PPWおすすめ映画「夢と狂気の王国」

2014/08/06

夢と狂気の王国

テレビやDVDなどではジブリのドキュメンタリー作品は数々あったが、「スタジオジブリを題材にドキュメンタリー映画を作る」そう考えた人は誰もいなかった。しかし、今回それを実行したのは砂田麻美監督。一昨年、ガンを患った自身の父親の最期に迫ったドキュメンタリー作品、「エンディングノート」で一躍脚光を浴びた若き女性監督だ。

「スタジオジブリ」のカギとなる人物「宮崎駿」、彼の先輩であり師匠である「高畑勲」、そしてふたりの間を猛獣使いのごとく奔走するプロデューサー「鈴木敏夫」の3人をおよそ1年の時間をかけて追っていく。観客、世界の映画関係者、アニメーションの担い手たち、様々な人々に多大な影響を与え続けてきたジブリの功績は、この天才たちによって紡がれている。

高畑と宮崎が出会ったのは、「風の谷のナウシカ」制作よりはるか以前の今から50年前。鈴木が合流したのは30数年前。長期にわたり苦楽を共にしてきた彼らの愛憎、そして創作の現場として日本に残された最後の桃源郷ともいえる“スタジオジブリ”の夢と狂気に満ちた姿とは…。

「風立ちぬ」(宮崎駿監督)と「かぐや姫の物語」(高畑勲監督)を制作中のジブリに広がる光と影に満ちた日常を通じて、彼らの細やかな表情までを捉え、スタジオの“今”を映し出した、砂田麻美監督。前作で数々の新人監督賞を受賞した彼女が伸びやかに描く、唯一無二のスタジオジブリの新たな物語となっている。

「夢と狂気の王国」
8月9日公開
監督:砂田麻美
出演:宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫

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