僕の香妻交際日記 第26回「ジャッキー・・・ジャッキー・・・」
私は大学生の頃から(だけ)、ルーシーと呼ばれていましたが、同じハリウッドスターでも香港ではルーシーよりもジャッキーの方がよく知られています。ただ、私はジャッキーと違って、毎朝家を出る前には必ず妻(まだ寝ている)の元へ駆け寄って「行ってきます」と囁いてから家を出る優しさを妻に見せています。
そんな愛妻家の私の囁きに妻も夢半分ながら「キヲツケテ」「ガンバッテ」などと声を振り 絞って応えてくれます。このように私は妻の励ましに元気をもらいながら日々出勤しているわけなんですが、そんな妻の励ましに最近異変が生じ始めたのです。
どんな異変かというと、私の囁きに対してなんと「ジャッキー…ジャッキー…」と妻が返すようになったのです。ジャッキー!?
それも一度だけではなく、最近二度三度と「ジャッキー…ジャッキー…」コールをするようになったのです。
ルーシーならまだしもジャッキーコールが頻繁に行われると、ルーシー派の私としては 黙ってはいられません。そういうわけで、その後ジャッキーコールがある度に、夢半分の妻を起こしその真相を聞 いてみると、ようやくルーシーコールが起こるわけがない理由が分かりました。
1. ジャッキーの正体その一「ジャケッ…ジャケッ…」
今日は寒くなるという昨晩の天気予報が脳裏に強く刻み込まれていた妻の「ジャケットちゃんと着なさいよ」というただの忠告でした。
2. ジャッキーの正体その二
「ジョギン…ジョギン…」明日の朝からジョギングを始めるからという私の発言が強く脳裏に刻み込まれていた妻の「ジョギング行ったの?」というただの確認でした。
3. ジャッキーの正体その三
「ジャッキー…ジャッキー…」
今日は友人のジャッキーさんとランチに行ってくるという情報を私に伝え忘れていたため必ず伝えなきゃという想いが強く脳裏に刻み込まれていた妻の「ジャッキーさんとランチ 行ってくるよ」というただの報告でした。
ちょっとした聞き間違いから誤解が生じることはよくあります。
気の知れた仲の夫婦とは言え、どんな時でもしっかりとコミュニケーションを取ることがいつまでも夫婦円満でいるための秘訣なんだと私は思います。
「見なくたっていいんですよ、こんなの。ねっ?あなたのこと見ながらだってできるんだか ら。ほら、大三元。」
雀鬼(ジャンキ)桜井章一、よろしくお願いします。
ではでは。
ルーシー龍(りゅう)
香港人妻との結婚歴3年目の日本人。沢木耕太郎の「深夜特急」を読んでチョンキンマンションに憧れて香港にやって来る。趣味は早く家に帰って妻と一緒に TVBのドラマを見ること。