香港音楽界をリードする新しい施設「Haw Par Music Farm」湾仔（ワンチャイ）

2015/09/22

虎仾音樂基金
タイガーバームガーデン2 タイガーバームガーデンと聞いて懐かしく感じる方も多いだろう。かつてタイガーバームの売り上げで巨額の富を得た香港の富豪・胡文虎(AwBoon Haw)氏によって建設、胡一族の別荘として使用していたが、1950年に一般公開され香港の観光名所ともなっていた場所だ。2000年に閉園後、多くの敷地は売りに出され高層マンションが建設されたが、その中にあった「Haw Par Mansion」は歴史的建造物に指定され、香港政府が管理していた。そして政府は、香港歴史建築活性化計画を通じて同敷地に新しい命を吹き込もうと2017年に音楽施設「虎仾樂圃（Haw Par Music Farm）」をオープンする計画を立てたのだ。
タイガーバームガーデン1 そこで発足したのが、非営利で活動する教育組織「虎仾音樂基金（Haw Par Music Foundation）」である。同基金には、2つの目的がある。1つは、西洋と中国の音楽を学ぶ香港人へ音楽環境を提供するため。もう1つはユニークな歴史的建築物として知られる「Haw Par Mansion」を公共に開放するためだ。
同音楽施設のメインとなるのが、1930年代に建てられた3階建ての中洋折衷の建物である。その建物を利用し、教室、管理室、講堂とさまざまな部屋を作り、大きな音楽学校にする予定だ。基金は、これから入学する学生たちが、西洋と中国のさまざまな楽器、楽曲が揃った学校でしっかり学べるように利用される。
音楽ホールプレオープニングとして、同基金は香港に住む子供たちや10代の若者たちにむけて音楽のプログラムシリーズを実施。昨年の夏は、バンクーバーアカデミーミュージックから誕生した「Koerner Quartet」をゲストインストラクターに招き音楽を学び、今年は、子供と両親が一緒に音楽を学べる春のプログラムを開催。香港チャイニーズオーケストラやバンクーバーアカデミーミュージックのサポートもあり、学生とその両親たちが参加し、音楽を学ぶ楽しさを体験した。イタリアの楽曲からロシアの楽曲まで、ここで学ぶ音楽の世界は幅広く、香港音楽界を牽引する同基金の音楽活動からは目が離せない。興味ある方はぜひ参加してみてはいかが？