尖沙咀 三笠屋 一周年

2016/06/02

MTR尖沙咀(チムサーチョイ)駅から徒歩3分ほどの場所に位置する三笠屋。「寿司とく」から現在の「三笠屋」に屋号を変更し、6月1日で1周年を迎えた。
大将・本山太一朗さんにお話を伺う。
本山さん

一周年おめでとうございます。振り返ってみていかがですか?
これまで支えてくださった皆様に感謝の思いでいっぱいです。8年ほど続いていた名前を捨て、新しい屋号でスタートをするのは勇気が入りましたが、お陰様で一周年を迎えることができました。これからもよろしくお願いします。

あらためて本山さんのこれまでの経歴を教えてください。
現地シェフと交流 香港に来たのは今から約10年前です。日本では、地元福岡の調理専門学校卒業後、大阪でトータル4年下積時代を過ごしました。大阪での修行を終えてからは、海鮮料理屋である福岡の実家に戻り働き始めましたが、家族経営だったのもあり、どうしても甘えが出てしまうのが嫌でした。調理学校で学んだことや流行を取り入れようとしても、「今までずっとこのスタイルでやってきたから」と言われ自分の意見が採用されなかったのも悔しかったです。気が付けば2年経過していました。そんなとき、専門学校時代のつながりで、香港の寿司屋(当時:寿司とく)で職人を募集しているという話をいただき、香港行きを決めたんです。2006年でした。当時大将だった徳永さんとは香港空港で初めて会い、香港に到着したその足でお店へ連れていってもらったのですが、そこで食べたのが「秋刀魚の刺身」。「秋刀魚を刺身で食べられるとは」「香港の流通はすごい!」と感じました。それから寿司とくでは3年働き、その後セントラルの寿司喰に移って3年。その後また寿司とくに、今度は自分が大将となって戻ってきました。そして去年、屋号を実家と同じ「三笠屋」に変更し今に至ります。

昔から寿司職人になりたかったのですか?
料理人になろうとは特に思っていませんでしたが、実家が海鮮料理屋を営んでいたので、中学生の頃から手伝いはしていました。まな板をはさんで父と向かい合わせに座り、魚のさばき方をよく真似したりもしていました。最初は茶碗洗いからスタートし、バイト感覚でした。福岡は魚介類の宝庫です。小さな頃から地元の美味しい魚を食べる機会に恵まれていたので、味の違いはわかるようになりました。

さかな
香港は日本から新鮮なネタが入るそうですね。

はい。私自身もそうでしたが、地方出身の職人は、まず香港のネタの豊富さに驚くと思います。香港は日本から近いので、朝日本で獲れた魚がその日のうちに香港に到着します。福岡で水揚げされた魚が東京に運ばれるのと同じくらいの時間で香港にも空輸できるので、鮮度のいいネタを手に入れることができます。そういう意味では、香港では日本よりクオリティの高いお寿司を食べられると思っています。

美味しい寿司を提供するにあたり工夫されていることはありますか?
生の食材を扱うので、当然のことですが衛生管理にはかなり気を付けています。スタッフへの指導も入念に行います。
味の面でいうと、食材のことを良く知ることが大事です。その魚を寿司で食べるのが良いか刺身で食べるのが良いか。また、「お客様がどういう時間を過ごしたいか」を常に気にしています。この人は話をしたいのか、誰と来ているのか、接待なのかなど、その人に合った時間を提供できるよう心掛けています。お客様が選ぶお酒によってアプローチを変えたりもします。その他、女性のお客様だからポーションは小さめにするなどにも気を配ります。美味しいは当たり前。それにプラスアルファでどんなサービスを提供したら、来てよかったと思っていただけるかを常に考えています。

解説解体ショー
本山さんおすすめのメニューを教えて下さい。

年間を通して個人的にお勧めしたいのは、玄界灘の「イカ」です。今の時季であればアオリイカ。実は以前、お任せコースをご注文いただいたお客様でイカが苦手な方がいらしゃいました。「俺の握ったイカを一回食べてみてほしい」と思い、食べていただいたところ、「美味しい!」と仰っていただけました。食材が持つ個性をうまく引き出すことができれば、その人が持っている食の価値観をも変えることができるんです。元々の素材に薄化粧を施すような感じでしょうか。色々足し過ぎてわけのわからないものになってもだめ、手を加えなさ過ぎてもだめ。「苦手だったものが、三笠屋に行ったら食べられるようになった」「美味しかった」というお客様の表情を見るときが本当に嬉しいです。イカの他に、穴子丼も人気があるので是非一度お試しいただきたいですね。
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メンバーメンバー
今後の“野望”を教えてください。

普通の板前で終わるのは嫌。せっかくだから
何か楽しいことをやりたいといつも思っていま
す。日本人として、日本の文化を正しく伝えたい。
自分だったら寿司を通して日本文化を伝えられ
ると思います。将来は違う国でもチャレンジして
みたいです!

ありがとうございました!

内装
三笠屋 Mikasaya Sushi Restaurant

住所:Shop B, 2/F., Cameron Plaza, 23-25A Cameron Rd., TST
電話:(852)2301-3555

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