師走の深センお薦め料理【コラム:深セン物語】

2023/11/29

深センで徒然(つれづれ)なるままに、、、
徒然(つれづれ)なるとは、思いにふけること

師走
12月の和風月名は、師走(しわす)。
師匠である僧侶が、お経をあげるために東西を馳せる月という意味の「師馳す(しはす)」の説が有力である。ほかにも、年が果てる(終わる)という意味の「年果つ(としはつ)」が「しはす」に変化したという説もあり、万葉集の時代に「シハス」と呼ばれていた説もある。次ラ゚

和名の別名では、晩冬(ばんとう)、春待月(はるまちづき)、苦寒(くかん)、歳極月(としはすづき)、暮歳(ぼさい)等がある。

~街師走、何を買つても、むだづかひ~
作:稲畑汀子

師走のお薦め料理
深センで12月に食べてみようか、のお薦め料理を紹介する。

麻辣火鍋
深センには中国各地の郷土料理がたくさんあり、味もレベルが高く、本場と変わらない。cb

先ずは四川省名物「麻辣火鍋」。意外にも日本人に好まれている“超激辛”の四川火鍋だ。
スープに含まれた漢方で発汗を促進。クコの実や紅棗は老化防止、精力増進、美肌に効果もある。
鮮魚やエビ団子は麻辣ス̶プが絡み、羊肉で体がほっかほかになる。
鮮魚はカワハギ(耗儿魚)が絶対に美味しい、ォ、・マ、ョ

欠かせないのが四川花椒の香りである。この花椒は本場の四川人でも食べずに吐き出す。理由は噛んでしまうと具材の味が分からなくなるから(強烈な痺れをもたらす)。他に干し椎茸、ゴボウ、ニンニク、生姜、桂皮(シナモン)などに老酒を加える。

冬の旬は火鍋の季節である。とにかく辛い! 旨い! シビれる!! だが、これぞ「医食同源」の極みである。
筆者は毎冬火鍋をつついて季節の風情を楽しんでいる。a

火炎鴨
羅湖の東側にそびえる梧桐山。その登山口にある新田村は小粋な店も年々増え、リゾートの趣もある。点々と散らばる農家料理店。ここでは冬の風情を味わうべく「火炎鴨」(火焰鴨子)を食したい。
熱した大鍋にゴマ油と味噌だれを注ぎ、野生の鴨肉を放り込む。香ばしい匂いが漂い、鴨肉がこげ茶になればOK。その美味な味には感激するであろう。蛛

鴨肉を食べ終えた鍋にスープを足して、自家製豆腐、新鮮な青菜と木耳に加えて“鴨の嘴に似た魚”(鴨嘴魚)と豆鼓(発酵大豆)を加えて、蓋をして蒸す。なんとも言えないいい香りが漂い、更に食がそそってきた頃が食べ頃である。その美味な味を、ぜひ訪れて食べてただきたい。
火炎鴨は広東3大料理である順徳料理の農家版であり、香港や日本では決して味わえないローカルチックな料理である。

椰子煮鶏湯
ヤシの鶏肉スープ。ヤシの実をベースにしたスープである。深センは亜熱帯地域に属し、熱帯雨林気候ではないが、市場ではヤシの実やドリアンがたくさん並んでいる。ヤシは、もぎたての緑色のモノではなく、茶色になった古いモノ(ココヤシ)である。殻の内側の白い部分(胚乳の固形化)がダシと具になるのだが、食感があり、濃い香りと微妙な甘い味が詰まっている。メャラモ

鶏肉と“不老不死”の妙薬、クコの実を加えてじっくり煮込む。美肌にも健康にも効果を発揮するスグレモノである。栄養も豊富であり、夏バテにも効く。また、ダイエット料理としても好まれている。
スープ専門店をはじめ、カフェ風レストラン等でも提供されている。
深センの中心部は高層ビルばかりで風情は無し。周囲は再開発でごちゃごちゃした街だ。ならば何が風情なのか、それは“ローカルめし”に尽きる。


宮城 紀生深セン在住22年のベテランコンサルタント
宮城 紀生
miyagi@waya.net.cn
 
 
 
 
 
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