精霊が宿る木 細葉榕 −ガジュマル−

2022/11/02

スクリーンショット (2279)123香港市民に愛される巨木
日本では一般的にガジュマルと呼ばれる「細葉榕(サイイッヨン)」。香港の街中には樹齢100年を軽く超える細葉榕の巨木があちこちに生えている。コンク
リートの壁だろうが石畳だろうが、堂々と根を張るその姿は、何ともたくましい。
鹿児島や沖縄などでもみられ、そこには可愛い子どもの精霊が住むのだとか。

別名「絞め殺しの木」!?
湿気の多い香港。枝から垂れ下がる「気根」と呼ばれる細い根っこは、空気中の水分をたっぷり吸いながら下に向かってぐんぐん伸びていき、地面に着くと今度は土から栄養を吸って一気に太くなる。強くなった気根は枝を支える役目も果たすが、その強さゆえ恐ろしいことも……。気根がほかの木に絡みついて成長し、ぎりぎりと締めつけてその木を枯らしてしまうのだ。このことから細葉榕は「絞め殺しの木」とも呼ばれている。

飲み込まれてしまった家
元朗にある「錦田樹屋(カムティンツリーハウス)」は、その生命力の強さで家を完全に飲み込んでしまった巨大細葉榕。この土地に建っていた家の最後の住人が退去したあと、隣に生えていたガジュマルがそれを徐々に飲み込み、やがて家屋は廃墟となって朽ち果てたが、細葉榕はその後も益々成長しこのような巨木になったのだとか。in text

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