関西弁超訳論語「思いやり編」日本語学校(八田真太)
論語 第三章ノ七
『君子は争い事でも思いやりの心で人と譲り合うんや。』
(原文)
子曰、君子無所爭、必也射乎、揖譲而升下、而飮、其爭也君子。
(中国語現代文)
孔子说:“君子不与人争,如果有,只是比试箭法。上场前互相作揖谦让,射完下场饮酒,其争也是君子之风。”
(書き下し文)
子曰わく、君子は争う所なし。必ずや射(しゃ)か。揖譲(ゆうじょう)して升(のぼ)り下(くだ)り、而(しこう)して飲ましむ。其の争いは君子なり。
(心に沁みる大阪弁訳)
(孔子)先生は言わはった。「君子っちゅうんは何事につけても人と争うっちゅうことはせんもんなんや。争うっちゅうたら、弓の試合くらいやろな。お堂に上ったり、下りたりする時は相手に対してきちんとお辞儀して、お互いに譲りおうて、そんでもって勝負が決まったら、勝者が敗者に罰杯のお酒を飲ませる。争い言うてもほんま紳士的やん!」
(解説)
『弓の試合』今で言うなら『ゴルフコンペ』と言ったところでしょうか。ゴルフは『紳士のスポーツ』と言われるように競技中のマナーも大変重要なポイントです。ドライバーの飛距離がどれだけ凄くても、スコアがどれだけ良くても、他の競技者に対する配慮が欠けていたり、自身の飛距離やスコアを自慢するような人は周りから冷めた目で見られることでしょう。逆に飛距離やスコアが他の人より劣っていても、周りに迷惑をかけないでおこうと直向(ひたむき)にプレーしている人は周りから見ていても気持ちのよいものです。賭けゴルフも君子的なゴルフだとは言えないでしょうね。君子的なゴルフというのはドローの中で一番スコアが良かった人が「今日は皆さんのおかげでいいプレーができました!」そう言って、ラウンド後のクラブハウスで同伴競技者に一杯づつビールや飲み物をご馳走する。そんな『君子ゴルファー』が一人でも多く増えることを願っております。