香港サッカー 藤本雄基選手がミャンマーのマグウェFCに移籍

2014/07/23

2014年の1月から5月まで香港1部リーグの元朗FC(ユンロン)でプレーしていた藤本雄基が、ミャンマーナショナルリーグのマグウェFCに移籍した。

彼の元朗FCへの入団経緯は本コラムの第24節(PPW2月第4号)で書かせて貰ったが、元朗FCでは様々な要因により充分な出場機会を得る事が出来ず、5月末日付けの契約満了を迎えていた。

彼自身は短期契約の中でアピールして、元朗FCとの契約延長か香港の他のチームへの移籍を目指していたが、出場機会が少なければ関係者の目に留まる事もない訳で、帰国を免れない状況に陥っていた。

藤本雄基  藤本雄基選手 マグウェFC

いくつかの試合で起用された時の映像を編集して動画投稿サイトに投稿。英文の履歴書にも香港での経歴を加筆して、東欧やアジアのチームにメール添付で送り付ける準備をしていた。

同時に筆者の交流範囲のプロサッカー関係者にも情報提供を呼び掛けて、次のプレー機会を模索していたところ、ある現役選手からの情報でバンコクを拠点に活動している代理人の紹介を受けたのだ。

「ミャンマーのあるクラブが攻撃的な中盤のアジア人選手を探している。」

最初の情報はこれだけ。この代理人についてもニックネームしか分からなかったが、このまま日本に帰る前に動画と履歴書だけは見てもらおうと、指定されたアドレスに送信した。

彼は香港の滞留ビザが切れるタイミングで、日本の家族への手土産と僅かながらの身の回り品の荷造りを終え、東京への片道航空券を購入して帰国の準備を整え、香港でお世話になった方々への挨拶も済ませていた。

彼の動画をミャンマーのチームに見せた代理人から連絡があったのは、東京へのフライトの前日だった。

「ミャンマーのチームに合流して欲しい。航空券代と滞在費はチームが負担する。」

その翌日にチームからの招待状と航空券がメール添付で届き、そのまま荷造りを済ませていたスーツケースを持たせて香港国際空港に送り出した。

経由地のクアラルンプールで一晩を明かし翌朝ヤンゴンの空港に到着したのだが、チームが用意した書類の不備で入国できず。やむなくクアラルンプールに戻って滞留ビザを取得して、ヤンゴンで入国するまでに2日を要したりはしたが。

チームに合流した彼を待ち構えていたのはトライアルだった。ミャンマーの移籍市場が閉まる直前という事もあり、トライアルには別の代理人手配の日本人選手も参加していた。その選手の名前を聞いて驚いたのは筆者だった。面識があり応援している選手だったからだ。

その後数日間のトライアルを経て藤本雄基はマグウェFCと契約を結んだ。ミャンマーのリーグ戦が終了する9月末日までの短期契約ではあるが、香港の時よりはるかに良い条件をチームは与えてくれた。

ミャンマーではアジア人選手枠がきちんと設けられているので、この枠で登録された彼は試合への出場がほぼ確約されていると言って良い。既にリーグ戦とカップ戦に出場しており、彼本人も手応えを掴み始めている。

藤本雄基は僅か半年で香港を去ったが、彼のプロサッカー選手としてのキャリアはアジアで続いて行く。香港では僅かに1ゴールという結果しか残せなかった事を材料に、広くアジアで奮闘し続けてくれる事を願っている。

≪つづく≫

         文/池田宣雄(香港サッカー協会 賛助会員)

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