偽造防止効果を高めた新100元札を11月12日から発行

2015/09/01

中国人民銀行(中央銀行)は8月10日、偽造防止効果を高めた新100元札を11月12日から発行すると発表した。主なデザインは変わらないが、偽造防止のための新技術を採用するなど細かな変更が加えられる。100元札は中国の最高額面紙幣で、日本円で約1900円に相当する。近年、中国では本物と見分けがつかない偽札が多く流通しており大きな社会問題となっていた。

11月12日から発行されるのは、1999年10月1日より発行している第5セットの2015年版100元紙幣。第5セットは2005年に一度改訂されており、100元札の裏に”2005年“と”1999年“のどちらが印刷されているかで見分けられる。2015年版は前回の改訂から10年が経過しており、多くの箇所が改善される見通しで、旧100元札は中国人民銀行により順次回収される。新札を手にして戸惑わないためにも、今までの100元札との違いを前もって知っておこう

 

新100元札 表新100元札 裏

新しい特徴―これで真偽をチェック!

①ホログラムセキュリティライン:表面の右側。正面から見ると赤色、斜めから見ると緑色に見える。光を透かすと線の中に「¥100」の文字が交互に並んでいるのが見えるという。強い光源がなくても、色の変化や透かし文字の読み取りは可能なため、偽造紙幣との見分けがつきやすくなっている。

②角度により変化する「100」:表面の中央部分。角度によって金色と緑色に変化し、数字上で光の帯が上下に動く。これは偽造防止分野で国際的に認知されている最新技術の一つで、識別も簡単なことから、現在、多くの国や地域の通貨で採用されている。

③毛沢東の透かし:表面の左側空白部。光に透かすと、毛沢東の肖像が見える。

④光に透かすことで裏と表のデザインが重なり現れる「100」:表面左下と裏面右下の「100」。光に透かすことで完全な形の「100」が現れる。

⑤縦横の紙幣番号:表面左下に横表示紙幣番号、冒頭の記号と続く2つの数字は褐色、続く6数字は黒。右側に青色で縦表示紙幣番号。

⑥「100」の透かし:表面横表示紙幣番号の下。光に透かすと、はっきりと「100」が浮かび上がる。

⑦凹凸印刷:表面毛沢東の肖像、国章、「中国人民銀行」の行名、右上隅の「100」、盲人用識別マーク、裏面の人民大会堂に凹凸印刷が施され、指ではっきりと凹凸を感じられる。

 

旧札との違いは?

旧人民元札

表面の変化:
a.
旧札では右側に凹凸印刷の線があったがこれがなくなった。また、左下隅の隠し文字「100」と変光インクで印刷された「100」もなくなった。
b.
中心部に変光インク印刷の数字、右側にホログラムセキュリティラインと縦表示紙幣番号が入った。
c.
右上隅の「100」が横表示から縦表示に変更され、数字のデザインも調整された。中央部分に描かれた花の色がオレンジ色から紫色になり、花弁の周りの花輪は青色がなくなりデザインも変更された。旧札では左中程に光に透かすことで裏と表のデザインが重なると古銭図案が現れたが、新札ではこの細工を左下隅の「100」の文字に使用している。

 

100人民元

裏面の変化:
d.
磁性ホログラムと右下隅のコピー防止マークがなくなった。
e.
左右の印刷が減り空白を多くした。「100」の上半分の色が深紫から薄紫に、下半分は赤からオレンジに変更された。その他、デザイン・色など細かな変更あり。
f.
年号が「2015年」になっている。変わらないのは……:
主なデザイン、基調色、「中国人民銀行」の銀行名、国章、盲人用識別マークと中国語ピンイン銀行名、民族文字などに変化はない。
早ければ年末には新しい100元札を手にすることになるかもしれない。手にしたら早速その違いを確かめてみよう!

 

 

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