2015年中国流行語「世界這麼大、我想去看看」とは?

2016/02/18

流行事情今回も2015年中国流行語シリーズ。「世界這麼大、我想去看看」(世界はこんなにも広い、行って見てみたい)。2015年4月14日朝、ある辞表が突然話題となった。辞表に記されていた辞職理由はたったの10文字、「世界這麼大、我想去看看」だった。突然辞表を提出し旅に消えた教師に、若い世代から共感の声が上がった。ある取材によれば、この辞表の“作者”は2004年7月に湖南省実験中学に着任した女性教師で、11年間在職していた。辞職の決定は将来の人生プランが何もなかった自分のためであって、決して騒ぎを起こすためははなかったという。旅に出て、気に入っ場所があればしばらく滞在するもよし、さらに別の地へ赴くもよし……もしかしたらまた教師に戻るかもしれない。彼女は、河南省鄭州市を離れ、これまで旅したことのない四川へ……そこで現地の生活を楽しんでいるとか。

さて、これに注目したのは旅行業界だ。「説走就走」(行くと言ったら即行こう)のキャッチフレーズと共に広告を展開。プランを立てずに旅行をする様子を写した写真をアップすることがブームとなった。思えば、日本でも1990年代“自分探しの旅”がブームとなった。本屋には様々な旅行記があふれ、影響を受けた若者がそれに憧れた。派手な生活が可能となったバブル期に思春期を過ごした若者たちは、バブルが弾けた時、それが儚い夢だったことに気づき、自分を見失った。経済成長という幻想に囚われた社会の一面を反映した現象なのかもしれない。

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