関西弁超訳論語「親への思いやり編」日本語学校(八田真太)

2015/07/14

心に沁みる大阪弁訳

原文 現代中国語訳 日本語現代語訳

孔子

 

あんたの親への思いやりもようわかる。

せやけど、あえて言わへんのも思いやりやで。

 

 

「僕はこれを学んだ!」

この世で不幸なことの一つは自分の親兄弟姉妹といがみ合っていることでしょう。他人との諍(いさか)いの原因の多くは損得ですが、自分の親兄弟との諍いの原因はやっかいなことに『お互いへの思いやり』が殆どです。親の言葉は子供にとって耳が痛いものです。同じ言葉を上司や先輩、友人に言われるよりも辛いものです。それは子供は「親は絶対的な味方だ」と考えているからです。その味方からの忠告は堪えます。そして反発したくもなります。逆に子供が親に言う忠告、例えば「お父さん、タバコ止めてよ」とか「お母さん、あまり派手な服装しないでね」とか親の健康や世間体を気にしてが多いでしょう。親にとって子供と言うのは自分が育てて来た『分身』のような存在です。その自分の分身に忠告されるというのは自分に自分を否定されているようで、やはり受け入れ難いものです。「あなたのためを思って言ってあげたのにどうして分かってくれないの?」お互いそう思っているに違いありません。特に親には何度もくどくど言わず、忠告は一度だけ、それ以上は言わず、逆に認め支持してあげましょう。親はいつかあなたより先に死にます。それまでお互いいがみ合う方がいいですか。穏やかに仲良く過ごす方がいいですか。人は人を変えることはできません。親も然りです。

 

八田真太(HATTA SHINTA)
1977年神戸市出身。立命館大学卒業後、単身中国広州に渡り日本語学校を設立。広州市柔道協会日本人顧問、広州日本語教師連絡会会長等。雲南省に「雲南省恵民郷八田希望小学校」寄贈。好きな言葉は「人間万事塞翁が馬」。近著に「孔子がもし関西人だったら?」というコンセプトで「論語」を関西弁風にアレンジした「関西弁超訳論語(アールズ出版)」が全国の書店にて絶賛発売中!
ブログアドレス:http://schoolcity.jp/koucyou
Eメール:hatta_shinta@joyful-net.com

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