殿方 育児あそばせ!第10回

2021/09/15

殿方育児あそばせ

 

昭和の男親目線

そういえば、小さい子供は何かに固執するのを良く耳にする。うちの母親が言っていたが、私は鼻の無いパンダのぬいぐるみを片時も離さず、いつも持って歩き、寝る時も一緒だったとか。(鼻は私が早々に噛みちぎったらしい)

そんな私の息子はどうだろうか?思い返してみると、何かを持って歩き、片時も離さないという物は無くほとんど何にも固執しなさ過ぎる気がする。悪く言えば集中力が無い。1~2歳の時は、玩具を与えても少し訝しげに眺めて、振り回してみて、頭にあたって泣く。そしてすぐに遊ばなくなる。厄介なのは玩具よりも違った物に興味を示すこと。中国ではベランダの天井に設置してある物干し竿に洗濯物を引っ掛けたり、降ろしたりする便利な棒がある。日本でもあるかもしれないが、自分の経験上では見たことが無かったその棒に息子は興味津々。婆婆(popo:おばあちゃん)がいつも洗濯物を干したり降ろすときに使っている棒を、隙をみては持ち出し孫悟空ばりに振り回していた。
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最近(3歳)では日本の何かをと思い、ウルトラマンの動画を見せたり、おもちゃを与えて教えてみたところプチヒットした。今では私も知らないウルトラマンの名前を叫びつつ、走り回っている事もしょっちゅうだ。だがしかし、最終的には“やつ”には勝てない状況が続いている。いつでも一緒とまではいかないが、今より小さい時から何かと興味を持ち、主体的に遊ぶ“やつ”、そう、携帯だ。一緒に写真を撮ろうと内側カメラにして撮ろうとすると携帯を私の手からもぎ取ろうと必死に食らいついてくる。おかげで超ドアップでボケボケの写真が何枚も残り、消そうにも若干面白くて消せずにいる。
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最初はカメラ、次は色んなアプリを開いては閉じ、開いては閉じ……。何が楽しいのかわからないが一所懸命に画面をタップ&スライド。お次はWechatのテレビ通話。誰彼構わずテレビ通話をしたがり、相手が出たら切る。話をしていても突然切る。別件でテレビ通話をしていようものなら、近づいてきて携帯を強引に奪い取り、画面いっぱいに自分のアップを相手に見せつけ、「あー」「うー」言いながらきゃっきゃっと楽しんだ後はもちろん情け容赦なく切る。ボタン系が好きなのかと、ポチポチできて音がなる玩具の携帯を与えると電話をかける振りをして楽しんでいるが、テレビ通話ができないことに気づくと、玩具の携帯をグリグリと押し付けてきて、「テレビ電話できん!今すぐかけろ!」と言ってるかのように喚く。仕方なく本物の携帯でテレビ電話する事もしばしば。
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そんなこんなで今に至るが、一番は携帯、しかも抖音(Dou-yin=TikTok)。二番はかろうじてウルトラマンだろうか。そして三番以下は有象無象といった感じだ。

もう少し大きくなったら玩具で遊ぶのではなく、身体や道具を使っての遊びやスポーツをさせようと目論見はするものの不安要素は、妻の遺伝子。まったくダメではないが、お世辞にもセンスがあるとは言えない部分が気がかりでしょうがない。(パパは一通りの運動はできるんだぞ!本当だぞ)

昭和なイメージだが、キャッチボールが出来るくらい早く大きくなって欲しいものだ。それまで身体が動くようにサロンパスでもアンメルツでもなんならバンテリンでもw、パパは何とかしておくから……。

したばって、小小。ママっ子だんずわ、はよやめでけぇ。ママど一緒にパパば叩ぐのわ、まんず、いでぇのよ(涙)。


photo prof平太郎
日本の東北出身で中国語がまったくできないまま中国に来ちゃった無計画男。寒い所と雪かきが嫌で南国広州で定住をほぼ決めている。最近はコピーロボット的な振る舞いの息子に同族嫌悪を覚えながら似たもの親子で一緒に妻に怒られつつも子育てに奮闘中。趣味というかライフワークになりつつあるクラフトビールを片手に夜な夜なビアバーを探し、せこせこリスト作りに励んでいる変人に果たしてまともな人間に育てられるのかと禅問答を繰り返す日々。

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