私設博物館「Liang Yi Museum」がハリウッドロードにオープン

2014/04/14

アンティークコレクションを身近に

Liang Yi Museum

数多くのアンティークショップがあることで有名なハリウッドロード（荷李活道）に「Liang Yi Museum」がオープンした。同館には、北京の故宮博物館、台湾の国立歴史博物館、そしてロンドンのゴールドスミス･ホールでの展覧会で展示品となった、香港が誇るアンティークのコレクションが常設されている。香港初となる非営利の私設博物館として、約2万平方フィート（約560坪）のスペースに数々の貴重な品が展示され、香港ならではの東西文化の融合が感じられる場所となっている。

世界でも最大規模の明・清朝時代の中国アンティーク家具コレクションを有し、1980年代から30年以上かけて収集された所蔵品は300点を超える。またこれらの展示品は定期的に入れ替えられるという。花梨（カリンと呼ばれる高級木材の一種）や紫檀（シタン）で作られた貴重な品々からは、現在は忘れられてしまった伝統的な家具作りを窺い知ることができる。

中国家具以外にも、ヨーロッパの有名ブランドであるカルティエ、ブシュロン、ヴァンクリーフ&アーペルなどによる装飾ケースやミノディエール（小さなパーティー用バッグ）のコレクションも展示されている。宝石が散りばめられた精巧かつ熟練の職人技が光るこれらの品は、かつては女性の夜の正装には必要不可欠だった。1880年代後半から1960年代に作られた400点余りの収集品の中には、イギリスのマーガレット王女や、香港の有名人アニータ・ムイが所有していた品も含まれている。

また同館は、1960年代に建てられた4階建ての物件を改装して使用。建物の正面は白と黒のタイルで装飾されており、これは当時の典型的なスタイルとなっている。最近はオシャレな飲食店の増加や家賃の高騰で昔の面影が薄れてきているハリウッド・ロードだが、この建物は輝かしい過去を思い起こさせる建造物のひとつとなっている。

館長のリン･ファングさんは「アンティークを斬新でインタラクティブな形で展示することにより、身近に感じ、過去への興味を持ってもらいたい。この希少な品々を地域や一般の人々に開放するのに、ハリウッド･ロード以外に最適な場所はないと思っている。」と語る。

貴重かつ美しい展示品を観賞しながら、古き良きハリウッド･ロードでの優雅なひと時を過ごしてみては。行かれる際は、予約をしておくのがベター。

Liang Yi Museum