ここだけは外せない!【本場カレーの名店】尖沙咀・中環

2023/12/13

オープンから日が浅いにも関わらず、インド人の間でも話題の「Tagline」、地元グルメサイトで常に上位にランクインする「Nepal」。そんなカレーの名店に編集部が突撃インタビュー。本場以上の味を、ここ香港で堪能しよう!

 

美人栄養士が手掛ける
ヘルシー&ジューシーな品々たち
Tagline Modern Indian & Arabic Restaurant and Bar
名物カレー「カダイチキン(Kadai Chicken)」

名物カレー「カダイチキン(Kadai Chicken)」

尖沙咀のPrat Avenueに位置するビルの一室に「Tagline」はある。店内はこじんまりとしているが、テーブルの間隔がゆったりとしており、落ち着いて食事を楽しめる雰囲気のいい店である。同店のオーナーシェフはKiran Sukhaniさん。ハーバードやオックスフォードで栄養学を学び、栄養士の資格を持つ彼女が別事業として始めていた栄養管理食のデリバリービジネス「Calfit」から派生して、同店をオープンしたのが3年前のこと。歴史の浅い店ではあるが、口コミは瞬く間に広がり、多くの情報誌にも取り上げられてきた。平日の昼間には、香港ローカルや多国籍の客でにぎわい、店内は満席のことがほとんどだと言う。chef Kiranさんは編集部にこう話す。「コロナ禍で人々の健康に対する関心の高まりを受け、栄養バランスのとれた食事プランの提供を始めました。インド料理というと、スパイシー、オイリー、重たいなど、あまりいいイメージを持っていない方が多く、そんなイメージを変えるためにレストランを始めたのです」。彼女の話す通り、同店では調理にエキストラバージンオリーブオイルを使い、インドから仕入れたハーブや、その日に入荷した野菜・肉などを使用する。外部のソースや化学調味料などは一切使わず、天然にこだわるのは、香港をはじめ世界で栄養学を学び、さまざまな国の食習慣を見てきた、彼女の食に対する信念の表れとも言える。「当店では味、香り、栄養それぞれにバランスを大事にしています。毎日食べたくなるインド料理、それが私たちが自信を持って手がけていることです」と話してくれた。

セットのトマトスープ。クリーミーな味わいの中に、トマトの酸味がしっかりと効いて、後味すっきり。

セットのトマトスープ。クリーミーな味わいの中に、トマトの酸味がしっかりと効いて、後味すっきり。

同店の人気メニューの中でおすすめなのが、カダイチキン(カダイはボウルの意)。トマトベースのセミドライカレーで、辛すぎずクリーミーな味わいだ。シャキシャキ感の残る野菜と大粒のチキンを、カリカリのナンとともにソースにディップしていただこう。スパイスやフレッシュクリーム、パセリの絶妙なバランスが後を引く旨さ。

カレー担当のシェフFaizさん。カレーソースはオーダーを受けてからひとつずつ調理を行う。

カレー担当のシェフFaizさん。カレーソースはオーダーを受けてからひとつずつ調理を行う。

ナンやグリル担当のUmaさん。ナン生地を 扱う手さばきが素早く美しい。

ナンやグリル担当のUmaさん。ナン生地を扱う手さばきが素早く美しい。

Interior (2)4/F., 10 Prat, 10 Prat Ave., TST
https://taglinehk.com

 

宮廷料理のエッセンスにモダンが融合
食感にこだわるシェフの技
Nepal Restaurant & Bar

IMG_4915グルメサイトや雑誌のネパール料理部門などで常に上位にランクインしている「Nepal Restaurant & Bar」。香港で1995年より創業している老舗中の老舗だが、その人気は時とともに衰えることを知らない。レンガでできた店エントランスには、香港旅游発展局から表彰された優良店舗への表彰状やグルメアワードなど約20点が所狭しと飾られている。

メインシェフのJeet Bahadurさん。創業当時から変わらぬクオリティを提供する

メインシェフのJeet Bahadurさん。創業当時から変わらぬクオリティを提供する

同店が創業当初から守り続けているのは、ネパールに大昔より継承され続けている宮廷料理の味にモダンなアイデアを融合させること。着色料は一切使わず、厳選された新鮮な素材のみを使う。豊富なメニューも魅力だが、その半数がビーガン向けで、豆や野菜をたっぷりと使った栄養満点なところも、香港に生きる私たちにとってはありがたいことだ。
ネパール料理がインド料理と違うのは米が主食ということ。同店のガーリックナンももちろん絶品だが、サフランライスはぜひ食べていただきたい。豆やナッツ、ブロッコリーも入り、一度に二度おいしい。また、多数あるカレーの中でもバターチキンカレー、ラムカレー、フィッシュカレーは必食の旨さ。

バターチキンカレー (Butter Chicken Makhani)

バターチキンカレー
(Butter Chicken Makhani)

ラムカレー (Lamb Makhani)

ラムカレー
(Lamb Makhani)

ほうれん草炒め (Sauté Spinach)

ほうれん草炒め
(Sauté Spinach)

フィッシュカレー (Spicy Fish Curry)

フィッシュカレー
(Spicy Fish Curry)

この旨さの秘密を、創業当時からキッチンで指揮をとるメインシェフのJeet Bahadurさんに伺った。「ソースとメインの肉や魚を別に調理します。そうすることで肉や魚が固くならず、素材そのもののジューシーさをキープできるからです。また、肉や魚の骨はきれいに取り除き下処理をして提供することもポイントですね。お客様がお口に含んだ時の食感をとても大事にしています」と話す。なるほど、シェフの言うようにチキンやラムの肉がやわらかく、また白身魚の身ひとつひとつがジューシーに仕上がっている。シェフはもともと、ネパールにある5つ星ホテルで研鑽を積んできた人だ。その腕を認められ、香港でさらにキャリアを発揮し現在に至る。その証が壁を埋め尽くす数々のアワードに反映されていると言えるだろう。香港に住んでいる限り、ネパール料理を求めて旅に出る必要はない。なぜなら同店で本場の、いやそれ以上のネパールの味を堪能できるからだ。IMG_4907

G/F, 14 Staunton St., Central
www.nepalrestaurant.com.hk

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