深センものがたり 第8回

2019/02/27
深センの世にも奇妙な物語

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大都会深セン、実は不思議で奇妙なことがたくさんある。街からほんの少し離れた自然の中へ入り込めば、この世の者でない”ものの怪(け)“、ムーミンやトトロが棲むかも。今回のコラムは、魔訶不思議な出来事や恐怖の話。苦手な方はご注意願いたい。では奇妙な世界へ誘うことにする。

※筆者はストーリーテラーなので一切の責任は負えぬ。

 

 

なにかがいる?

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羅湖の東にある山麓の村で起こった奇妙な出来事。ある真夏の昼間、農家で昼寝の飼い犬が急に吠え出し、牙をむいて猛然と飛び出して行く。またたく間に周囲の飼い犬たちも集まり、群れはある一定の方向へ吠え始めた。牙をむき出し唸り、今にも”なにか“へ飛びかかりそうになったその時、犬たちは突然猛スピードで”なにか“を追いかけるように森の中へ突進。しばらくして戻ったのは半数ほどの数だけ。「確かに”なにか“がいた、しかしそれが”なにか“はわからない」そうだ。

 

 

水鬼

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日本の怪談話へ登場して活躍するのは、狸、狐、蛇が多いが、ここ広東省では”水鬼“と呼ばれる妖怪の主演が多い。海や川に生息し、釣り人や遊泳者を水中に引きずり込み殺害する手口である。つまり犯罪者である。容姿は長髪で皮膚は緑色のウロコ、長い手足には水かきを持つが西遊記の”河童の沙悟浄“ではない。巷の行方不明者は”水鬼“の仕業と断言するお年寄りも多いそうだ。

ちなみに人魚伝説は広東省に根強く残っており、決して妖怪ではなく、独自の言葉と字を持つ実在の人間(魚類?)としての交流録も存在するそうである。

 

 

異変の前触れ

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龍崗区のある村では時々大量のミミズがわらわらと這い出てくる。まるでこの世の終わりのような光景。そのあとで必ず豪雨による濁流が村を襲うそうだ。この現象は天変地変の前触れとのこと。しかし、不思議なことに道路工事で地面をいくら掘ってもミミズはほとんど出てこない。果たして、このミミズたちはいったいどこに住んでいるのだろうか?濁流が引いた後に再び戻ってきているはずなのに…。

 

 

たまご売りの老人

広東省に昔から伝わる”たまご売りの老人“の話しがある。真夜中に歩いていると老人と出会う。その老人は「たまごを買ってくれ」と言う。仕方なしに買えば問題はないが、買わないと呪われ祟られ、死んでしまうそうだ。もし、現代にたまご売りの老人に出会ってもたまごを買えば祟られることはないので心配ないが、スマホ決済が普及し現金を持ち歩かなくなっている。果たしてこの老人はウイチャットペイを利用しているのだろうか…いささか心配である。

 

 

 

 


宮城 紀生

深セン在住18年のベテランコンサルタント
宮城 紀生
miyagi@waya.net.cn

 

 

 

WAYA

深セン華日(ワーヤ)コンサルティング
会社設立・運営、法律相談、会計財務税務
深圳市福田区深南大道6021喜年中心A610

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