深圳の「水圍」を歩こう

2022/05/25

image2深圳には「水圍」というカラフルな街並みがある。人々の暮らしがあり、活気に満ち溢れ、車はせわしなく行き交うけれど、どこかのどかでのんびりとした時間が流れる。それが「水圍」の魅力だ。深圳には「水圍」というカラフルな街並みがある。人々の暮らしがあり、活気に満ち溢れ、車はせわしなく行き交うけれど、どこかのどかでのんびりとした時間が流れる。それが「水圍」の魅力だ。image3

水圍1368街区という繁華街は有名ブロガーがチェックインしたことで人気スポットとなった。1368、これはこの村ができた年数でもある。

ここは香港と河を隔てて隣り合う深圳は福田区にある一角。600年以上前、人々は付近で井戸を掘り、海を囲うようにして家を建てた。昔から今に至るまで、歴史古蹟の「龍秋古井」は水圍のランドマークとして大切に保管され、そこには「水環四壁、圍昌万年(四方を水で囲まれ、永遠に栄える)」と刻まれている。これが村名の由来と言われているようだ。

龍秋古井のそばに大きなガジュマルの木がたち、水圍の発展や変遷を静かに見守ってきた。通りにはレトロなアーケード、嶺南(広東地方一帯)ならではの南国風な雰囲気が流れる。ここは河一本隔てた土地柄、以前は香港からの旅行客で賑わっていた。狭い路地の中に所狭しと茶餐廳やカフェが並ぶのもそのためだ。

image0テラスの席に腰をかけ、おしゃべりに花を咲かせる。もしくは目立たない路地裏に入り、小さなレコードショップを見かけるかもしれない。デジタル化した深圳の都市の中では、レコードやCDはすでに懐かしい記憶の中のものとなっているだろう。

水圍1368街区にはカラフルな住宅とアーケード、赤レンガの建物、アーチ型ゲートや灯籠など、美しさの中にどこか懐かしいレトロな趣がある。そこに深圳の青い空、白い雲、陽の光、木々の影が合わさり、なんとも言えぬ美しい時が流れるのだ。

さて、付近には29棟からなる若者向けマンション、通称「握手マンション」がある。都市福利計画の一部で、優秀な若者を外地から転入させ、深圳経済や労働面を盛り上げる目的として施行された。握手ができそうなほど建物の距離が近く、団結力を上げるための設計とも言われる。

image9image4さて、同エリアの特色はそれだけではない。午後4時を過ぎるとにぎわう「水圍夜市街」もぜひ訪れてほしい美食街。深圳っ子が仕事帰りに「水圍に行って夕ご飯を食べよう」とよく言われるように、地元の人の台所的存在だ。ホットドッグ、オイスター、ザリガニ、臭豆腐、串揚げなどたくさんの露店が軒を連ねる。この夜市街の活気が胃袋を満たすのはもちろん、疲れた体や心にエネルギーチャージをしてくれる。

水圍は日が昇って夜が深くなるまで喧騒に包まれる街かと思われるかもしれないが、木漏れ日の下で微風に吹かれる時、ふとした心地よさを感じることのできる街だ。
(PPW編集部)

Pocket
LINEで送る