広東のパワースポット「桃源村」や「金林水郷」で長寿の秘訣を探る

2016/02/01

二つの長寿村

長3その土地の水と土が人を作る――健康を保ちつつ長生きしたければ、丈夫な体のほかに良い水と土、つまり良い環境が欠かせない。
原生林、清らかな湧き水、その土地の風景に溶け込む住まい、素朴な風習……静かな時の流れるこんな場所は、都会で暮らす人々にとって遠い存在に思える。しかし、街を一歩離れるてみると広東にはまだ生活リズムもスタイルも異なる村々が存在する。
これらの村は現在でも健康で長生きする人々が多いことで知られている。長寿のパワースポットに出かけて、胸いっぱい深呼吸してみるのもよい

懐集桃源村
桃源村は広東省肇慶市懐集県橋頭鎮に位置する。270年(泰始6年)から現在まで1700年以上の歴史を誇る。桃源村はこれまで数多く長4のご長寿を輩出してきた。この村の出身者か外から嫁いできたかにかかわりなく、この村の住人の多くが90
歳以上となり、100歳を超えるご長寿も少なくない。1994年、同村の孔英さんが124歳で「中国長寿王后(皇后)」の称号に輝いた。これを機に”中国長寿王后の里“と呼ばれるようになった。
村は山で閉ざされた盆地にあるため周辺の村々とは異なる独特の言語文化・風習が育まれた。小舟が浮かぶ川に沿って村に入り、古くからある神秘的な洞窟を過ぎると、突然視界がひらけ、山で閉ざされた盆地に出る。周囲を岩山に囲まれ、清流がさらさらと流れる風景は、”陶淵明の古居“(※)と称されている。村人は”長寿道“を極めることを生き甲斐としている。現在でも「山翁岩」、「長寿橋」、「仙翁煉丹石」など長寿にちなんだ名所がある。この貴重な長寿文化を体感するためにわざわざここを訪れる人も少なくない。(※陶淵明は南北朝時代の文学者で、郷里の田園に隠遁後、自ら農作業に従事しつつ、日常生活に則した詩文を多く残し、田園詩人と呼ばれた人物。)
ご長寿グルメ:村では粟米(トウモロコシ)の栽培が盛んで、トウモロコシの粉に調味料を加えて炊いた「粟米粥」が主食となっている。”駐顔益寿“(老化を防止し寿命を延ばす)効果がある郷土料理だ。

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徳慶金林水郷
長1肇慶市徳慶官圩鎮の金林水郷も広東では有名なご長寿村だ。金林水郷の水にはストロンチウム、セレン、リチウムなどのミネラルが豊富に含まれる。また、大霧山から南北に磁気異常帯が存在するという。清らかな湧き水、新鮮な空気、素朴な村の風景、これらが相まって金林水郷は長寿の郷となっている。確かな統計はないが、清朝以来、村では100歳を超えるお年寄りが8人以上出ている。現在90歳以上の健康なご長寿は20人以上いる。これも村に伝わる”養生之道“と関係があるに違いない。
水郷に入るためには渡し船で水路を進むまなければならない。蛇行した石道に沿って進むと、所々に硬山式建築(※)の家々が見えてくる。博古龍灰脊模様と燕尾飄脊の古祠堂郡があり、どこを見てもこの土地の素朴な風景があれている。長寿門の南側には細い村道がある。道沿いの家々の軒先では様々なものが無人販売されている。売り物は壁に掛けられており、買いたい人は竹筒にお金を入れるようになっている。(※硬山式は日本建築の切妻造に近いが、左右の山墻と呼ばれる側壁が屋根の上端より少し高い位置まで延び、左右の軒先が外側へ張り出していない点が異なる。)
ご長寿グルメ:竹竿に掛けてつくられる河粉(ライスヌードル)「徳慶竹篙粉」が5元から8元で売られている。首烏餅、西江醸黒豆腐、醸大薯、煎土狗、果実の先が細く別れてまるで手のように見える柑橘「広佛手」( ブッシュカン)、山坑魚などがある。長2

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