湾仔(ワンチャイ)中華料理「Maureen(摩厨麺館)」
ワンチャイ(湾仔)のランドマークのひとつ、ザ・ブルー・ハウス(藍屋)の裏手にある細い路地を入って行くとドアの上に掛かる赤い日除け屋根が目印だ。
テレビで見た「分子ガストロノミー(Molecular Gastronomy)」に興味を持ったオーナー、モーリンさんが2年前にオープンした。伝統的な中華料理のシェフだった彼女はこの事を調べ始め、「スービード(Sous Vide)」の調理法にたどり着いた。食材を真空パックにして、温度調節された水の中で、時間をかけて調理する方法。真空パックの中で調理されるため、食材の風味が保たれ、乾燥も防げる。
しかし、西洋で始まったこの調理法、必ずしも香港人の口に合う料理に仕上がるわけではない。例えば、香港人はエビや首肉のプリプリした食感を好むが、この調理法を使うとその食感が失われてしまう。そのため、試行錯誤で、香港人に向けの調理温度や時間を発見していった。
こだわりの料理をいくつか紹介しよう。「Perfect Egg with Mushroom Fluid Gel & Chinese Ham」は卵を63.5℃で1時間調理することにより、黄身と白身の濃度が同じになる。温泉卵とはまた違う、とても不思議な食感だ。
そしてこちらは新しくメニューに登場した「Smoked Fresh Shrimps」。エビはさっと茹でた後、店内で燻製している。スモークの香りが口いっぱいに。赤唐辛子入りの醤油と食べても美味。
中華スタイルの「Noodles Salmon」 はサーモンと麺が別々に供される。サーモンは33度の超低温で20分調理したもの。中身がレアなサーモンは柔らか、その下には野菜が敷かれているが、実はこの野菜には重要な役割がある。超低温で調理されいるので、サーモンが熱々にならない。それを直接お皿に乗せると、瞬く間に熱が奪われるで、それを避けるためだそうだ。
また、麺にも大変こだわり、北の担々麺と南のワンタン麺を合わせたスタイルになっている。麺を茹でた後も熱々で食べられるよう、特別な湯切り方法を行っている。麺は豆苗と和えられ、シイタケ、細切りのジャガイモ、ごま油のムースが添えられ、コシのある麺との相性は抜群だ。
新たな味わいを試せる場所。カウンターでなく、テーブル席を確保したい時は予約は必須だ。
Maureen 摩厨麺館
住所:G/F, 11 Hing Wan St., Wan Chai
電話:+852-2915-2261
時間:月~金 11:00~22:00、土~日 11:30~22:00