全てが新しい「香港」料理Bo Innovation(廚魔)
もしレストランに点数を付けるなら、「Bo Innovation」は必ず満点をとれるに違いない。同店が提供しているのは独創的で心を込めた料理だ。同店は中国と西洋の伝統と現代を融合させた中華料理店。
ある有名な美食家のFred Ferretti氏は「同店の梁經倫シェフは優秀な料理家であると同時に優秀な化学家でもある。それぞれの味を融合させて、個々の味を際立たせる」と評価している。
店内に入ると、梁經倫シェフのモザイク写真が目に入って、彼自身の料理に自信がありすぎではないかと思われるが、同氏の料理を食べてみれば(HKD1,080/一名当たり)、なぜこれだけの自信を持っているのかが理解できるに違いない。
まず、牡蠣のセットパッケージを試食してみる。新鮮な南オーストラリア・コフィン湾産の牡蠣にライム汁とウコンと葱汁をかける。牡蠣の出汁で作った豆腐もあって、今まで食べたグルメと全く違うと感じた。見た目はシンプルだが、牡蠣のプニプニして柔らかく濃厚な旨み、そして噛みやすくて、牡蠣の磯の香りが口の中に広がり、十分に満足できる味。
燻製したウズラの卵はタロ芋で包んで揚げて、キャビアを添えている。スムーズな黄身は口に入れた瞬間、口の中ではじけて、タロ芋は雪のように溶けて、食感と甘味の両方を楽しむことができる。キャビアの塩味も楽しむことができる。
メニューに載っている料理は一口料理だが12品もあり、月ごとに変わる。気になる料理はフォアグラの焼き餃子だ。もうフォアグラを食べ飽きたと思った人向けに同料理を提供している。上海餃子は伝統的な豚肉餃子の美味しさがポイント、中はフォアグラが入っているので酢をかけたら美味しさが倍増する。
さらにM9+和牛サーロインステーキの黒トリュフ添え腸粉。M9+和牛は最もおいしい部分であり、ジューシーで霜降りの部分が多く、肉汁が溢れるサーロインステーキに醤油とトリュフをかけると、普通の「干炒牛河(太い米粉麺と牛肉の炒め)」と比べて全く違う味になる。
チョコブラウニーと金柑アイスのセットは、海塩が使用されており、ブラックチョコの味を引き出す。他にもナツメと杏子(あんず)の入った「紅棗南北杏泡䰡」、黒ゴマスパークリングワインが入った「黑芝麻汽酒」のスイーツもおススメ。
料理はおいしいだけでなく、サービスも香港の基準を上回っていると思う。ウェイターが毎回料理を出すたびに料理で使用されている食材を紹介してくれるからだ。同店は2009年にミシュランガイドを受賞してからその後、何回も同賞を獲得している。
Bo Innovation(廚魔)
住所:Shop 8, 1/F., J Residence,60 Johnston Rd.(Entrance at Ship St.), Wan Chai
電話:(852)2850-8371