カバーストーリー 2021年2月第4週号「香港、冬の代名詞 煲仔飯」

2021/02/24

 今年の冬は暖かい。旧正月も終わり、すでにポカポカ陽気の香港。「冬」というかんじでもないが、やはりこの時期に食べたくなるものがある。それは、広東省特有の庶民料理「煲仔飯(ボウザイファン)」。広東で「煲」といえば主に素焼きの土鍋のこと、「仔」は小さなものを指す。つまり、一人前で炊かれる土鍋ごはんだ。

 この土鍋、実は、広東エリアのどの家庭にもあるごく普通の調理道具。熱しにくく冷めにくいのが特徴で、米を炊くのに理想的といわれており、炊きムラもできにくい。更には、日本の釜飯のように、おこげが味わえるのも嬉しい特徴。煲仔飯は、様々な具材との組み合わせが楽しめる。ちなみに、広東式の豚肉サラミ「臘味」や、しいたけ×鶏肉の組み合わせ「冬菇滑鶏」が代表的。

 家庭でももちろん作ることはできるが、ハードルが高いと感じる方はぜひお店で味わおう。煲仔飯は米から炊くため、最低でも20分ほど待たなければならないので、余裕をもって注文することをおすすめする。人気店は、堅尼地城(ケネディタウン)の「嚐囍煲仔小菜」、西営盤(サイインプン)の「坤記煲仔小菜」、油麻地(ヤウマーテイ)の「四季煲仔飯」だ。冬季のみ、夜間のみなど、煲仔飯の提供時期が限定されている場合があるので要注意! 新型コロナ対策の規制も緩和された今、冬の代名詞を思う存分味わおう!

 飯

Rosewood Hong Kong内の中華レストラン「The Legacy House」で提供されていた、「牛肝菌石耳滑雞煲仔飯」という名のチキン×ポルチーニの煲仔飯

Pocket
LINEで送る