民族楽器の演奏会「星海音楽廳」広州市越秀区

2015/04/20

星海音楽廳 「揚琴」――日本には定着しなかったが、中央アジア、東アジア、東南アジア各地で演奏されている伝来楽器だ。台形型の箱の上に弦が数10本から200本ほど張られており、それを2本の竹のバチでたたく。構造は、グランドピアノの蓋をあけて中をのぞいた時の様子に似ている。ルーツになっている楽器がピアノと同じなんだとか。バチは竹を薄く削ったもので、長さ約33cm、弦に当たる4cmほどのみ歯ブラシの部分の毛先の形のように残してある。

揚琴

揚琴の起源となる楽器は、ペルシャなどで演奏されている「サントゥール」という打弦楽器。揚琴よりずっと小さいが、台形型の共鳴箱の上に弦が相互に張ってある。それが中央アジアの人々に伝わり、モンゴル帝国の時代に、数々の文化や楽器と一緒に帝国の各地に伝わり継承された。中国では、伝来楽器である名残として、つい数十年前まで「洋琴」と表記されていた。中国に伝来した後、いち早くこの楽器が流行したのが広東一帯だったと言われており、ここから中国全土に広まっていった。この広まる過程で楽器の製作技術、弦の張り方、演奏法などが進化し、中国独自の揚琴文化が生まれた。今回の演奏会ではそんな揚琴の歴史と発展、そして揚琴の美しい音色にも触れることができる。

星海音楽廳 室内楽演奏廳
住所:広州市越秀区二沙島晴波路33号
日時:2015年5月9日15:00
料金:50元
ウェブ:http://www.concerthall.com.cn

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