日本の実店舗が直接監修「yokocho上横町・日本食街」深セン

2020/01/08
足元の『yokocho上横町・日本食街』の文字。
ヘンゼルとグレーテルを彷彿させる道しるべを辿っていくと、
そこに待つのは魔女なのか、はたまた……。

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⓪ 深圳・羅湖駅からタクシーで一路、都市開発進行中の福田区へ。どちらも発展している都市なのに、広州とはまた雰囲気が違うねえ、深圳のほうが広々とした感じだねえ、と、運転手さんとカタコトおしゃべりをしていると、彼は信号待ちで前方を指差した。「ほら、あれがアッパーヒルズだよ」。かなりのっぽなビル、福田区のランドマークになりそうなその建物は、蓮花山公園の横に去年できたばかりのオフィスビル&ショッピングモール『深業上城(アッパーヒルズ)』だそうだ。「来年、地下鉄が開通したら、さぞかし賑やかになるよ、きっと」にこやかに運転手さんは言う。

Annotation 2020-01-08 160552 タクシーを降り、まずはモール周辺の散策開始だ。MUJI Hotelを横目で確認後、モールのメインエントランス近くのエスカレーターにてショッピング&グルメエリアへと。エントランスの少々硬めの雰囲気とは打って変わり、オープンエアの小路沿いにはお馴染みのファッションブランドの店や、チャイニーズレストランなどが点在している。あるショップはちょうど開店したて。スペシャルセールがあるのだろうか、若い人たちが長い行列を作っている。

ふと足元を見ると『yokocho 上横町・日本食街』の文字が。しかも点々とつながっており、それはまるで、ヘンゼルとグレーテルの道しるべを彷彿させる。道しるべを辿っていくと、そこに待つのは魔女なのか、はたまた……。

道しるべの終りには、日本が現れた。白く大きな暖簾に火消しの纏(まとい)模様。真っ赤な京和傘に日本酒の酒樽。どれもこれも、日本の伝統だ。これらが迎えてくれる横町に、期待感が高まってくる。さて、さっそく日本食街の中へ。

①

 

「原宿カレーハウス」

「原宿カレーハウス」

エントランスのすぐ左手には「原宿カレーハウス」がある。店内左手はポップでパステル調、まさに原宿を彷彿させる、カジュアルな雰囲気の店内。自分好みのトッピングで、ルーに重さのある、あの日本のカレーが気軽に楽しめる。

「とんかつ六丸」

「とんかつ六丸」

続いてエントランス右側を見ると「とんかつ六丸」が。格子戸で仕切られた店内は自然光の優しさとのバランスで落ち着きが感じられる。店名のとんかつはもちろんのこと、ちょっと贅沢な牛かつも六丸の売りだ。

 

「旭川ラーメン梅光軒」

「旭川ラーメン梅光軒」

すぐに街中に入りたい気持ちを抑えつつ、外から攻めよう。メインエントランス向かって右側にも街中への入口がある。こちら側から入ってみると「旭川ラーメン梅光軒」の赤い暖簾が目を惹く。余計な装飾は必要ないと言わんばかりのシンプルな店内は、さすが、50年という歴史の自信であろう。自家製麺をコクのある濃厚スープでいただく幸せをぜひ感じてほしい。

「鳥屋大吉」

「鳥屋大吉」

そのお向かいは「鳥屋大吉」だ。焼き物の香りで鼻先がくすぐられ、つい、ビールが飲みたくなってしまう。平日の仕事後はもちろんのこと、休日の午後に軽く一杯と、居酒屋感覚で気軽に鳥料理を味わおう。

「鉄板居酒屋 椛(もみじ)」

「鉄板居酒屋 椛」

ふと耳に懐かしい金属音が聞こえてくる。目を見遣ると「鉄板居酒屋 椛(もみじ)」で料理人たちがコテを両手に、お好み焼きやチャーハンなど焼いているではないか。カウンター越しに、そのプロの手捌きを肴にすれば、焼きたて料理も、より美味しさが増すこと請け合いである。

 

「鳥だしおでん かしみん」

「鳥だしおでん かしみん」

先を歩くと、お次は「鳥だしおでん かしみん」だ。鶏のお出汁でゆっくりことこと、一晩かけて煮たおでんは体を芯から暖めてくれる。冷たい風の吹く日には、熱燗をお猪口でくいっと傾けながら、鶏から出た栄養満点の、やさしい白さのスープと好みのおでんを楽しみたい。

「北の炉端」

「北の炉端」

芳しい煙に振り返ってみると、「北の炉端」で魚を焼き始めた。火加減や魚の焼き加減を見極めている料理人の目の鋭さに、料理職人の片鱗が垣間見える。北海道の老舗店というだけに、新鮮な魚が自慢の逸品揃いだ。

 

「魚河岸料理 青ゆず寅」

「魚河岸料理 青ゆず寅」

更に奥へと進んで行くと「魚河岸料理 青ゆず寅」の大きな提灯が見える。入口向かって右側は純和式のお席。一升瓶が並んだカウンター、豪華な刺身盛りが似合いそうだ。左側は明るくカジュアルな雰囲気なので、ランチ時にぴったりだ。

 

 

「銀座豆寅」

「銀座豆寅」

お、銀座からの店舗が隣り合わせになっている。まずは鰻の「銀座豆寅」だ。甘辛たれの香ばしさが食欲をそそる。カウンターからは鰻と鶏を焼いている料理人が見え、その手捌きに見惚れてしまう。テーブル席は満卓、蒲焼は中国でも大人気の様子だ。

「銀座BirdLand」

「銀座BirdLand」

そして焼鳥の「銀座BirdLand」。こちらでは焼鳥の仕込に遭遇。1本1本丁寧に串に刺していく。炭火焼きの焼鳥は、シンプルが故に味の良し悪しがすぐに分かるもの。更にその味を引き立てるために日本の海塩を使用している。仕込も調理も、料理人の丁寧な扱いを見ているだけで充分に味の良さが想像できるであろう。

「5/60Bar」

「5/60Bar」

ここで一旦、小休止。日本酒バー「5/60Bar」はクラフトビールのように、日本酒のタップが壁にあるという、他では類を見ないバーだ。一升瓶ではちょっと手が出ないような日本酒がグラスで飲める。日本酒に合う料理は横町の店舗から取り寄せ可能だ。

「Ristorante Sala Amabile」

「Ristorante Sala Amabile」

日本食とは何も日本の伝統料理に限ったものではない。「Ristorante Sala Amabile」のイタリアンはイタリアの伝統と日本の味覚の融合なのだ。店は街の喧騒から離れた少し奥にあり、隠れ家的でもある。その白と木目を基調とした落ち着きのある店内で、大切な恋人とのひと時を、ワンランク上のイタリアンとともに楽しみたい。

「彰」

「彰」

お向かいには東京の老舗天婦羅店「彰」がある。天婦羅はその引き上げ時が食材によって違う。それを音で聞き取り、目で見極める料理人の腕はさすが、80年の歴史を誇るだけあるのだ。一品ごとに料理人から直接提供される揚げたての天婦羅に舌鼓を打つこと間違いなし。

 

「鮨 美寿志」

「鮨 美寿志」

そして、日本の伝統の技が光る高級寿司「鮨 美寿志」だ。カウンターがメインの店内、仕切りの向こうには個室カウンターがある。ネタの旨味を引き出す赤酢の寿司飯と、日本からの新鮮な魚貝を使用し、絶妙な握り具合の鮨の数々。伝統的な江戸前スタイルの美寿志ではやはり、お箸など使わずに自らの手で食したい。

「狸穴 鉄板焼」

「狸穴 鉄板焼」

最後は東京の人気店、「狸穴」2店。「狸穴 鉄板焼」では選りすぐりの食材が、料理人による絶妙な焼き加減で提供される。洗練された店内での上質な鉄板焼きは、ビジネスでもプライベートでも、確実に、同席者を満足させるだろう。

 

 

「狸穴 すき焼き・しゃぶしゃぶ」

「狸穴 すき焼き・しゃぶしゃぶ」

「狸穴 すき焼き・しゃぶしゃぶ」は和モダンで統一され、隣の席との間にほど良い空間のある、落ち着いた、大人の雰囲気の店だ。14名までの大テーブル個室もあるので、接待にも良し。オーストラリア牛の上質な部位を使用、舌にとろける柔らかな牛肉を、本格的な日本の味で堪能したい。

 

 

日本の街中をさらっと散策するつもりが、散策どころか、徹底調査のようになってしまった。更に調査を進めると『yokocho 上横町・日本食街』では今、2つのイベントを行っていることも分かった。一つ目はプロの美人DJ’sによる「yokocho 律動之夜」(毎週金・土18:00〜21:00)というHOTでCOOLなミュージックイベントだ。週末は日本食の横町が「CLUBYOKOCHO」に変身するのである。
そして二つ目はお得な「2時間飲み放題パック」(横町16店舗共通)だ。ビール・ハイボール飲み放題のAセット(138元)と、ビール・ハイボール・焼酎・日本酒飲み放題のBセット(188元)の2種類だ。美味なる食事と最高の音楽には、当然お酒がつきものだろう。いったい誰がこのハッピーアワーを見過ごすことができるのだろうか?

Annotation 2020-01-08 152449

ここ、横町には魔女はいないが、日々磨きをかけている、経験と技を持った腕から魔法を放ち、美味しさを生みだすシェフたちがいる。作り手の顔が見えるということは、食べ手にとっての安心感のみならず、料理人の自信が美味しさにつながっているということの再認識なのだ。日本に実店舗のある名店16店舗による直接監修の下、日本と同じ味が楽しめる場所。それが『yokocho 上横町・日本食街』なのである。
さて、ヘンゼルとグレーテルがたくさんの財宝をポケットに詰め込み、家に持ち帰ったように、たくさんの美味しさを胃に詰め込んだことだ。また近いうちに横町に来るという確信もポケットに詰め、今宵はそろそろ広州の家に帰るとしようか。

 


Annotation 2020-01-08 160534

【上横町日本食街】福田アッパーヒルズ内
住所:深圳市福田区深業上城小鎮L3層S307舗

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