カンボジアの交通機関。ライター「岡 克哉」

2015/07/21

プノンペン

「世代交代か?プノンペンで市内バス運行開始」

 

トゥクトゥク公共の交通機関がなく、市内移動はトゥクトゥクかバイクタクシーが主流だった首都プノンペンに新しい風が吹いた。今年3月、市内バスサービスが開始されたのだ。運行当初は時間通りにバスが着かない、渋滞でバスのスピードが遅いなどの声があったが、女性を中心に少しずつ利用者が増えてきている。その理由は「エアコンが効いていて涼しい」、「日焼けしない」、「化粧が落ちない」、「髪型が崩れない」となんともカンボジアらしい。それに料金は一律1,500リエル(約40円)でトゥクトゥクやバイクタクシーより安い値段で利用できるのも魅力のようだ。

とは言え、バス利用者はまだ一部に限られ、トゥクトゥクやバイクタクシーが主な移動手段であるのは変わりない。大人数での移動や、市場の買い付けはトゥクトゥクが便利で、渋滞のときはバイクタクシーの方が早く目的地へ着ける。街中で響く大きな客引きの声や、日陰でトランプに夢中になり仕事そっちのけで賭けをするドライバーの姿は、良くも悪くもカンボジアを代表する光景の1つではないだろうか。

市内バス運行から半年、好評な結果を受けバス路線が増設され、より広範囲の移動が可能になった。少しずつ高まるバス人気に、今まさに移動手段の世代交代が訪れている。何年か先、市内バスが定着しプノンペンの交通事情は、大きく変わるであろう。トゥクトゥクドライバーのあの街中で聞こえる客引きの声「トゥクトゥク!」が聞けなくなると思うと、どこか寂しさを感じる。このまま簡単に世代交代を許してしまうのか?今まで街の足を担ってきた彼らの意地を見せて欲しい。

バイクタクシー

ライター:岡 克哉
http://www.krorma.com
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