香港はみ出し情報 番外編「Pokémon Go」

2016/08/09

香港人もすっかり夢中の「Pokémon Go」    空前絶後の大ブームの陰には多くの懸念も?

Pokémon GO7月初めにオーストラリアやアメリカからスタートしたリアリティスマートフォンゲーム「Pokémon Go」。このゲームではGPS機能とカメラを使って、あたかも目の前にポケモンがいるかのようなリアルポケモンワールドを楽しむことができる。ポケモンはゲームとして初めて世に出たのが20年前だが、いまだに新しいゲームの発売やアニメの放送が続いてるとあってファンの年齢幅はかなり幅広い。日本だけでなく世界に拡大したその人気はファンをさらに莫大な数にし、結果、現在の「Pokémon Go」旋風は生み出された。子供時代をポケモン無くしては語れないという人も多い中、現実の世界でのポケモンゲットというのはまさにずっと夢見てきた体験だろう。

そんな「Pokémon Go」が香港でリリースされたのは7月25日のこと。7月2 2日にリリースされた日本に続いてアジアで2番目の国となった。当然ポケモンは香港にも多くのファンを持ち、リリースされた日から香港人はすっかりポケモン探しに夢中になっている。が、現実世界とポケモン世界はそう簡単に混じり合うものではない。ポケモン世界とは違って障害物やルール、Pokémon GO危険も多い現実世界では、「Pokémon Go」に意識が捕らわれるあまりトラブルに巻き込まれる可能性がとても高いのだ。実際すでに世界中で「Pokémon Go」に関連する不法侵入や交通事故が何件も起こっており、香港警察や各施設も香港市民に対して注意を喚起している。特に病院や宗教施設など、本当に困っている人や真剣にお祈りをしている人がいるような場所では敬意を持った行動が求められている。またこういったトラブルが起こる原因は人々の不注意だけでなく、「Pokémon Go」の人を集めてしまうという特徴にもある。というのは、特定のポケモンが集まる「ポケモンの巣」やモンスターボールなどのアイテムが得られる「ポケストップ」、特定のポケストップで誰かが使用することで30分間周囲の人も同様にポケモンを呼び集める効果を得られる「ルアモジュール」などの存在だ。最近昼夜問わず人が多く集まっている場所があると不思議に思っているなら、こういった「Pokémon Go」の従来のゲームとは違った機能がその答えである。香港では天水圍(ティンシュイワイ)の公園や銅鑼灣(コーズウェイベイ)のタイムズスクエアに多くのポケモントレーナーが集まっているそうだ。

このように前代未聞のブームの陰に多くの懸念も見られる「Pokémon Go」だが、ショッピングモールなど人を集めたい施設にとってはむしろ好都合と言えるのではないだろうか。中には意図的に前述の「ルアモジュール」を使用しているお店やショッピングモールがあったり、ゲームをプレイするために必要なインターネット接続をフリー無制限データという形で提供する携帯会社があったりと、「Pokémon Go」を絶好のビジネスチャンスとして捉えている人も少なくない。Uberなどの個人タクシーサービスだと、道行く人の注目を集めるために、ポケモンに関連したプロモーションやアクティビティも行っているという。すでに警察が「Pokémon Go」に対して懸念を示し、目を光らせる状況に陥ってしまったが、今後はくれぐれも迷惑行為や事故を引き起こさないよう気をつけ、「Pokémon Go」が健全で楽しいゲームであることを願う。とはいえ、ここは一か月で新しいモノのブームが過ぎ去る香港。めったに一つの新ブームに執着することはないといわれる香港人だが、今回の「Pokémon Go」はどうなるか注目したいところだ。もしかするとこの記事を読むころには周りに「Pokémon Go」をプレイする人などいなくなっているかもしれない。別の新しいおもちゃが現れて「Pokémon Go」を超える嵐を巻き起こしているかもしれない。いずれにせよ「Pokémon Go」はトラブル、ビジネス、香港人の動向と、しばらくは話題のネタを提供してくれる、そういう意味でも面白いゲームのようだ。Pokémon GOPokémon GO

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