風水の奥義を行く! 第62回 私が生まれた理由、の巻

2017/04/12

中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

風水が生まれた理由

「風水が生まれた理由は何でしょうか?」

587 風水
先日、ある学生さんにこう聞かれました。風水が中国でなぜ生まれ、香港でどうして広がっていったのか?と。孟意堂は迷わずこう答えました。
子孫繁栄。
古(いにしえ)の人達の心は偉大です。自分の目の前に起きている出来事や私利私欲よりも、子孫をどう安定させ一族をどうやって繁栄させるかをまず優先させていたのですね。皆さんだったらそのためにどんな仕掛けをしますか?
古の人たちは「祠堂(しどう)」と呼ばれる霊廟を建て、それを大切にしていったのです。素晴らしいエネルギースポットにその子孫を繁栄させるような仕掛けをすれば、子孫だけではなくその町や村が安定し繁栄していく、そう考えられていたのです。

祠堂パワーはすごい!

風水には人々が生活したり活動する「陽宅(ようたく)」とご先祖様やあの世に行った方々が住む「陰宅(いんたく)」があるのはご存知かと思います。
陰宅風水の方が陽宅風水よりも影響力が高く、そのため陰宅風水の方が長い歴史の中では重要視されてきました。

昔の中国には、○○家のお墓を目茶苦茶にしたからXXの戦いで勝てたとか、祖先のお墓を○○山のエネルギースポットに祀ったから子孫の中にすごい将軍が生まれた等、陰宅風水にまつわる多くの話があります。
香港でも【玉女拜堂】、【仙人大座】、【半月照潭】、【金鐘覆火】、【荷葉拔龜】、【狐狸過水】等とネーミングの付いたエネルギースポットのあるお墓は惚れ惚れするほど素晴らしい陰宅です。元朗や大埔、錦田、西貢等のエネルギースポットには香港角界の多くのご先祖様が眠っています。
陰宅では、火葬よりも土葬の方が風水の効果が高いため、現在も香港や中国には土葬の習慣が残っています。その時代の風水師に依頼をし、その時代のとびきりのエネルギースポットにお墓を建て、それと同時に素晴らしいエネルギースポットに祠堂を定め、先祖の魂が宿るお位牌をそこに納めていきました。今から700年以上前に元朗に建てられた鄧氏祠堂。その後鄧氏一族がこの香港内に50万人以上存在していることと鄧氏
祠堂とは無関係ではないはずです。
しかし、火葬が一般的になり、祠堂は「ヘリテージ」と呼ばれるように過去のものになりつつあります。ご先祖様が旅立った時に巡ってくる、この人生の大チャンスを多くの方々が逃しているのです。

孟意堂的陰宅風水の奥義

風水の究極のキーワードに「感応」という言葉があります。
土に埋葬された肉体は地面のエネルギーとその時の天のエネルギーを受け不思議な化学反応を起こします。その不思議なエネルギーは、どうやら血を分けた子孫にだけ感応するようです。
孟意堂の中学校のすぐ近くに祖父母のお墓がありました。学校の帰り道にそのお墓に行くことがよくありました。高校受験の頃でした。お墓の前で頭を下げると何となく誰かに頭を撫でてもらっているような、「もっとがんばれよ」とエールを送ってもらえるような気がしていたのです。その頃は誰にも言えませんでしたが、きっとこれが「感応」の一つなのだろうと思います。
祖先の肉体が眠るお墓と魂が眠る祠堂は、自分の土台のように大事なものです。
両親がいなかったら自分は生まれてこないし、祖父母がいなかったら両親は生まれてきません。祖父母もその両親がいなかったら生まれて来なかったのです。それはどんな親でも、どんな祖先であっても、です。
彼らが亡くなった後、勿論無言ではありますがさらにパワーアップして子孫に無償の愛を与えているかのようです。それに我々が気づき感応できるかどうか、これがズバリ陰宅風水の奥義です。

彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド•ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。

孟意堂 
<問い合わせ先>
住所:Rm. 2201, Tower 2, Times Square, 1 Matheson St., CWB
電話:(852)9841-6366
ファックス:(852)2961-4800
電子メール:kumiko6ring@gmail.com
ホームページ:http://mannidou.com
フェイスブック: mannidou

Pocket
LINEで送る