郷に入れば郷に従え……る訳はないっ!Part1「中国の街頭掃除の風景から」

2016/07/13

街頭掃除いきなり個人的な話だが、勉強中の我が身、以前「哲学」のレポートで「中国における道のお掃除さん」について書いたことがある。道にゴミがあるからお掃除さんがいるのか、お掃除さんがいるから道にゴミを捨てるのか。これを命題にしたのであった。というのもその昔、日本語会話学校で生徒さんとこんな会話があったのが発端。

私「ゴミのポイ捨てについて、どう思いますか?」
生徒「良いと思います」
私「えっ?(聞き間違い……?)良い、のですか……?」
生徒「はい。もし道にゴミを捨てなかったら、掃除の人たちの仕事がなくなり、彼らは食べていけません」

その時はもう、ただあっけにとられながらも、とりあえず先生らしく取り繕った(誤魔化した?)のを覚えている。

それから時は流れ、件のレポートを書くときに改めて「道のゴミ問題」を考えたのであった。課題は「身近な事柄を哲学的視点から論ぜよ」ということだったので、「原因と目的」をベースにして書きあげた。ぶっちゃけてしまえば、ニワトリが先か、玉子が先か、みたいなものだ。

確かに、生徒さんの意見も一理ある。誰もがゴミをきちんとゴミ箱に捨て、ポイ捨てを一切しなくなったら、掃除の仕事はなくなってしまうのかもしれない。とはいえ、風で飛んできたゴミや、街路樹の落ち葉だってあるのだから、掃除の仕事がなくなることはないのではないか。やはり、何がして良いことで、何がしてはダメなことなのか。またそれは何故なのかを考えてみることは、大人になった今でも、いや、今だからこそ興味深いことではないだろうか。

先日、買物帰りにびっくりする光景に遭遇した。なんと、止まっていた車の窓が開いたかと思うと、そこから水のペットボトルが飛んできたのだ。ええっ!?と思わず足を止めて、中にいる人をまじまじと見つめてしまった。目が合ったのは「は?何みとるんや?」と言いたげなおっさん。まるで「捨てて何が悪いんだ?こんなの当然のことだ」と言わんばかりであった。

その態度を見た瞬間、沸々と込み上げてくるものがあった。そこで私はつい……。と、字数が足りなくなってしまったので、この続きは次回に!
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[ヘイワード 順]
「母」、「妻」、「日本語教師」、「大学生」、「ライター」、「女」の“6足のわらじ”を履いて、中国は広州でパタパタと、何でもかんでも「なんとかなるさー」で乗り切る毎日。広州歴5年になるも中国語は駄目駄目レベル。夜ごはんの主食はビール。
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