海水でパイプがもろくなり、パイプの亀裂から水漏れすることがある。この場合、配水管工事が必要となる。海水が使われているトイレに日本製のシャワー洗浄付きトイレを設置する場合は、配管の工事から始めなければいけないため、専門家のアドバイスを受けよう。

 

■バスルームや台所の排水口詰まり

入居の際は排水口も点検しよう。バスルームの床には排水口が設けられている。しかし、ごみなどが詰まって流れないことがある。また、台所の排水口が油汚れなどによって、流れが悪くなっていることもある。入居後、水回りの掃除はこまめにしよう。台所の排水口の油汚れ対策には強アルカリ性洗剤がおすすめ。トイレはタンクの中の掃除も忘れずに。

 

■水漏れによる壁や床へのダメージ

給水管の水漏れが原因で、壁や床が痛んでしまうことがある。この場合も早めにオーナーに連絡を。水漏れを放置していた責任を問われ、修繕費を請求されることがある。

 

■その他

入居した際に、お湯は出るか、全自動洗濯機の水は出るか、などもすぐに確認を。新築マンションに入居したところ、お湯と水の配管を逆に取り付けてあった、洗濯機の裏にある水道の元栓が開いていなかった、という例もある。また、香港のマンションでは、各住居に水を止めることができる止水栓がないので気をつけよう。

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知って防ごう!香港生活のトラブルトリビア

香港生活では、日本人にとっては「こんなことあり?」と驚くトラブルも多い。知っておくことで防げるトラブルもある。そんなトラブルをピックアップ!

1.引越しが多いのにはワケがある!

世界的に見ても香港の家賃の高さはトップクラス。この街では、住まいやオフィスの引越しだけでなく、店舗が移転するという話をよく聞く。それは家賃・店賃の値上がりで、移動を余儀なくされるためだ。契約更新時にオーナーから20~30%の賃上げを要求されることもザラ。「値上がりしているこの時期に売りたい」あるいは「もうそろそろリフォームしたい」というオーナーの個人的な理由で、更新を待たずに引越しを要求されることもあるらしい。土地が希少資産で不動産投資が盛んであることや、賃上げしても借り手に事欠かないことなどが要因としてあげられている。一方で、オーナーと入居者の賃貸契約では、解約可能となる期間前に立ち退く場合は、ペナルティーを要求される。契約の前に香港ルールを確認しておこう。

 

 

2.ガスメーターの数字は定期的に報告を

公共料金のうち、水道と電気は、実際の使用量をもとに請求があるが、香港のガス料金は「過去の使用量をもとにした見込み」で請求される。オーナーのガスアカウントをそのまま使って住む場合、前の入居者のガス使用量をもとに請求が続けられる。退去時に実際のガスメーターの数字と誤差があれば、その差額を支払わなければならない。つまり、見込み使用量よりも実際の使用量が少なければ「払い戻し」が受けられるが、反対に実際の使用量が多ければ「追加料金」を払わなければならなくなる。退去時に数千ドルの追加料金を取られた例もある。そうならないためにも、ガス会社に定期的にメーターの数字を報告しよう。ガス会社は定期的に訪問しているが、留守がちな場合は電話やインターネットで簡単にできる。

 

3.家に入れない!「ロックアウト」

香港の住居のドアは、オートロック式が少なくない。そのため、家の中にカギを置いたままドアを閉めてしまい、中に入れなくなったというトラブルが多い。夜、下着姿でごみを捨てに出て、閉め出されてしまったという笑い話もたびたび耳に入る。香港には24時間営業のカギ屋があるので、マンションの管理人に呼んでもらおう。鍵の種類や呼び出しの時間帯にもよるが、HKD500~1,000くらいかかる。香港では、マンションの管理人にかぎを預ける習慣はない。万が一に備え、会社や近所の知人宅に鍵を預けておくのもよい。郵便受けの中など、他人が出入りする場所に合鍵を置くのは避けよう。

 

4.窓からモノを落とさない!

物理の授業で、高い場所からモノを落とすとスピードとパワーが増すと習ったことを覚えているだろうか。高層マンションでは、住居の窓からモノを落とすと凶器になってしまうので注意しよう。例えば、窓掃除に使っていたモップ。それを誤って落としてしまい階下にいる人に直撃、大ケガをさせてしまうこともある。また、窓の留め金がゆるんでいて、力が加わった拍子に窓が落下する事故も少なくないので、普段から確認しておこう。まったくその逆で、マンションの窓から物を捨てる常識のない人もたまにいる。もし、自宅のクーラーの室外機などの上にいつもモノが落ちているようなら管理人に訴えよう。

 

5.大気汚染レベルは天気予報で確認

大気汚染について気になる人もいるだろう。香港では、大気汚染の規制に基づいて、大気汚染レベルを5段階で示した「API(Air Pollution Index)」を発表している。その日のAPIは天気予報などで確認できる。「低い(1-3)」「普通(4-6)」のレベルでは特別な対策の必要はなし。「高い(7)」のレベルでは、子供や高齢者、持病のある方は、屋外での活動を控えるほうがいいとされている。「非常に高い(8-10)」「深刻(10+)」では、健康な人も注意が必要となるが、香港ではこのレベルになることはほとんどないそうだ。

 

6.台風や大雨での被害

台風シーズンや雨の多い季節の前は、事前に窓やクーラーの点検をしておこう。窓の隙間やクーラーから雨水が吹き込み、家の中が水浸しになるケースがある。窓からの吹き込みが激しいときは、オーナーに相談を。窓の留め金がゆるんでいると、台風のときに窓が吹き飛んだり、強風で窓が割れたりして、部屋の中のモノが壊れたり、怪我をすることもある。

 

7.スリにご用心

香港では、外出先でうっかり気を抜くと私物がなくなっていたという話も多い。特にiPhoneはスマートフォンの中でも高価で人気が高いので、使っている人は注意しよう。日本人はスリへの免疫力が低いため狙われやすいと言われている。スリは単独犯だけでなく共犯者がいる場合もある。例えば、ある人はひとりで街を歩いていて女性の1人に日本語で話しかけられ、そちらに気を取られた時、別の男性が後ろからぶつかってきた。つまずきそうになった瞬間、その男性の手がカバンへ。いきなり雑踏で声をかけられた時は要注意だ。

 

8.強烈紫外線から肌を守ろう!

香港は一年を通して日本より比較的温和な気候。だが、紫外線がとても強いのでうっかり紫外線対策を忘れたり、長時間紫外線の当たる場所にいたりすると肌がかぶれてしまうことも。またバスや車の排気ガスで肌がかぶれることもある。編集部の友人の1人は、ハイキングに行ったとき、日焼け止めを塗っていたにも関わらず日焼け。それだけならまだいいのだが、肌が、赤く炎症を起こしかぶれてしまったという。勧められた市販のクリームを塗って一時は回復したが、かぶれがぶりかえし、なかなかよくならず…。結局は日本への一時帰国のときに受診し、よくなったという。

 

9.ココでは車が優先!

日本では歩行者優先だが、香港では車が優先らしい。横断歩道を渡っているときも、歩行者に突っ込んでくる車が少なくなく、特にタクシーはスピードを緩めることなく向かってくる。とはいえ、歩行者も歩行者だ。香港の道路にもちろん信号はあるが、車が来なければ渡っていいという考える人が多いようで、どんな大きな道でも車がこなければ平気で横断しようとする人をよく目にする。だが信号無視には罰金が科せられる。実際に罰金を払った歩行者もいるので注意しよう。

 

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