香港中文大学図書館でカンフーに関する展示会を開催

2017/01/09
カンフー

Wong Hon Fan師範による2本のサーベルを使った”six harmonies”のデモンストレーション

香港中文大学図書館は2月28日まで、中国武芸の蟷螂拳(とうろうけん)の師範、WONG Hon Fan氏をフィーチャーした展示会を開催している。会場では家族の提供により、カンフーと蟷螂拳の振興に人生を捧げた先駆者であるWONG Hon Fan氏の貴重な資料が展示されている。

20世紀初頭、中国は西の大国達の翻弄に遭い、国家と人々のプライドは、傷ついた状態にあった。不遇の時代のなか、中国コミュニティの中では武芸の習得によって身体をより強化する動きが広まっていき、1909年初め、中国武芸のマスターであるHUO Yuanjia氏、CHEN Gongzhe氏, LU Weichang氏などの尽力によって武芸の振興と、身体と精神両方の鍛錬を目的としたChin Woo Athletic Association(Chin Woo)が設立された。

カンフー

“hill-climbing stance”の姿勢で右手の突きを行うWong Hon Fan師範

WONG Hon Fan氏はそこで著名な武芸家であるLUO Guangyu師範に学び、自らも蟷螂拳の師範となって40年の長きにわたり同団体で武芸の指導に従事することになる。蟷螂拳とはその名の通り獲物を狩るカマキリの動きにヒントを得た中国武術の一派であり、彼はその指導に携わる間、蟷螂拳を通して中国文化の再活性化運動の中心人物として活動し、中国武芸の健全な発展に寄与した。蟷螂拳の実技、理論に関する30以上もの著書を執筆し、香港で蟷螂拳を学ぶ学校を設立することにも関わるなど、彼がその振興に果たした役目は非常に大きいものだ。

今回の展示では、当時の写真と共に、WONG Hon Fan氏がどう学び、どう教え、どういった著書を出版したのか展示しており、彼の功績と中国武芸の概況を知ることができるのに加え、激動の時代の中、中国武芸の行者達がどのように鍛錬を受け継ぎ、ゆるぎない系統を築いてきたのかを学ぶことができる。

カンフー

Wong Hon Fan師範と弟子に よる剣を使った実技の様子

なお展示会と共に、中国武芸に関するワークショップも同時に開催され、誰にでも参加可能だ。格闘ゲームのキャラクター、ブルース・リーやジャッキー・チェンのカンフー映画でもお馴染みの蟷螂拳。興味のある方はぜひ会場を訪れてみて。

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ブルース・リーの著書「The Tao of Gung Fu」にもWong Hon Fan師範の蟷螂拳が登場する

Praying Mantis School Master WONG Hon Fan and the Martial Arts Revitalisation Movement
会場:Exhibition Area, University Library, CUHK
開催期間:~2月28日まで
入場無料
ウェブ:www.lib.cuhk.edu.hk/
問い合わせ:(852)3943-8740、(852)3943-7305

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