僕の香妻交際日記 第45回 香港でお金のトラブルが発生したときの4つの心得

2020/01/08

先日、妻がふと私に聞いてきました。
「将来、日本に帰る気あるの?」と。

日本人夫を持つ香港人妻の苦労
香港に生活拠点を持ち、妻が香港人で夫が日本人の夫婦の場合、生活の主導権の99.999%は妻にあります。例えば、家を借りるとき、子どもの保険に入るとき、電気ガス水道の契約などのサインが必要とされるような場面では基本的に妻の名前が使われます。妻がいつもサインをする理由は彼女が現地人(香港人)だからです。もちろん夫である私がサインをしても全く問題ありませんが、広東語または英語の契約書を読むときやエージェントや大家とコミュニケーションを取るとき、日本人の夫ではめちゃくちゃ不安が残ります。そして何よりも何か問題が発生した時に日本人の夫ではまず解決ができません。
ですから自然と妻がサインをすることになるのですが、これは同時にすべての責任も妻が追うことになるということになります。契約書を入念に読むのも、先方と会話や交渉をするのも、問題解決をするのもいつも妻主導でやらなければならず、一方でとなりの夫はジャッキーチェンのようなスマイルで実は頭の中では何にも考えていないのが丸見えなので、妻からするとふとした時に何とも不公平に感じるわけなのです。

日本人夫を持つ香港人妻の不安
日本人の夫と香港人の妻の夫婦が年を重ねると、妻にのしかかる負担はどんどん増えていきます。妻にとって、将来、自分の双肩にのしかかる重荷が増えることは目に見えて明らかなのです。
それでも、香港で生活する限り日本人の夫にはどうしても頼ることができないのは、どうやっても夫が信用ならないからです。そもそも夫という生き物自体が信用ならないものであるのに、その上それが香港で働く日本人とあらばなお使い道がありません。ジャッキースマイルしかできない夫に何かを任せれば任せるだけ妻の不安はむしろ倍増する結果になるので、それなら自分でやってしまった方が早いと考えてしまいます。ただ、ふとした時にそんな生活が一生続くのかと考えると、時折とてつもない不安に駆られてしまうのが妻の本音です。

香港人妻を持つ日本人夫の考え
では香港の暮らしに慣れてしまった日本人の夫は将来についてどう考えているのでしょうか。日本に戻ってまた新しい生活を始めるプランはあるのでしょうか。
私の回答はノーです。
香港人の奥さんが香港での生活にこんなに苦労して将来への不安も抱えているにもかかわらず、その夫の回答はノーだなんてそんな自己中な態度にイラっとした読者の方もいたかもしれません。
実際に私がノーと妻に伝えたときも妻は明らかに落胆していました。
でももうちょっと私の話を聞いてください。
今私たち夫婦にとっての最優先事項は1歳半になる娘のことです。彼女が日本の教育を受けようとすると、香港の日本人学校は中学校までしかありません。つまり高校入学時に日本へ戻るか他の国の日本人高校に行くかしなければならず、インターやローカル学校に編入しない限り香港に残る手段はありません。私も妻も大学に入るまでは娘と一緒に暮らすという意見は同じなので、娘が日本の高校に行くとなれば家族一緒に日本に移住することになります。
おい、さっき日本に帰るプランはないって言ってたじゃねえかとツッコみたい読者の方もいたかと思いますが、日本に帰るべき理由があれば潔く帰るというのが私のスタンスです。自分の都合で香港にしがみつこうとはしません、今もこれからも私にとっての最優先事項は家族です。
しかし、考えてみてください。娘が日本の高校に入学するのは2034年の春。あと14年先の話です。
だから私は妻にこう答えました。

「日本に帰る気はない。でも香港で今の状態のままのらりくらりと生活を続ける気もない。香港にいる限りは絶対に香港ドリームを叶える。叶わなかったら潔く日本に帰って働く。でもここで夢が叶うかどうかを判断するのに14年も待つ必要はない。あと3年、オラに時間をくれ」と。

 


ルーシー龍(りゅう)ルーシー龍
香港人の妻と香港と日本のハーフの娘と一緒に暮らす日本人。狭くて広い香港で何とか一花咲かせようと企みながら早6年。座右の銘は「生きろ」。

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