通いたくなる隠れ家バー「さらり」広州市天河区

2015/11/24

割烹着姿の君君(ジュンジュン)さん広州にもあった!通いたくなる隠れ家バー

扉を開けると、割烹着姿の君君(ジュンジュン)さんが明るい声とやさしい笑顔で「いらっしゃいませ」と迎えてくれる。そして、黒板に書かれた「お疲れ様です」の文字が目に入る。これだけで、なんとなく家に帰ってきた時のような感覚を味わえるから不思議だ。「さらり」が”癒し系“と呼ばれていることがわかるような気がする。料理はどれも定番の家庭料理で、日本の味があふれている。たった9席しかない小ぢんまりとした中に居心地の良さが感じられる。
「さらり」の特色といえば、日替わりの煮物と糠漬け。肉じゃがやひじきの煮物は特に人気。いずれも日本の家庭の味だ。「広州には糠漬けがないよな〜日本の糠漬けの味が懐かしい」。そんなお客さんの声を耳にした君君さんは、日本からわざわざ糠を取り寄せてもらった。糠漬けの作り方を学び、今では糠床もちょうど良い塩梅にキープできるまでになった。糠漬けには体が必要とするミネラルやビタミンなどの栄養素、乳酸菌が豊富に含まれている。日本人が懐かしむ、あの糠漬けが「さらり」にはある。このエピソードのとおり、お客さんのリクエストや要望にできる限り耳を傾ける君君さん。そのひたむきさに引き寄せられてやって来る”君君ファン“も少なくない。うれしい事やつらい事、何があっても、ここに来ればうまい料理を食べ、おいしいお酒を飲み、そしてどんなことでも君君さんに打ち明けられる。
さらり店内1 料理と酒
広州もようやく冬の気配が見えてきた。冬といえば「おでん」だ!おでん種にはそれぞれ好みやこだわりがあるものだが、やはり欠かせないのは、大根、卵、こんにゃく、さつま揚げ、ちくわ、はんぺん、昆布、巾着、といったところだろう。つゆがしっかり染み込んださらりのおでんは格別!繊細なダシの味が口いっぱいに広がる。異なる種を食べても味がぶつかることもない。仕事帰りにサクッと飲んでいきたいときにもピッタリだ。
小ぢんまりとした佇まいだからこそ味わえる心地良い距離感がここにはある。一人で飲もうと思って訪れたが、ついつい君君さんと話し込み、居合わせた隣客とも友だちに……そんな”意外なこと“がここではよく起きる。何か食べたい料理があれば君君さんに前もって言ってみよう。もしかしたら準備してくれることもあるかも知れない。
さらりのジュンジュンさん おでん
「さらり」オススメの「升酒」:”升に注がれた日本酒“は、杉の豊かな香りや美しい木目といった様式美が加わり、日本酒がよりおいしくなる。さて、その飲み方だが……「つい飲みやすそうな角から行きそうになるが、升酒は平らな部分、升のフチからすするように飲むのが正しい飲み方。ずるずると音を立てるのがみっともないという方は角から飲んでも問題はない。升酒は角に塩を乗せて飲む飲み方もある。昔は塩を酒の肴にして飲むことも多く、その名残とも言われる。清めの意味合いで塩を盛ることもあるが、その場合は塩を払って飲んでも特に問題はない」とのことだ。日本でも升で飲む機会は少なくなったが、このような日本の古き伝統もまた日本酒文化の奥深さを感じさせてくる。日本酒好きな方は試してみてはいかが?

さらり
住所:広州市天河区天河南一路六运三街3号101室
電話:(86)150-1335-2662
時間:18:00~24:00
定休日:日曜日

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