PPWおすすめ映画「TAXI」ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品

2015/05/26

タクシー現代イラン社会の厳しい現実を映した「チャドルと生きる」「オフサイド・ガールズ」で数々の賞に輝いたジャファル・パナヒ監督の最新作「タクシー」。監督自身が運転するタクシーにカメラを設置し、乗客との会話を通してイラン文化を浮き彫りにした同作品は、イラン国内のさまざまな問題を鋭くえぐり出したとしてベルリン国際映画祭で金熊賞に輝いた。同氏は前作でイラン現体制を批判したとされ政府による国内軟禁状態が続いており、授賞式には同氏の姪が登壇するエピソードも世の映画関係者に衝撃を与えた。
「私の身に起こった数々の不条理を差し引いても、私は自分自身がイラン人であり、国内に留まり、国内で働きたいと考えていることをもう一度声高く唱えたい。私は国を愛している。そのために労力を割いてきたし、これからもそれは変わらない。もう1つ、私は隣人が自分と違ってよい権利を持っていることを信じていることも宣言したい。理解、尊敬、寛容さを深く信じている。」と同氏は語る。イランの首都テヘランを舞台に、一般市民の目線から見える社会を描いた同作品。イランのうねりに触れてみてはいかがだろうか。
タクシー(TAXI)
5月28日上映
監督:ジャファル・パナヒ

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