カバーストーリー 2022年10月第1週号「香港回歸記念塔」

2022/10/05

新界の歴史を語るランドマーク「香港回歸記念塔」と
充実の香港最大公園

スクリーンショット (1914)巻貝のような螺旋状のスロープをぐるぐると登り、やっとのことで頂上に辿り着くと、心地よく吹き抜ける海風が汗ばんだ肌を撫でる。眼前に広がるのは新界の入り江がつくりだす穏やかな海景。遠方には八仙嶺や馬鞍山を望むことができる。
ここは新界の大埔海濱公園。かつて大埔海と呼ばれた吐露港の湾奥に位置し、イギリス軍が新界を占領するために上陸した歴史的意義のある場所。渦巻き型展望台「香港回歸記念塔」は、1997年に香港返還を記念して建てられた。
香港最大の面積を誇るこの公園には、老若男女が楽しめる様々なエリアがある。域内に生息する昆虫の標本や模型が展示された「昆蟲館」は、コンパクトな館内ながら香港の生態環境を学ぶことのできる貴重な施設だ。日本のそれとはまた違うカブト虫の標本を見ることができたり、巨大化した昆虫模型をじっくり観察できたりと、なかなか興味深い。美しく手入れされた広大なフラワーガーデンでは、季節ごとに違った香りや風景を味わうことができる。3月下旬頃には桜の小道ができ、可憐な淡い桃色が心を躍らせる。スクリーンショット (1915)スクリーンショット (1908)
またここは凧揚げが許されている数少ない場所のひとつ。数十メートル上空を大きな凧が優雅に泳ぐ様を観賞しつつ、芝生エリアでピクニックを楽しむこともできる。そのほかにも模型船池、大型遊具、ジョギングコースなど、とにかく一日たっぷり遊ぶには最適。園内にはレンタサイクルの店もあり、沙田まで続くサイクリングロードと繋がっているので、公園でのんびり過ごしたあとに自転車に乗って風を感じるのもまた一興だ。スクリーンショット (1909)スクリーンショット (1910)

大埔海濱公園
行き方:MTR大埔墟(タイポーマーケット)駅からK17バス
などで約10分

Pocket
LINEで送る