殿方 育児あそばせ!第18回

2021/11/17

殿方育児あそばせ

 

丈夫ならオールオッケー

スクリーンショット 2021-11-18 141654 うちの子はよく怪我をした。寝返りができ、ハイハイをするようになり、自分で動けるようになってからは何かと怪我をしてたイメージがある。特に頭の怪我が多い。

 うちは共働きなので子どもの世話は婆婆に任せていた。広州での生活に慣れていない婆婆は連休前や、用事があると嫁の実家に戻ることもしばしばあったあるとき私たち夫婦は広州にいて、おばあちゃんとチビだけで実家に戻っていた時のこと。いつものように出勤して仕事をしていたら、妻からWechatでメッセージが入った。

「小小が怪我をした」

 どの程度の怪我なのかわからなかったが、子どもはよく怪我をするから大丈夫だろとタカをくくっていたが、続けてのメッセージで、

「額をぶつけて大きく腫れた」
と来た。

スクリーンショット 2021-11-18 143006 これは流石に看過できないので、どんな状況なのか訪ねた。田舎に帰って、近所の子たちと遊んでいた時のこと。周りが少し大きな子ばかりだったこともあり、遊んでいる時に手を繋いでぴょんぴょん飛び跳ねていたら、手が離れてしまいチビが転んで思いっきり額をぶつけたらしい。送られてきた写真を見ると、額が大きく腫れていた。その後コブになったが、婆婆が毎日を塗り、擦り込んでいたおかげか、コブはほぼわからなくなっている。

 ほかにもベッドから落ちたのも2 〜3 回はあり、頭をぶつけたりして毎度ハラハラしていた。あるときは運悪く目の近くも切れ、顔が腫れてまるでどつき合いでもしたかのような状態だったこともある。さすがにこの時の写真は不細工すぎるので、チビの名誉のため(笑)に出さないでおいてやろうと思う(親心)。

 しかし、毎度怪我をした際に、ふと義母のことが気にかかる。溺愛の孫が、面倒を見てる時に限って怪我をするので、毎回落ち込んでいる。

「私の小小が…」

 と義母は良く言っているらしい。それを妻から初めて聞いたときは笑ってしまったが、そこまで可愛がってくれて、大事に思ってくれていることに心から感謝している。

スクリーンショット 2021-11-18 141709 そのうち、私は私で慣れてしまい、毎回「唾つけときゃ治る」で終わらせている。本人のチビも、怪我なんてなんのその。いつものように遊びまわっている。

 大事なのは、怪我をした時にどうするかではなく、事前に怪我をしないような環境づくりが必要だと思ったので、良く落ちたベッド下にはマットを敷き、家具の角などにはクッションを妻と一緒に取り付けた。外にいるときも、実は内心ハラハラしっぱなしだ。

 滑り台があれば、危ない箇所はないか? とぐるりと見て周る。あぁ、自分も親バカだったんだな……と痛感する瞬間でもあり、小っ恥ずかしくなるので、すぐに素知らぬ顔でそばのベンチに座る。幸い(?)にも私と一緒の時は怪我はしない。不注意で怪我をする時が大半だが、結局それはチビ本人も意識していないときが多いので、避けようがない。

 これからも色々怪我はするだろうが、周りの子に比べ、体格だけはしっかりしてるので今後も大丈夫だろうと根拠のない安心感を抱いている。それに、怪我をした経験値で危険な事に対する意識が生まれると思ってるので、軽めの怪我ならどんどんしなさい。ただし息子よ、今後は頭だけはやめておけ。これ以上おばかに育ったらパパみたくなっちゃうぞ(笑)。

 小小、あんまあらげねぇ事すんなじゃ、パパ毎回あれねぐて、おったってまるじゃ。ちゃかしでいーはんで、あずましぐ育ってけぇじゃ。


photo prof平太郎
日本の東北出身で中国語がまったくできないまま中国に来ちゃった無計画男。寒い所と雪かきが嫌で南国広州で定住をほぼ決めている。最近はコピーロボット的な振る舞いの息子に同族嫌悪を覚えながら似たもの親子で一緒に妻に怒られつつも子育てに奮闘中。趣味というかライフワークになりつつあるクラフトビールを片手に夜な夜なビアバーを探し、せこせこリスト作りに励んでいる変人に果たしてまともな人間に育てられるのかと禅問答を繰り返す日々。

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