僕の香妻交際日記 第57回 2020年、意味のなかったモノまとめ

2021/01/06

P16 HK Wife_727

 今朝たまたまネットで2020年のベストバイという記事を見かけたので、私は2020年のドントバイをまとめてみた

 

1. 鼠のポチ袋

 コロナが香港で本格的に蔓延したのはまさに2020年の旧正月をお祝いしようとするその直前であった。その証拠に私の下着ダンスの中には今でもその時に準備した利是(ライシー:お年玉)たちがお札(10ドル)入りで未だにキレイにしまってある。これらのネズミの封筒が使えるのは12年後だ。

 

2. 人差し指の第二関節

 「ウィルスはどこに潜んでいるか分からないから指を使って公共のモノに触れるな」という妻のアドバイスに忠実に2020年は人差し指の第二関節を使ってボタンを押すことを心がけた。エレベーターのボタン、ATMのボタン、オフィスのコピー機など触ることをやむを得ない状況では指の腹ではなく第二関節を使ってチョンとボタンを押すようにしていた。しかし、「指の腹を使うな」という意識だけが先行しすぎて、時折目や鼻を擦る際にも人差し指の第二関節を使ってしまっていることに最近気がついて、自分のことながら何とも哀れで、それでいて人間とは暢気なものだなと感心したことは妻には内緒にしてある。

 

3. おでこをかざすとピッとなる体温計

 2020年の夏頃(香港第三波発生時)になるともうどこのレストラン、お店でも店の入り口におでこや手首をかざすだけで体温が測れる簡易体温計が設置されるようになった。

 ある日私は昼間から熱っぽかったのだがオフィスに体温計がなくムズムズしていたころ、「そうだ、外に出れば至る所に体温計があるじゃないか」と近所のレストランの入口でピッと測ったところ36.3度と平熱だったので、とりあえず退社時間まで我慢して夜病院に向かうことにした。昼間から相変わらず熱の感覚はあったのだが、病院の入口にあったサーモグラフィカメラでも熱があると判断されず、セキュリティのおじちゃんに「はい、いいよ」と難なく受付に通された。

 しかし、診察前になってようやく看護師に耳で測るちゃんとした体温計でピッとやってもらったところ、やはり38.5度の熱があったのだ。

 幸いコロナ検査の結果は陰性だったので良かったものの、店先のおでこのピッは全く当てにならないことはこれで皆さんもよくお分かりになられたと思う。

 

4. 猫用メガネ

 外出する機会が少ないとなかなかインスタ映えする写真を撮る機会もないので、Living Plaza(通称12ドルショップ)の買5送1(5商品買うと1商品無料でゲットできる)キャンペーンを利用して我が家の猫にオシャレ眼鏡を買ってきた。妻には「史上最もいらないものを買ってきたわね」とディスられたが、これを猫にかけてインスタやツイッターに載せて #猫好きと繋がりたい とタグ付けすればきっとバズるのではと私は密かに信じてやまなかった。というわけで早速、猫にかけようとすると横から2歳の娘が割って入ってきて「アンゲン、アンゲン」(広東語で眼鏡)と言いながらその小さな猫用の眼鏡を横取りして自分で掛け始めた。猫用のため娘の顔のサイズに当然幅が合わないので耳に掛ける棒の部分(正式名称テンプル)が見る見るうちに開いていくのだが、それでも娘は強引にその眼鏡を掛けるわけで、結果的に娘は新渡戸稲造みたいになった。結局、猫に掛ける間もなく、その眼鏡は娘によってこの小さな家のどこかに隠されたまま、今もまだ見つかっていない。

 

5. アリババ株

 せっかく香港にいるんだからと満を持して始めた株投資。初めて買った銘柄は中国オンラインビジネスのパイオニア、アリババ。2020年も順調に一時期一株300USDまで上昇したが、12月になって政治的問題が勃発し私が購入した時から順調に下降を続けている。それでもウォーレンの言葉を信じて10年は所持するつもりだ。

 

 1年前の今頃、来る2020年がまさかこのような形で幕を閉じるとは誰も予想していなかったことだろう。

 2020年、世界は落ちるところまで落ちたはず、だから2021年は這い上がるのみ!

 そう信じて、2021年は妻の言うことをちゃんと聞いて、精神的にもっと成長して、世界が平和に健康になって、アリババが飛躍してくれることをひたすら祈りながら年を越したいと思う。

 


ルーシー龍ルーシー龍(りゅう)

東京都出身。香港歴7年。元日本語講師。元学習塾塾長。現在香港企業窓際マネージャー。柔道三段。妻は香港人。娘はハーフ。猫は香港仔出身。愛読書は武士道。

 

Pocket
LINEで送る