CCTVグルメドキュメンタリー「舌尖上的中国 A Bite of China」

2014/07/15

舌尖上的中国 A Bite of China「舌尖上的中国 A Bite of China」は、CCTVで放送されているハイ・クオリティなグルメ型ドキュメンタリー番組で、中国内でたいへんな人気を博している。2012年に放送された第1シリーズに続き、2014年4月18日から第2シリーズが放送された。

同番組は、毎回違う角度で、太古の飢えをしのぐ原始的な穀物から現代の食卓に上る美食まで、さまざまな中国食事情を紹介する。料理番組でありながら「社会派作品」とも呼ばれているのが特徴だ。その理由は、中国の代表的な食材を使った人気料理を軸に、人間と自然、人間と社会の関係を深く掘り下げているからだ。単なるグルメ番組ではなく、一歩踏み込んで社会のあり方や暮らしぶり、思想までも紹介する。「幅」と「深さ」を兼ね備えていることが人気の秘密のようだ。

中華料理といえば世界に誇る食文化なのだが、実はこの手のドキュメンタリー番組はこれまであまりなかった。

二年前の第1シリーズは全7話だった。初回の放送後から大きな反響を呼び、問い合わせが殺到したという。取り上げる最高の食材や料理をビジュアル的にも丁寧に表現。新鮮さ、匂い、熱などが映像からも伝わってくるようで、人々の心を虜にしたのだ。番組内で紹介された料理をテーマにしたグルメツアーも各地で注目を集めた。

第2シリーズは全8話。異なる地域・民族の主食について、ストーリを交えながら描いていく。人々の主食に対する追求、主食にまつわる知恵などを通して、中国人の主食に対する思い入れがいかに深いものなのかを知ることができる。全8話で描かれるのは、「脚歩(足跡)」、「心伝(伝心)」、「時節(季節)」、「家常(日常)」、「秘境」、「相逢(巡り合い)」、「三餐(三食)」、「花絮(こぼれ話)」だ。第1部と大きく異なるのは、番組に登場したグルメをすぐにネットで購入できるという点だ。大手通販サイトがCCTVと提携し、番組に登場した食材などを販売する特設サイトを開設。第1話放送後ミャオ族の伝統調味料「雷山魚醤」に関する検索が殺到、半日で1千缶が売り切れたという。

中華料理から中華思想までも紹介するこの番組、中国を理解する上でも役に立ちそうだ。

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