小池一馬個展「Eclipse」香港仔のアートスペース「AISHONANZUKA」で開催

2016/01/11

アート3繊細なドローイングや、絵の具を立体的に使う技法、空間全体をアートとして描き出すインスタレーションなど、独特の世界観を作り出してきた小池一馬氏の個展が、香港仔(アバディーン)のアートスペース「AISHONANZUKA」で開催中だ。展覧会のテーマは「Eclipse(満ち欠け)」。時が繋がり、「今」が変化して「未来」となる様子を同氏独自の手法でユニークに描き出す。
1980年に神奈川で生まれ、86年から92年までアルゼンチンのブエノスアイレス、95年から98年までスペインのバルセロナで過ごしたという小池氏。描き出すアートの数々は繊細さの中にも華やかな色使いが垣間見え、どこかラテン的な雰囲気を感じさせるが、仏像に覆い重なるように配置された植物や果実、幾何学模様は作品の中に一定の緊張感をも生み出している。その独特の世界観に魅せられてファンになったという人も多い。
ペインティング、水彩、立体、映像などの素材を活用し、それぞれを巧みに配置して得られる奇妙な「静けさ」を描いた作品を展示しているという同展覧会。「過去に同じ仏像を寺と博物館、両方の場所で見たことがある。寺では正面からしか見ることが出来なかった仏像も博物館では明るく近寄ってみることができたが、博物館で見る仏像には宗教的な意味が薄らいでいた。そこに表現の可能性を感じる」と語る同氏。意味や記憶が無化された遺物や情景にみる静けさは、過去だけでなく未来まで示しているそうだ。アート1
開催場所となる「AISHONANZUKA」は所属アーティストをプロモーションする「プライマリーギャラリー」を日系として香港で初めて根付かせたギャラリースペース。日本で6年間画商として腕を磨いた三浦愛正氏が2014年にギャラリーオーナーのシンジナンヅカ(南塚真史)氏と協同でオープンしたという同アートスペースは、10万円程度の若いアーティスト作品から1,000万円以上のベテランアーティスト作品まで手がけており、展示内容は幅広い。
日常で目にする「背景」を描き出し、独自のニュアンスでモノとヒトの関係を描き出す小池氏の展覧会。その繊細な芸術の調べを感じる一日にしてみてはいかが? アート4

Kazuma Koike “Eclipse”
2月6日まで
場所:AISHONANZUKA (13A, REGENCY CENTER phase1, 39 Wong Chuk Hang Rd.)
時間:火~土 12:00~19:00(日、月、祝日休み)
ウェブ:http://www.aishonanzuka.com/18_kazumakoike.html

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