端午節を祝おう

2022/06/01

端午節を祝おう

龍舟(ドラゴンボート)スクリーンショット (1276)
端午節にドラゴンボートのレースを開催することは「賽龍船」「劃龍舟」「龍舟競渡」といい、広東地区の伝統的な風習の一つ。珠江デルタ地区の水郷の特色を生かした伝統的な民俗的イベントでもある。毎年旧暦5月5日前後には、珠江デルタにてドラゴンボートレースが開催されるのは広東の風物詩としても有名。同レースは中国の伝統を語り継ぐだけでなく、団結、奮闘などのスポーツ的要素もたくさん含む、一大イベントだ。

黄葛藤を飾る
端午節に黄葛蔓(漢方薬の一種でツル性植物)を飾るのは客家地区の伝統的な風習。端午の節句の当日、広東梅州の客家人は自分の家の玄関に魔よけのための黄葛藤を掛けるそうだ。夏が始まり熱くなると病気になりやすいという言い伝えから由来する。

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龍頭祭
ドラゴンボート文化の一部として、龍の目に筆を入れ龍に魂を宿らせるという一連の儀式。この儀式は「龍頭祭」とも呼ばれ、毎年旧暦5月3日、順徳、南海、中山などの龍頭は、順徳勒流鎮の龍眼村に集まって点眼する。スクリーンショット (1284)

 

正午に水を汲む
恵州には「正午に水をくむ」「ドラゴンボートの水で洗う」などの地元の特色がある。「正午に水をくむ」とは、端午節当日の昼12時に井戸に水をくむこと。恵州の風習では、この時の水がもっとも魔除けになり、子どもが「正午の水」で沐浴するとあせもがひき、健康な体になるという言い伝えがある。

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ちまきの種類

端午節にちまきを食べるのは、昔も今も、中国各地で同じ。昨今のちまきは以前より種類が増え、味もだいぶ洗練されてきている。竹の皮で包み、中に含まれる餡は各地の特産品や風習によっていろいろな種類がある。今回は広東特有のちまきの種類をいくつか見ていこう。

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肉ちまき
広東でよく見られるちまきは咸肉粽(肉ちまき)。具材が豊富で、卵黄、シイタケ、豚肉、鶏肉、貝柱などがある。

肇慶ちまきスクリーンショット (1279)
肇慶ちまき(肇慶裹蒸粽)は広東省肇慶の特産品で、製作過程は非常に凝っている。蓮の葉は緑色と香りがいいものしか使わず、そこに五香粉、酒粕を加えて調味をする。蒸した後のちまきからはさわやかな香りがして、口に入れるとそのまろやかさが特徴。

スクリーンショット (1280)客家ちまき
客家ちまき(客家灰水粽)は「もっとも薄味のちまき」と呼ばれている。もち米を、豆苗から出たアク汁(アルカリ性)に浸し、竹の葉で包み、材料を一切入れないのが他のちまきと違うところ。客家ちまきを食べるときは、葉を取り除いたあと、蜂蜜をかけたり、砂糖につけたりして食べるのがご当地流。

台山ちまきスクリーンショット (1281)
台山ちまき(台山粽子)は、四角い形が特徴。中にはたくさんの餡が入り、外側は葉でしっかりと巻かれていて、角までねじられているのでねじれちまきとも呼ばれている。餡の中にハーブが入っており、咳止めなどの効能もあるらしい。

今年の端午節、お気に入りのちまきを友人や家族に贈り合ってもいいし、伝統的なドラゴンボートレース鑑賞に赴くのもいいだろう。素敵な端午節を過ごしてほしい。
(PPW編集部)

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