【ヘルパー】子育て家庭にはありがたい制度

2024/05/20

小さい子どもがいる家庭では必須
ありがたいヘルパー制度を利用しよう

50785_m 日本人にはあまり馴染みがない習慣だが、共働き夫婦の多い香港では外国籍のヘルパーと雇用契約を結ぶ家庭が一般的。ヘルパーの国籍でもっとも多いのが20万人以上いると言われるフィリピン人、ついで14万人以上のインドネシア人だ。小さな子どもがいたり、お年寄りの介護が必要な家庭は、ヘルパーに助けてもらうことで生活がかなり便利になる。下記で雇用契約や労働条件について確認しよう。

ヘルパービザの審査基準
＜雇用主＞
・月収HKD15,000以上の十分な収入または資産があること
・香港居住者（香港IDカード保有者）であること
・イミグレーション指定の雇用契約書（ID407）をヘルパーと締結すること
・プライバシーのある居住スペースと宿泊設備をヘルパーに与えること
・ヘルパーに対して第三者の下での就労依頼や就労許可をしてはならない

＜ヘルパー＞
・雇用契約書に基づいた雇用主の家事業務のみを行うこと
・雇用契約書内に記載された雇用主の自宅に居住し働かなくてはならない

また、雇用主とヘルパーの両方に法律違反や契約違反などの履歴がないことが求められる。

最低賃金について
23年9月以降、人件費の高騰や景気の影響を受け、最低賃金はHKD4,870に改定された（以前まではHKD4,730）。その他、HKD1,121以上の食費手当が必要となる。また雇用主は契約締結時にビザ申請費、保険加入、航空券代（入国・出国）などを支払う義務がある。

契約の流れ
Domestic helper_1-2page article-02
ヘルパービザを持っている場合（現在の雇用主との契約満了を迎える人）は契約終了日の4週間前から新たなヘルパービザを申請可能。また、雇用主の帰国や大きなトラブルがなく途中で契約解除となる場合は、ヘルパーは一時帰国し、上記の「ヘルパービザを取得していない場合」の手順で再度ビザを申請する必要がある。これら書類の煩雑さや、イミグレでのやり取りから、ヘルパーを雇う手続きにはエージェントを介するケースが多く、費用はおよそHKD4,000ほど。

契約解雇時の注意点
＜1カ月前通知が基本＞
解雇日の1カ月前に通知をして解雇を知らせる方法か、1カ月分の給与を支払い即日解雇する方法がある。ヘルパーも同様に、1カ月前通知もしくは1カ月分の給与を支払うことで雇用契約の破棄ができる。雇用主は解雇日から7日以内に雇用契約解除通知書（ID407E）をイミグレに提出する必要があり、ヘルパーは解雇日から14日後にヘルパービザが失効する。

＜給与は日割り計算＞
契約満了時や解雇時の給与や手当（母国への交通費など）は、雇用最終日から7日以内に支払うことが義務付けられるが、ヘルパービザの期日が雇用契約終了日となることが殆どであるため、通常は雇用最終日に支払う。

＜退職金（解雇手当・長期勤続手当）＞
同じ雇用主のもとで2年以上就労し、家庭の事情などにより解雇または契約更新しなかった場合、解雇手当の支払いが必要となる。
また、同じ雇用主のもとで5年以上就労し、ヘルパーの違法行為や家庭の事情以外の理由で解雇または契約更新しなかった場合、長期勤続手当の支払いが必要。

月間給与（食事手当を含む） × ⅔ × 勤続年数　＝解雇手当、長期勤続手当

＜未消化の有給について＞
ヘルパーが有給を未消化の場合、雇用主は有給日数分を買い取る必要がある。ヘルパーが取得できる有給休暇は1年目と2年目は就労完了日に7日間で、それ以降毎年1日ずつ増え、最大14日間までとなっている。 27774486_m