奇跡のような秘境を訪ねて「長白山」

2023/01/04

冬季シーズンの旅行といえば、近年若者に人気のある場所、それが長白山だ。昨年11月の統計によると、12月の長白山と周辺のホテルはすでに予約がいっぱいで、1～3月に長白山への旅行を計画する場合は、2～3ヶ月前に予約しなければならないほど。長白山が人気を集めている理由は、神秘的な天池のほか、いくつかのスキー場、天然温泉、トレッキングコース、樹氷などの目を疑うほどの美しい景観が挙げられる。
同景勝地は吉林省南東部に位置し、北朝鮮に隣接する。ここは国家AAAAA級観光地であり、主峰の白頭山は白色の岩肌と積雪が多いことから名づけられ、「千年積雪万年松、直上人間第一峰」のように最も美しい場所とたたえられている。また、現在は休火山の長白山だが、はるか昔の火山活動により、長白山から天池までのすべての地形が作られたそうだ。これにより、雄大な長白山の峰々の中にたたずむ天池はまるで美しい玉のように見える。

神秘的な天池
天池は長白山の主峰の火山頂部（海抜2189.1m）に位置し、長期間を経て水がたまり湖になった。ここは中国で最も標高の高い火口湖であり、松花江、鴨緑江、図們江の始まりでもある。
この地にはある美しい伝説が語り継がれてきた。天池はもともと天の仙人の宝鏡で、この仙人が化粧を施している間にうっかりその鏡を落としたことによって、美しい天池が形成されたという。そのほか、大昔に天池の妖怪を見た人がいたが、今まで足跡が見つからなかったため、国内外の多くの探検家や生物学者が考察に訪れたそうだ。

氷と雪の世界
アクセスしにくい場所には、絶景がよくあるが、長白山はスイスやカナダと同じように、世界で最も有名な「氷雪黄金緯度帯」に位置する。規模は20万㎡、垂直落差1,000m、7.5kmの天然スキー場など、レベルに合わせ選択可能な大型スキー場は7ヶ所以上あり、現在も新しいスキー場が続々と開発されている。

温泉でリフレッシュ
中国国内で最も完全な状態で保存されている火山として、ここでは天然の贈り物である温泉を堪能できる。長白滝の北側900m以内には、何百ヶ所という多くの温泉がある。岩の隙間から湯気がたつ様は、まるで群竜が水を噴くようでもある。冬の間は温泉の周りは雪が降るが、温泉の熱により周辺は熱気に包まれる。同温泉はもともと「神水」と呼ばれており、硫化水素、亜鉛、リチウムなどのさまざまな成分が含まれているため、その周囲の岩は澄んだ赤色やエメラルドグリーンに輝く。人々は、温泉で寒さを追い払うほか、病気や疲労を取り除き、血液循環や新陳代謝を促進させる名目でここを訪れる。

樹氷ラフティングツアー
ここでは冬になり、特に気温が－20℃以下になると、霧氷や樹氷が表れる。この神秘的な風景を見に、ラフティングツアーがもはやこのスポットのアクティビティとなった。晴れた日にボートの上から、夕陽の赤と樹氷の白のコントラストを観賞すれば、言葉にならぬ感情がこみ上げる。しかし、天気に左右されることもあり、運を味方につけなければならない。

朝鮮族の延吉美食
長白山を楽しんだ後は、近くの延吉へグルメツアーを体験することができる。延吉は吉林省延辺朝鮮族自治州の州都で、中国、ロシア国境からわずか60kmしか離れていない。延吉人の多くは朝鮮族で、彼らは徳崇礼を尊び、歌や踊りも上手だ。同地の美食は、キムチや味噌、マッコリなどの韓国料理の要素を多く含む。さらに漢族の食文化も融合し、延吉美食へと発展した。
東方水産市場と西市場は地元のグルメ市場で、朝5時にオープンし、地元の風土や人情を体験することができる。朝鮮族の民俗文化を感じたいなら、朝鮮族の衣装を着て民俗園で写真撮影もおすすめ（服装レンタル100元/日）。