風水の奥義を行く!続・水と生きる、の巻

2023/10/04
中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。
ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

第139回 続・水と生きる、の巻

◆とりあえず次に向かって動く◆
去る9月7日、香港にいる私たちは水の怖さを改めて体験しました。観測史上初めてと言われた大雨で道路は川のようになり、土砂崩れが起きた地域があり、人も住まいもダメージを受けました。しかし、香港のすごいところはその後です。翌朝には道路を塞いだ木の枝やゴミがよけられ、冠水したトンネルは再開し、多くの道路では何事もなかったように車が流れていました。とにかく行動が早いのです。打撃を受けた黄大仙ショッピングモールではその後大きな修理工事が行われましたが、その付近にある飲食店や小売店は普段通りの営業を行っていました。もちろん不満の声も聞こえましたが、不満ばかり言っていても前に進まないことをこの街の人たちはよく知っています。とりあえず次に向かって動き、動けることに感謝し、できることからやっていく。香港の人たちはまさに水の如し、さすがです。

◆五行の相生と相剋◆
ところで、風水と大きな関わりのある五行説では「木エネルギーから火エネルギーが生まれ、火から土、土から金、金から水、そして水から木がそれぞれ生まれる」こと、これを「五行の相生」と呼んでいます。AのエネルギーがBを生むので、耳障りが良く聞こえるかもしれません。何かが何かをサポートする、と言う意味ではもちろん良いことがありますが、実際の風水の世界では必ずしもそうとは言えません。
また、五行説には何かのエネルギーが何かを制する「五行の相剋」と言うのもあります。「木エネルギーが土エネルギーを剋し、火が金を、土が水を、金が木を、水が火をそれぞれ剋する」ことです。この剋することは一見良くないことのように見えますが、実際のところは必ずしもそうとは言えません。それどころかこの相剋にこそ五行説の大事な奥義が隠されています。
たとえば水エネルギーの場合を見てみましょう。自由自在に動くことは水本来の働きです。そのため、水が強くなりすぎて溢れてしまわないように、そしてスムーズに流れるように何らかの力でコントロールすることが必要です。河川の水位が高くなったときに氾濫しないように防波堤を作ること、ダムを作って流れをコントロールすること、標高の低い土地でも水はけをよくすること、こうした土エネルギーで水エネルギーを制することは「土エネルギーが水エネルギーを剋する」ということにつながります。

◆孟意堂風水的水と生きる奥義◆
しかし、実際のところ土エネルギーは本当に水エネルギーを制御できるのでしょうか?大袈裟な言い方かもしれませんが、治水は人類にとって一つの大きなテーマです。治水を行ったことで多くの水害の危険性は軽減されましたが、それでも新たな水害は次から次へと起こっているのですから。
ここでポイントとなるのが土エネルギーには「陽の戊(つちのえ)土」と「陰の己(つちのと)土」があることです。IMG_4457  田園の地に喩えられる己土の場合は、少量の水に対してはある程度吸収することでコントロールできますが、強い水がやってくると浜辺に作った砂の山のようにいとも簡単に流されてしまいます。その反面、山や大きな大地に喩えられる戊土の場合は上流にある小川の水を育み、土台をしっかりとさせることで河川が氾濫した際にも耐えられる力があります。そのため風水では大きな河川の水、つまり壬水には上手くコントロールしてくれる戊土を用います。河川が氾濫するように突然暴走したり周囲を驚かせてしまうようなことをしてもでんと構えている戊土は必要です。そして、戊土にも、その大地を潤しその地にいる生物を育んでくれる壬水を用います。相剋の関係なのにお互いを高め合うことこそが私たちが水と生きる奥義なのだと思います。


彦坂 久美子
<プロフィール>

名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド・ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。

孟意堂
<問い合わせ先>

Line ID: Mannidou2868

Line ID: Mannidou2868

住所:Unit B, 12/F.,Hang Seng Causeway Bay Building,28 Yee Wo St., CWB
電話:(852)9841-6366
メール:kumiko6ring@gmail.com
ホームページ:http://mannidou.com
フェイスブック: mannidou
公式ブログ https://ameblo.jp/manidou-fengshui

Pocket
LINEで送る