今すぐ使いたくなる中国語「一言既出,八馬難追,外加九個香爐」

2016/07/27

一言既出,八馬難追,外加九個香爐
yī yán jì chū, bā mǎ nán zhūi, wài jiā jǐu gè xiāng lú
「一度口に出せば、八頭の馬でも追いつけない、それに九つの香炉よ!」

この言葉、中国の成語を知る人が聞くと、八馬ってなんだよ! 香炉ってなんだよ! と、ツッコミどころ満載で爆笑するらしい。うろ覚えや思い込みなど、勘違いワードを使って赤っ恥ということがある。この言葉もそのたぐいのようだ。前半は、「一言既出、駟馬難追」(駟も舌に及ばず)という成語を言いたいのだろう。後半の「九個香炉」は前半の「八」と呼応して「一言九鼎」という成語を言おうとしているようだ。
「一言既出、駟馬難追」は、一度口に出した言葉は、最も速い四頭立ての馬車「駟馬」でも追いつけない、覆水盆に返らずの意味。「八馬」になったのはおそらく、駟馬を知らない人が四馬(発音が同じ)と勘違い、なら倍の八馬のほうがインパクトあるじゃん……という発想かもしれない。「九鼎」とは国を象徴する宝器のことなので、「一言九鼎」は重みのある一言という意味だ。影響力を持つ言葉は心に深くとどめてから発言しなければならないことを諭している。鼎と香炉、形は似ているが、香炉では本来の意味が伝わらない。爆笑勘違いワードだが、元になる成語を知る人が聞けばツッコミながらも言わんとすることは理解できる。紹介するドラマでは、ヒロインがこうした勘違いワードを連発する。
「説者無心、聴者有意」(話し手は何の気なしに話していても、聞き手は気になる)と言われるように、軽はずみな一言で人を傷つけてしまうことがある。いつでも、どこでも、だれと話すときでも、「一言既出,八馬難追,外加九個香爐」の意味を忘れてはならない。
還珠姫

作品紹介
還珠格格(還珠姫~プリンセスのつくりかた~)
十年以上前の作品だが、現在でも根強い人気を誇るテレビドラマ。清朝の宮廷を舞台にしたラブ・コメディ。「格格」とは満州語で「姫」の意味。格格と間違われ宮廷に紛れ込んだおてんば娘「小燕子」と本物の格格「紫薇」。二人の入れ違いの秘密をめぐって宮廷内外で起きる波瀾万丈が描かれる。

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