カバーストーリー 2020年10月第4週号「重陽節」

2020/10/21

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 重陽節は、旧暦の9月9日。陰陽思想では、奇数は陽の数とされており、その陽数の極である9が重なるため、この名前がつけられた。古来より、9は「吉祥」「幸福」「光明」の象徴と考えられてきた。旧暦3月の清明節と同様、家族でお墓参りに行くのが慣習で、日本のお彼岸に似ている。

 また、この日は高台に上ると幸運が訪れると信じられており、こぞって高い場所へハイキングに行くのが風習だ。香港では、やっと夏の猛暑も落ち着き、冬の霞が出てくる前の束の間の絶景を堪能できる、ハイキングにはもってこいの季節である。

 

 そもそも、なぜ、高台に上ると幸運が訪れるといわれるようになったのか?それは、およそ2000年前に遡る。南朝梁の文人・呉均の著書「続斉諧記」にこんな話がある。東漢の時代、汝南に、恒景という者がいた。恒景は、費長房という道士に師事しており、ある日、その費長房からこんなことを予言される。

 

「9月9日、おまえの家は災いに見舞われる。急いで、家族全員で高いところに登り、菊花酒を飲みなさい。そうすれば、災いを免れることができる。」

 

 恒景は、言われたとおり、9月9日に家族全員で高いところへ登り、菊花酒を飲んだ。そして、家へ戻ってみると、犬、鶏、豚、全ての家畜が死んでいたではないか。主人に降りかかるはずだった災いを、家畜たちが身代わりになって受け止めてくれたということである。これがきっかけとなり、高台に上ることが、重陽節の風習として広く浸透していったといわれている。

 上述のとおり、10~11月にかけての香港は、とても気持ちのよい季節。重陽節にはハイキングへ行こう!

 

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